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メイヴィスの行方

カランダーンに袖を治して貰い、ジョンはカランダーンにとある依頼をされる


「あのさ、ジョン、さっきはあぁ言ったけどやっぱメイヴィスを説得してよ、ネルヒムの所に戻る必要は無いからさ」

「まぁ良いが、メイヴィスは今何処に居るんだ?」

「今私が地名を言ったところで君は理解出来ないでしょ? 教えたって意味が無い、それより今彼女が置かれている状況を教えるね」

「なんだ? その物騒な言い方は? まるで今メイヴィスが窮地に立たされてるみたいな言い方じゃないか」

「実際、その通りだしね」

「えぇ……メイヴィスが敵わない相手に俺が敵うと思うのか?」

「君メイヴィスを倒した、ドルグノに勝ったじゃん」

「あれは特例だ」

「大丈夫だよ、今回もその特例だから」

「また精神をやられたのか? 飽きないなあの女も」

「別にメイヴィスもやられたくてやられてる訳じゃ無いと思うよ」

「まぁ何でも良いさ、早速詳細を教えてくれよ」

「うん、良いよ」


 そう言ってカランダーンはメイヴィスが今どうなって居て何故そうなったかをジョンに説明し始めた。


 メイヴィスはとある港に傷付いた心を癒す為に来ていた。

 メイヴィスは浜辺に座り海を眺めている


(……私は馬鹿だ……普通に戦って居れば絶対に負ける事のない戦いだったのに、奴等を殺さない為に手を抜いたのが間違いだった……その所為で……そのせいで……)


 心を癒す所か静かな場所に来た所為で余計な事を考えてしまい余計に心痛くなるメイヴィス

 そんな心抉れているメイヴィスに一人の少女が心配そうに


「大丈夫?」


 と声を掛ける、少女の方を見るメイヴィスの顔は涙で濡れている


「どうしたの? どこか痛いの?」

「い、いやそういう訳じゃ……」

「え? なんて言ったの?」


 人見知りなので声が自動的に小さくなってしまうメイヴィス


「だ、だから……何でも……ない」

「……? まぁいいや、家に来なよ、お母さんがお医者さんやってるんだ。お母さんなら治してくれるよ」


 そう言ってメイヴィスの手をグイグイと引っ張る少女


「だ、だから具合が悪い訳じゃ……」

「お腹が痛くて声が出ないんだね? 大丈夫! お母さんが治してくれるから! 安心して!」


 メイヴィスの声などまるで届いていない様なのでメイヴィスも諦めて褐色の彼女について行く事にした。

 少女の家は海の近くに有りすぐについた。


「どうしたんだい? ミミ、その子は?」

「お腹が痛いんだって! 治してあげてお母さん!!」

「あら大変、お嬢ちゃん大丈夫?」


 そう言ってミミの母親はしゃがみメイヴィスのお腹を摩る


「ここら辺が痛いの?」

「あ、あの……」

「ん? どうしたの?」

「……」


 メイヴィスの口元に耳を傾けるミミの母親

 涙目のメイヴィスは必死の声量で彼女に誤解だと伝える


「アッハハハ、なんだい! ミミの気の所為だったのかい?」

「えぇー! だってさっき浜辺で何だか辛そうにしてたのは何だったの?」

「えっと……」

「ミミ、人には色々と有るんだよ、身体が痛くない時だって辛い事が有るんだよ」

「へぇ、そうなんだ。ねぇねぇあなたは何がそんなに辛かったの?」

「コラ、そう言う事は気安く訊くもんじゃ無いよ」

「は~い」

「そうだ。お嬢ちゃんご飯はもう食べたのかい?」


 首を横に振るメイヴィス


「じゃあ家で食べていきなさいな」

「え……で、でも……」

「沢山食べれば声だって出る様になるさ!」


 そういう問題では無い、と内心思うメイヴィスなのであった。


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