赤い傘さして
赤い傘さして
どんな空を見てた
雷ひとつ落ちて
震える音を聞いた
どしゃ降りの中に紛れた
誰の足音を探した
待ちぼうけの街角
閉じていく窓を見上げた
赤い傘まわして
巻き戻した記憶
数え上げた横顔に
どんな理由を求めた
降り続ける雨は
ひとつ
またひとつ
白いブラウスに染みをつけた
思い出の断片を重ねて
描いた絵は
流れるように滲んだ
赤は誰のための目印
傾けた傘の先っぽ
落とした滴で
水溜まりの輪っかを
いくつも
いくつも
増やして
便りのない君へと送る