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第149話 一寸の虫

キーガに戦いを挑むも深手を負ってしまったダルコー

 ダークハーピーたちは急いで自分たちの長に駆け寄り、傷口に布をあてた。彼はまだ倒れたわけではないが今は手当てが必要だ。完全に劣勢となったダークハーピーたちにキーガがゆっくりと近づいて行く。このまま止めを刺そうとしているのだろう。


 だが俺たちが一斉にかかっていったところで返り討ちに合ってしまう。なにかよい方法はないかと周囲を見渡していると突然ピヨが走り出してしまった。


「ちょっとピヨちゃんどこに行くの?!」


 フィリアナの制止を振り切りピヨはキーガの前に立ち塞がった。


「なんだ?一体」


 異様な光景に彼は眉をひそめた。ピヨは何も言わずその場に留まっている。


「はは、何かと思えばフラワーハーピーのガキがこんなところで何してる?まさかこいつらをかばっているのか?」


 そう言うと再び大きな笑い声をあげた。


「こんなのに助けてもらうなんてお前たちも地に落ちたな。もう余興はいいさっさとどけ」


 じっと動かないピヨにキーガは面倒そうに掴みかかる。その時小さな爆発音とともにキーガの翼が弾き返された。


 彼は思わぬ一撃に目を見開くと、力任せに反対の翼で彼女の頭をわしづかみにした。そして地面へと叩きつけ、足で踏みつけた。たまらずにピヨは小さくうめき声をあげる。


「ガキがいい気になってんなよ、そんなに死にたいのなら今ここで頭を粉砕してやる」


 キーガは青筋を立て声を震わせている。


「い……一分のむ、虫にも五(ふん)の魂だもん……」

「ああ?なんだと?」


 俺は横にいるフィリアナたちと目を合わせ剣を抜いた。一歩先にフィリアナが進もうとしたとき横から一直線に黒い影が飛び出してきた。


 気がづいた時にはキーガの横腹に短剣が突き刺さっていた。そしてすぐさま引き抜かれ黒い影の人物はキーガと距離を取る。不意をつかれた彼は傷口を抑えピヨから足をどけ振り返った。


「グッ、誰だ!!」


「あっあの人あの時出会った女の人じゃありませんか?」


 フィリアナの言う通り黒いフードを頭から被ってはいるが確かに以前助けてくれたダークハーピーの女だ。


「一寸の虫にも五()の魂だろうが」

「またヒーロー気取りの女か、つくづく虫唾が走る」


 キーガは刃を構えると女に向かって走って行った。


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