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第107話 地獄の犬 1

すでにダークエルフに行動が読まれていたせいで地獄の犬と戦うことになってしまった一行

 二頭の犬は長らく閉じ込められイラついているのか、はたまた空腹なのか牙をむき出し(うな)り声をあげている。隙間から漏れる唾液はジュウジュウという音をたて蒸発する。


 すると横から痩せこけたボロボロの野良犬が二頭の目の前に放り出された。不幸な野良犬は声を上げる間もなく噛み付かれぼろきれのように振り回された後、地面に叩きつけられた。


「まあ、なんてひどい……」


 後ろでフィリアナが口を手で覆いショックを受けている。二頭は動かなくなってしまった野良犬にすぐに興味をなくすとこちらに向き直った。隣のシャリンがグッと息を呑み俺に視線をよこした。


「アリスガワ、どうする?こいつらはかなり手ごわいぞ」


 彼女の言うとおりこの二体は言葉も通じなければ、手加減も知らない。なにか方法はないか考えてると横からするりとエレナーゼが現れた。


「私が行くわ、その隙にみんなで攻撃して」

「いやだめだエレナーゼは出て行ってはいけない。確かに体格は似ているけどだからこそだめなんだ」


 彼女はこちらを見上げ、ではどうするの?という顔をしている。


「あいつらには牙があるけどあなたにはない。でも急所の位置は同じだから危険なんだ」


 ここで俺はふと死んだ犬の死体が目に入った。


「ローレンあそこに落ちている死体を使って二匹の気を引けないか?」

「え、ええ、む、無理よ、わ、私犬はやったことないもの」


 この作戦はだめか……。そんなことを考えているうちに二頭はどんどんと迫ってくる。


「しょうがない、ニーナとシャリン、フィリアナは悪いが一体を頼む。俺はもう片方を相手する」


 ポリーンの仲間を助けたときと同じ戦法だ。


「ピヨ、空を飛んで少しの間あいつらの気を引いておけないか?」


 俺の提案にピヨはやってみるとうなずいた。


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