第16話 道中 1
シャリンはアジト奪還のため、亜李須川はもとの世界に戻る手段を探すため旅に出た三人
結局ピヨは付いてきてしまった。
「ところでこれからどこへ向かうんだ?」
「とりあえず私たちがもといた場所に向かおうと思う。そこにいけば何かわかるかもしれないからな」
シャリンは俺に地図を見せながら話してくれた。しかし全く土地勘のない俺にはさっぱりわからなかったのでとりあえずうなずいておいた。
「ところで初めて会ったときと雰囲気が違うよな、なんだっけ楽しめそうだな、だっけ?」
初めて会ったときを思い出したのかシャリンは顔を真っ赤にしている。
「うっうるさい!忘れろ、ちょっとかっこつけたかっただけだ」
どうやらシャリンの黒歴史になってしまったようだ。
その後俺たち三人はぽつりぽつりと会話をしつつ森の中を歩き続けた。
「今日はここで休もう、私が見張りをしている」
一日中歩き続けたおかげでもうへとへとだ、運動不足が顕著に影響してしまっている。元気いっぱいのピヨもさすがに疲れたのか返事をする前にすよすよと寝息を立てている。
「悪いな任せた」
「心配するな私は夜に強いんだ」
さすが猫の血?が入っているだけあるな、なんて考えながら俺は眠りに付いた。