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第9話 森のハーピー族と猫盗賊団 2

盗賊団の居場所を暴くことに成功した二人だったが、ピヨが一足先に飛び出してしまった

 俺は盗賊たちの前に仁王立ちになっているピヨの肩をつかみ引き寄せた。


「なにやってんださっさと逃げるぞ!」


「どこへ行こうというんだ?」


しまった!盗賊たちは俺の動きよりもすばやく、周囲をあっという間に囲まれてしまった。猫盗賊団というだけあり皆猫のような耳と尾が生えている。中には猫のような顔をしたもの、いわゆる獣人もいる。


「人間とハーピーのガキか、人間のほうは殺してガキの方はほかのやつと一緒にしておけ」


 正面にいる図体のでかい男が仲間に命令を下した。おそらくこの集団のボスだろう。俺の後ろに立っていた盗賊の一人が剣を抜く。これは本格的にやばい、このままでは俺は殺されてしまう。そのときボスの男の後ろから女が出てきた。


「ちょっと待って、こいつ私にやらせてくださいよ」

「ハッしょうがないな、さっさとやれ」


 どんな気まぐれかはわからないが一時的に延命した。相手が女ならもしかしたら退(しりぞ)けられるかもしれない。その隙に逃げよう。


 俺は前に立つピヨを横によけ、女に近づいた。女は腰に挿していた短剣を抜き、


「へえー自分から来るなんてちょっとは楽しめそうじゃない?心配しないですぐには殺さないから。暇つぶしにはぴったりね!」


 そう笑いながらこちらに向かってきた。速い!じりじりやり合っている間に何か考えようと思ったのに!


 どうする?避けようにも間に合わない。ああ、皮肉なものだ好きだった猫に殺されるなんて……猫?


 俺は咄嗟に鞄の中をまさぐった。

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