さくらんぼ
「ちょ、ちょっと! 変な所を触らないでよ」
と木に登り窓にジョンの補助を受け手を伸ばそうとしているマリアが言った。
ナサルは見張りをしている
「……マリアお嬢様、勘弁して下さい、俺はマリアお嬢様の変な所なんかには興味ありません、俺は気が付かなかったんですけどもしかして今触ったんですか? おえぇ、マジですか?」
「な、何よ、それは! ひ、人のお尻を触って置いてその言い方は無いわ!」
「ひぇ~お尻を触ったんですか? ゲロゲロ、まぁそんな事より、こんなのんびりとしている場合じゃありませんぜ、人が来ちまいます」
「全く……誰の所為だと思ってるのよ、誰の」
と顔を赤くしながら窓に手を伸ばし窓をコンコンと叩く
「誰も出て来ないわね……」
「風で窓が揺れて音が出たとでも思ってるんじゃないですか? そんなやり方より直接窓を開ければ良いんじゃ?」
「鍵が掛かっているでしょう?」
「掛かってませんよ、さっき俺が解除しておきましたから」
「……え?」
「助かりましたよ。簡単に解除出来る鍵で」
窓はガチャリと簡単に開いた。
「ささ、入った入った」
ジョンがマリアを抱え開いた窓に飛び込む、小さな可愛い悲鳴を上げるマリア、音が鳴らない様に着地するジョン
そして窓の先にはエミリーが居た。彼女は椅子に座って本を読んでいた。本を読むのに夢中なのかまだジョンには気が付いていない
マリアを放すジョン、するとマリアはジョンの手を離れエミリーに近付く、それでも気が付かないエミリー
「エミリー」
そんなエミリーに声を掛けるマリア、すると
「ひゃ!??」
と大声で悲鳴を上げるエミリー
「わ、そんな大声を出さないでよこっちまで驚くわよ……」
「マ、マリア!? ど、どうして此処に居るの!?」
「窓からお邪魔したわ、御免なさいね」
次にエミリーの部屋のドアがドンドンと叩かれる
「お嬢様! どうかなさったんですか!?」
エミリーの悲鳴を聞いて使用人が飛んで来たのだ。
青ざめるマリア、見つかったらタダでは無い
「な、何でも無いわ、ちょっと驚く事が有っただけ、心配してくれてありがとう、ナーナ」
「そうですか……お嬢様、ワルクルスお嬢様を本当に追い返してしまって宜しかったのですか?」
「うん……問題無いよ」
「すいません、余計な事を言ってしまって」
「良いよ、心配してくれたんだから、私は嬉しいよ、ありがとうナーナ、大好きだよ」
「私には勿体ないお言葉です……」
ドアから人気が消える
「心臓が止まるかと思ったわ」
「それは私の台詞だよ! 何で! どうして勝手に入って来たの!?」
「そ、それは……」
「マリアお嬢様はエミリーお嬢様と会いたくて会いたくて仕方が無いみたいでしたよ、だから会いに来たって訳です」
「ジョン!」
また顔を赤くするマリア、エミリーも顔を赤くする、まるでさくらんぼの様にジョンの目には映った。




