大人と子供
此処までお読みいただきありがとうございます。
第八十八話にて大きな矛盾が発生していたので修正致しました。
描写ミスなのでストーリーの展開には影響が無いので読み返す必要は無いと思います。
申し訳ありませんでした。
メイヴィスは一部始終を見て居た。ナサル達が今からどう扱われるのか、この者達が何者なのか……
「お前達にもう勝ち目は無い! 投降しろ!!」
「そういう訳にはいかないなぁ~こっちもこれに人生を懸けてるからさ」
ととてもそう思ってるとは思えない様な呑気な口調で返すドルグノ
「そうか……ならば仕方が無い」
そう言ってメイヴィスは手をドルグノに向けて手を翳す。しかしその瞬間ドルグノを護る為にケイネスとシーザーが立ち塞がる、迫る影の手を叩き切ろうと剣を振るが当たらず影の手は剣を貫通する、そのまま呆気なくシーザーは捕まってしまう、シーザーを盾にして何とか手を凌ぐケイネス
「小癪な、無駄だ!!」
今のメイヴィスには明確な怒りが表情に浮かんでいた。
(へぇ、そうかそうか、あの手には剣は当たらない、恐らくありとあらゆる物理攻撃は通用しないモノと見て間違いないね)
今ドルグノに出来るのは目の前の少女の分析、そして勝算を生み出す事である、影の手の第二陣を避けドルグノはケイネスに言った。
「ケイネスちゃん、分かってると思うけどあの手を受け流そうとしちゃダメだよ、避けなきゃね、つまりは今君は僕を護ってくれてるけどさ、それは無駄だという事だよ、護ればあの手が君を捕え次に僕が捕まるだけの話、僕を護らず彼女を倒す事を優先するんだ。その方が今の状況を乗り切れる可能性が高いよ」
ケイネスは分かりましたと言ってドルグノの元を離れメイヴィスに走り近付く他の研究者やキールもドルグノの言葉に従いメイヴィスを無効化する事に専念する
無効化するには接近し攻撃を加えるか魔術で遠距離からの攻撃を当てるしかない
遠距離からの攻撃が出来る者はドルグノの部下の研究者のニーナとベッチリ、ニーナは火属性、十センチ程の火の玉を生み出しメイヴィスに向かって放射する、メイヴィスは避ける様子も無くその火の玉を受ける、右腕にその炎が当たり服に引火するがそんな事も気にしていない
その燃え盛る右腕で手を翳し影の手で、ニーナを取り押さえる
次はベッチリの電撃がメイヴィスの左手を襲うがこれも意に返さず、左腕も燃え上がる
徐々に炎が彼女を覆い始める
少女が燃え盛っている、一見すれば少女を虐殺している大人たちに見えるがそうじゃない、今大人達が対峙しているのは炎など何の意味も成さない化け物
ベッチリも捕えられる
「未知なる魔術を使うその術師もまた未知なる存在という訳だね……」
その場にいた全員がメイヴィスの事を異常なる存在だと認識する
「我はお前達を一人残らず惨殺してやりたい気分を必死に押し殺しているんだ……これ以上”無駄”な抵抗を続ける様なら、我は自我を抑えきれなくなるかもしれない……覚悟しろよ」
彼女の髪の毛が燃え盛ろうと皮膚が爛れようと彼女は動けるし生きれる、しかし痛みは感じる
痛みから這い上がる悲鳴を押し殺しメイヴィスは続ける
「投降しろ、最後の警告だ」
そんな警告を意にも返さずキールとケイネスが接近する、それを溢れ出す殺意を抑えながら影の手で抑え込もうとする
ケイネスとキールに迫る手の数は三本
「化け物め!!」
十分に接近したキールがメイヴィスに向かい剣を振り上げた。それを影の手で受け止めるメイヴィス
「触るも触らないも自由自在なのか!?」
次はキールに遅れてやって来たケイネスが剣を振るそれも受け止める、メイヴィスにとって彼等の剣筋を捕えるなど神に強化された動体視力を持ってすれば容易い
しかし、その圧倒的過ぎる力を持って居るメイヴィスは戦闘をするのに必要不可欠な”考察”を今までしてこなかったそんな事をしなくても勝てたからだ。なので不意も簡単に取られる
ケイネスの身体を盾に身を隠していたドルグノが姿を現しメイヴィスの燃え盛る喉元を掴む、火傷など恐れている場合では無い
「!?」
「物理が駄目でも! これならどうかな!!」
ドルグノの属性はマリアと同じ精神属性、外が駄目なら中から、これでも通用しなかったらドルグノの負け、彼もそれを覚悟しての決死の攻撃
そしてそのメイヴィスの内部への攻撃は致命傷




