第12話 森のハーピー族と猫盗賊団 5
盗賊団との交渉に成功し、無事に生還できた二人
両者は互いに条件を飲み、さらわれていた人は無事村に戻ることができた。
「ピヨ、無事だったのね!」
「お姉ちゃん!」
同じく無事に生還することのできた俺たちも村へと戻った。姉妹はうれしそうに抱き合っている。
「お前が解決してくれたようだな、世話になった人間よ」
ピヨの姉の横に立っている男性、おそらくピヨの話していた兄だろう。戦いで負傷したのかところどころに包帯を巻いている。背丈は俺と同じかそれより少し大きいぐらいだ。
「だいぶ疲れただろうしばらくはこの村で休んでくれ、それからお前のことについて聞かせて欲しい」
幸いにも破壊された家は一部で一週間もすれば元に戻るようだ。俺はおばあさんの家でお世話になることになった。ピヨに手を引かれ歩いていた道中、洞窟で襲い掛かってきた女盗賊がいるのを発見した。
「ちょっと話してくる」
俺はいったんピヨから離れ、女に話しかけた。
「おい、お前はあのときの……」
女は俺の姿を見るとわずかに飛び上がりそれから気まずそうに目をそらした。
「あの、あのときはすまなかった」
「いやもういいよ、話を聞いてくれたしな。ところで何をしてるんだ」
女の格好を見ると大きな荷物を背負いまるで今から旅行にいくみたいだ。
「私か?私はこれからこの騒動の元凶を探りに行く、このまま侵害され続けてはいずれここも安全な場所ではなくなるからな」
確かにそうだ、彼らが追われてきたということはここにも被害がおよぶ可能性がある。
「そういえばお前はどこから来たんだ?なんだか変な格好をしているが、異国の商人か?」
俺は今までの経緯を伝えた。
「そうか、にわかには信じがたいがお前の姿を見ているとそれも本当のような気がしてくるな。」
彼女は、別の場所から来たのか……とつぶやきながらしばらく考え込みそして、
「もしかもたら転移魔法かもしれない」
と答えた。