第11話 森のハーピー族と猫盗賊団 4
なんとか攻撃をしのいだ亜李須川、盗賊たちが人さらいをした理由とは?
こんなものは愚問だとわかっている。だがなにか逃げ道が見つかれば、そう思い質問した。
「はぁ、もともと私たちは人さらいなんて卑怯なことはしない」
「え?そうなのか?じゃあなぜ……」
「まあ時々盗みはするが、派手にはやらない」
女盗賊はボスのほうをちらりと見た。
「ああ、俺たちは盗みはするが狩りをして手に入れた肉や毛皮を売ることで生計を立てていた。だが最近チンピラどもに縄張りを追いやられてしまってな」
「チンピラってあなたたちなら戦えるでしょう」
「普段ならな、だが最近やたらと力をつけてきている」
他の仲間たちもいつのまにか静かになっていた。
「チンピラって?」
「森のオークどもだ」
再び女が口を開いた。
「森のオークはそもそも悪いやつらではない、むしろ友好的な種族だ。中には道を踏み外した者もいるがな。なぜやつらが勢いづいているのかは不明だがどうやら背後に闇のオークがいるらしい」
彼らの話によると縄張りを追い出された盗賊団は生きるため仕方なく人さらいをしたようだ。森や闇のオークがどんな存在なのかはよくわからないが、闇のオークは魔術を操る邪悪な種族らしい。
俺はさらったハーピーたちを解放し、物資を返すように説得した。その後村に戻りそのことを村人たちに伝え代わりに縄張りを追われた盗賊団へ支援をするよう要請した。