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プロローグ
大事な事を忘れている気がする。
それはずっとずっと前から感じていて、
思い出さなきゃいけないのに、その記憶は決して戻らないんだ。
そしていつか、忘れていることさえも忘れてしまうのだろうか。
【No.9】
「今夜12時、三丁目の空き地に集合、な。」
あの夜、私は何をしていたっけ。
どうもあの時のことはよく思い出せない。
でも、一つだけ確かなのは、あの日からあなたは少しずつ変わっていったということ。
それはあなた自身も気が付かないくらいゆっくりと、でも確実に、何かが変わっていったんだ。