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第164話 面倒な出会い

タルヴェルという色男のサテュロスがカルベネに殴られた

 ヴェロニカのおかげでその日は屋根のある場所で過ごすことができた。宿は町から少し離れた場所にありあまり治安は良くなさそうだったが野宿よりはいくらか安全だ。


 次の日みんなを残し俺とシャリン、フィリアナで町へ出た。そしてなぜかまたカルベネもついてきた。


「なあついてきてもいいけど勝手にいなくなるなよ」

「いなくなるなら勝手にどこか行ってるよ、私が一緒にいるのは……あいつのせいだ」


 カルベネの視線の先には花壇の近くで女の子と話をしているタルヴェルの姿があった。


「信じられねぇここでも女をたぶらかしてるのかよ」

「あらカルベネさん知り合いですか?」

「あいつに話しかけられても無視しろよ」


 カルベネの忠告どおり気づかれないように迂回しようとしていたところ普通に見つかってしまった。


「カルベネ!やあーいたのかってこのお二人は君のお友達かな?」


 彼は話していた女の子に一言、声をかけると笑顔でこちらへ近づいてきた。鼻にはガーゼで手当てがされている。


「ええ、こんにちは。そんなに悪い人じゃなさそうですよ」

「こんなに素敵な友達がいたなんて。こんにちはヴァルキュリアがこんなところで寄り道かな?」


 彼はフィリアナの手を取り小さく口付けた。


「んふふ、前言撤回……」


 フィリアナは手を引き気まずそうに苦笑いをした。その様子を見ていたシャリンは後ずさりをしている。


「ところで何をしているの?買い物かな?」

「まあそんなところかな」


 俺は嫌そうな三人に代わって答えた。


「そう、ならたくさん買い込んだほうがいいな。この先にはあまり町がないから。どれくらいここに留まってるんだい?というか君たちは何の集まり?」

「えーっとまあちょっとした旅仲間かな、二、三日いたらまた出発する予定」


 彼はふーんと興味なさそうに相槌を打った。


「君たちのほかにメンバーは?」


 そう言ったところでカルベネが止めに入った。


「お前には関係ないだろどっかいきな」


 フィリアナとシャリンはカルベネに続きそそくさとどこかへ行ってしまった。


「はぁーなかなかどうしてうまくいかないものだな。美しいバラにはとげがあるってね。旅に必要なものをそろえるんだろ?男同士、買い物でもしようじゃないか?」


 その後俺はナンパ術や彼の自慢話を聞きながら広い町を歩かされることとなった。唯一よかったことと言えばイケメンを連れていた事でたくさんおまけをもらえたぐらいである。

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