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第106話 闇に堕ちたダークエルフ族 2

ついにダークエルフ族の村へとたどり着いたが、作戦を考えている最中にセシリアが向かっていってしまった

 俺たちは歩いて行ってしまったセシリアの後を急いで追いかけた。彼女に追いついたときにはすでに村にかなり近づいていた。


「おい、セシリアちょっと待て勝手に行かないでくれよ」

「あなた方が勝手について来てるだけです、私は私の仕事をするまでです」


 彼女は振り返ってそう言った後また前に向き直り、歩き出した。


「もうなんなのよあいつ、あたしたちだけでも引きましょ」


 ニーナの発言にエレナーゼがため息混じりに答える。


「そうしたいところだけどもう遅いみたい」


 顔を上げ周囲を見渡すと何人ものダークエルフの戦士が俺たちを囲っていた。まるでこちらが来るのを待っていたかのようだ。


 すると前方から黒いローブをまとった年配のダークエルフが姿を現した。


「ようこそ我々の村へ、歓迎します冒険者ご一行様」

「あなたたちの目的は何?」


 セシリアの言葉に年老いたダークエルフは気味の悪い笑い声をあげた。


「そんなに急がなくても良いではないですか、まあまあせっかく来てくれたのだからお茶の一杯でも」

「ふざけないで私の質問に答えなさい、さもなくばそれ相当の裁きを下すわよ」


 男または笑い声を上げる。


「ハハハ、何の証拠があって、全くいつも光のエルフは我々を敵視するのですから。まあ良いでしょうそんなに話がしたいのならさあこちらへ」


 俺たちは後ろから剣を突きつけられ半ば強制的に村の中央へと連れて行かれた。開けた場所はバリケードのように木の柵で囲まれている。

 

「本当に俺たちが来るのを予想していたみたいだな」

「ええもちろん、あなた方の噂は耳にしていますので」


 そう言うとダークエルフたちは鉄でできた檻を二つ運んできた。中にはそれぞれ大きな犬が閉じ込められている。それもただの犬ではない。体はマグマが固まったかのような黒い岩に覆われ、隙間からは真っ赤な炎が噴出している。


 みんなのほうを振り返ったが誰一人として見た事が無いようで、一様に驚いた表情を浮かべている。


「フフヘ驚きましたかな、みなさんのために特別に用意いたしました。わざわざ地獄から取り寄せたのですよ」


 男が合図をすると鉄の重たい扉が嫌な音をたてて持ち上がり、そこから二匹の地獄の犬がのそりと姿を現した。


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