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容疑者 ジョン・ラム


 マリア達が着いたのはジョンが日記を読み終わり真犯人が分かった頃、正門前でジョンはマリアの馬車を待って居た。


「よぉ、お元気?」


 ジョンの姿を見て唖然とする馬車の皆様


「ど、どうして俺達より早く都市へ着いたんだ……? 何をした!」

「まぁ……色々あってな、色々だよ色々」

「そ、その色々を聞いているんだ! どうやって此処へ来た!?」

「それは秘密、何でも聞けば答えて貰えると思うなよ」


 ガーネットの事を話すのはまずいと本能的に察知したジョンはガーネットの事を隠した。


「俺達は最短の道を通って来たんだぜ? もし俺達よりも早い移動手段が有ったとしても俺達を追い越す所を俺達が見て無きゃおかしい……」

「馬鹿みたいに難しく考えるなよ、馬鹿なんだから」

「……神様にでも頼んだのか? 転移魔法ぐらいの事しか思いつかねぇよ」


(やはり巨大な鳥に運んで来て貰うという回答が出て来ない事を見るにガーネットの様な巨大な怪鳥はこちらの世界でも珍しいという事か)


「さてね、ご想像にお任せするよ、そのパッパラパーな頭で頑張って考えな」

「もう! 相変わらずね!! ジョン!」


 そう言って馬車から降りて来たのはジョンの現主、マリア・ワルクルス


「おぉ、マリアお嬢様、お元気でした? あぁ残念元気そうですね」

「その主人に対する忠誠心の無さも相変わらずね……」

「そりゃ失敬、で? 戦う覚悟は決まりましたか? マ・リ・アお嬢様」

「そ、そんなモノとっくの昔に出来てるわ、舐めないで頂戴」

「あっそ、なら良いんですけどね、クククッ」


 ジョンがそうマリアをおちょくっているとジェイクが街を一見して言った。


「なんだか騒がしいな……何かあったのか?」

「確認して来ましょう、団長」


 それからジェイクとキュベルはジョン達から離れ事情を聞きに行った。数分後ジェイクは鬼の形相でジョンに向かって来る


「ちょっと来い」


 声は大きくないが明らかに怒りが雑じっている、そしてジョンは何故ジェイクがキレているのか察しは付いている

 ジェイクに連れられるまま人気の無い所まで誘導される


「こんな所に連れて来られて何されちまうんだろうな? クククッ」

「ふざけんじゃねぇよ、この屑野郎、深夜ファラクス家に盗賊が現れた……この時期にこのタイミングでファラクス家に”用”の有る奴なんて限られている」

「金に困ったホームレス達とか貴族嫌いの貧民とかじゃないのか?」

「てめぇ、すっ呆けるんじゃねぇよ、お前しか居ないだろ」

「何だ? それは、まさかそんな当てずっぽうで俺を犯人にするつもりなのか? 証拠を持って来いよ、ボンクラ」

「証拠だ? いるかよそんな物、お前は今此処で斬られて死ぬ」

「お得意の脅しか? 無駄だな、お前は近接戦に置いては俺より弱いんだぜ? その上此処は都市、魔法は使えない……お前は俺に勝てんよ、俺の後ろに居るお仲間を使えば別だがね、クククッ」


 ジョンの後ろにはキュベルが立っている、既に剣は抜け身、ジョンは今ジェイクとキュベルに挟まれている


「ジョン・ラム貴方を窃盗の容疑で逮捕します」

「逮捕ぉ? 寝ぼけるなよ、俺が捕まる時は死ぬ時だ。殺しに来いよ、ボンクラ共」

「最初はお前の事気に食わねぇ野郎とだけ思って居たがどうやら違うな、お前は俺の”敵”だ」


こんな絶体絶命の時でも殺し屋は不敵に笑う


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