プロローグ
この世界は、人間たちだけのものではない。
地上に生きるものがすべてではない。
地上の上方に存在するのは、魂が生まれ変わるために眠る“天界”。
地上の下方に存在するのは、魂が囚われ続ける“奈落”。
地上に並行して存在するのは、“精霊界”。
天使や聖獣の住む“聖の領域”と悪魔や魔獣が住む“魔の領域”が狭間の森を境に存在する。
そして、今や地上は人間たちが統べる場所として、“人間界”と呼ばれている。
この4つの世界が層となり、一つの世界を形成している。
そのすべてが、同じ時間を流れているわけではない。
重なることのない4つの世界は互いに干渉することなく、今までも、そしてこれからもあり続けるはずだった。
その均衡が崩されたのは、“精霊界”で起きたある事件……
“精霊界”で起きた暴動。一人の悪魔が立ち上がった。
こんな世界の均衡を崩し、すべて混沌にしてしまえと。
その悪魔の力は強大すぎて、精霊王や聖王、魔王の力を持ってしても止めることは出来なかった。
やがて世界に混沌が訪れた。“精霊界”の混沌は“天界”と“奈落”、そして“人間界”まで負の影響を受けることになった
それを止めるために、ある作戦が企てられた。
悪魔を封印するために、“彼女たち”の力を借りようと。
“精霊界”に存在する“魔女”と呼ばれる女性たち。不思議な力を持つ彼女たちなら、あらゆる術を知っている彼女たちなら、何とか出来るかもしれないと。
これは、世界を救うための戦い。
後の世界では伝説となった、幻の魔女の物語。