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再会

 

  ジョン達が転移された場所は木の葉が黄金色に輝く森の中、そんな黄金色の葉を目を輝かせて見て居るシーナ


「うわぁ……素敵」

「そんな事よりここは何処なんだ?」


 両袖を失ったジョンが黄金の景色に関心なさそうにそう言う 


「なんだい、君は驚いたり目を奪われたりしないのかい?」

「もう既に左目は奪われてるしな、これ以上奪われたら困る」

「あとこれ、忘れ物だよ」


 カランダーンがジョンに真っ黒なスーツの上着をジョンに差し出す。


「お、おいこれって……」

「そうだよ、君が着ていた上着だよ、焼き焦げた上着の破片から再生したんだ、ほれ」


 とジョンに投げる


「おっと、態々どうも」

「それは君が身に着けて無かったから袖は無くならなかったみたいだね、次私に転移される時は上着を全部脱いでからやる事だね」

「もっと早く言って貰えるとありがたいんだがな」

「仕方ないじゃん、忘れてたんだから、さ、そんな事より先進むよ」


 ジョンは袖なしのワイシャツの上から上着を着る、中着の袖が無いので若干の気持ち悪さが有る


「お兄ちゃんどうしたの?」

「何でもねぇ、気にすんな」

「う、うん」


 カランダーンと共に歩いて居ると前方から木造づくりの家が見える、煙突も有りそこから煙も出ていた。


「家だと……? お前の家か?」

「違うよ、まぁ誰があの家の主かは入ってみれば分かるよ」

「その言い方だとどうやら俺の知り合いみたいだな、さて、誰だ?」


 ジョンは眉をひそめ考える


「そういえば、お前に連れ去られた奴等が居たな、あの神に不老不死にさせられた奴等だ。そいつ等の内の一人だな? いや……もっと詳しく特定出来そうだな……あの干された布団に付いている毛、あれは普通の人間の毛じゃないな、獣人の物だ。つまり、あの獣人の大男、デッチェとか言ったか? キャロの父親のあの男があの家の主だ? 違うか?」

「……別に態々そんな推理しなくても直ぐに分かる事なのに……正解だよ」

「自分の知恵を見せびらかしたくて仕方が無いんだ。ナルシストだからな」

「ふーん」


 興味無さそうにカランダーンは返す。

 家に入るとジョンの推理通り中にはデッチェが家の中でパンを作っていた。


「よぉ! カランダーン……それにジョンじゃねぇか!! 会いたかったぜ!!」


 目をギラギラさせながらジョンにズンズンと近付く毛むくじゃらのデッチェ

 その熱意に引き気味のジョン、そのジョンを護ろうと前に出るシーナ、そんなシーナが気に入らないジョンはシーナを抱きかかえ退かす。


「モテモテだね、ジョン」

「……ケッ」

「なんだぁ? 俺に戦いを挑みにきたのか? 良いぜ! 受けてやる!」

「そんな訳ないだろ、お前と戦いたかねぇよ」

「そうだよ、今のジョンの状態を見てごらん」


 冷めた表情でカランダーンにそう言われたデッチェはハッとしてギラギラの本能剥き出しの状態から一歩引いてジョンを見る


「お、お前、どうしたんだ? その身体……?」

「驚きたいのはこっちだ。今気が付いたのか?」

「何が有ったか知らねぇが……そんな状態のお前とは戦えねぇ……万全の状態になって戻って来な」

「こいつ、話を聞いてたのか? 俺は戦う気は一切ないと言った筈だが……それにこの状態でもお前には負けねぇよ、デッチェ君」

「何だと!?」


 睨み合う二人


「行き成り出会って喧嘩なんて、私と同じことしないで貰えるかな……」



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