第116話 証拠調査 4
水晶の台座に彫られた紋章が魔族を筆頭とする闇の宗教のものであるとわかった
フィヨルドからの抗議が済んだ後俺たちはその闇の宗派の本拠地について教えてもらった。
場所は現在の場所から非常に離れておりたどり着くまでには相当かかるだろう。そこは島というよりもはや大陸のようであり、一部が欠けた円形の陸の中央に一つ丸い島が囲まれている。
「この中央の島に本拠地がある。だがそれだけではない、この大きさだ周りにはたくさんの村が点在している。さあこの地図を持っていきなさい」
ロンドーラルからより詳細な地図を受け取った。
「この大陸は絶極大地と呼ばれている。ここに至るまで長い旅になる、それに船も用意しなければならないし途中なにが起こるか見当もつかん。本当に行くのか」
俺はみんなのほうを振り返った。
「大変そうですがわたくしちょっとわくわくしますわ」
「うむ大変そうだが行って見る価値はありそうだな」
フィリアナとシャリンはうなずいている。
「ピヨも行くー!もっと冒険したいもん!ニーナもでしょ?」
「えー全くしょがないわね、ここまで来たんだから行くわよ」
セシリアはさも嫌そうな顔をしているがその他に反対意見はでなかった。
俺たちはロンドーラルに礼を言った。
「ふふふ、いいのだよいやひさびさに私もわくわくしてきたぞ。どうもありがとうな、セシリア仲間の言うことには耳を傾けるのだよ、いいね?」
今だ納得していない彼女は不機嫌そうだがそれでもはい、と返事をした。
俺たちは旅の支度をするためサテュロス族の村へと帰った。休憩中も相変わらずピヨは魔法に挑戦し続けている。
「どうだ?魔法はできそうか?」
「うーんまだできない、難しいな」
ピヨは翼の間に気をためるようにぐぬぬと力んでいる。魔法というのはそうやってでるものなのか……?
「あ、それよりなんだかポリンの元気がないの、なんでかな?」
ふと目をやるといつもピヨのそばで楽しそうにしているポリーンはすこし離れた場所でしょんぼりとしている。