第6話 ヨウガシを作って食べてみよう!
昨夜からショコラが経営しているホテルに泊まっている。
本来なら1人1週間泊まると金貨21枚かかるが、蓮達はきたばかりということで1人1週間で金貨10枚でいいと言われたため、喜んで泊まっている。
その時にベルディにつく前に購入した大量の牛乳を入る分だけ冷蔵庫に入れ、入らなかった分はホテルの調理場の冷蔵庫に入れた。
翌日。
蓮達はショコラの案内で小麦粉と例の牛乳を再度積み、地域の無料で使える料理教室にきている。
「わぁー、きれい!」
「調理器具もしっかりしてそうだ!」
「お兄ちゃん、卵とかもあるよ!」
「喜んでいただけて光栄です! 蓮さん、今日はどんなヨウガシを作るんですか?」
ショコラは蓮達に目をキラキラさせながら問いかけた。
「今日はクッキーを作ります」
「なんか、美味しそうですね!」
「ハイ。えーっと、バターは……あった。これを使おう」
蓮は冷蔵庫からバターを取り出し、必要な分量をはかり、耐熱皿に入れ、電子レンジで温める。
「バターって、電子レンジに入れて温めるんですか?」
「いや、本来は室温に置いてやわらかくしなきゃならないですが、もといたところでお店をやっていたときはたくさん作らなきゃならないので、電子レンジに頼ってしまいます」
その時、萌はクッキングシートとふるい、ボウル、はかりを持ってきた。
「ショコラさん、はかりで小麦粉をはかりましょう。ボウルの重さは引いてあるので、そのまま入れてくださいね」
「ハイ! 何gですか?」
「120gです」
ショコラが小麦粉の袋を開け、ゆっくりとボウルに入れる。
「できた!」
「では、そのボウルに入った小麦粉をこのふるいを使ってふるいます」
萌はクッキングシートを敷き、ショコラがそのボウルを持ち、手本としてふるい始めた。
「萌さん、私もやってみたいです!」
ショコラが申し出た。
「いいですよ。クッキングシートからはみ出さないようにお願いします」
「ハイ」
「萌、ショコラさん、下準備は終わった?」
「もう少しで終わる!」
「よし、ここからが本番だ!」
「ワーイ!」
蓮が電子レンジを使って準備してくれたバターの塊をショコラがへらを使って潰しながらほぐす。
「ショコラさん、塩を入れますよ」
「ハーイ」
萌が塩をひとつまみ加え、すり混ぜていく。
「疲れちゃうと大変なので、交代しながらやりません?」
ショコラが少し疲れてきたようだ。
「そうですね。ショコラさん全体的にクリーム状になってきたので、グラニュー糖を1回入れますね。そして、私と交換です」
「ハイ」
ショコラが萌にへらを渡した。グラニュー糖が少し残った状態で、
「お兄ちゃん、残りのグラニュー糖と入れて」
「あいよ!」
蓮が残りのグラニュー糖と入れる。
その時、蓮は卵を割り、よく溶きほぐしていた
「もう卵を入れてもいいか?」
「うん!」
溶いた卵が他の材料が混ざったボウルの中に入る。
「疲れた……。お兄ちゃん、交代ね」
「了解!」
卵は全体に混ざっている状態で萌から蓮に交代。
「蓮さん、次は小麦粉ですか?」
「ハイ。このボウルにそれを入れてください」
「ハーイ」
蓮がショコラに小麦粉を入れるように指示する。
彼は勢いよくすべての材料を混ぜ合わせる。すると、粉っぽさがなくなり纏まってくる。
「これで記事は完成です! あとは好きな形を作って焼くだけです!」
「オーブンの準備は整ってるよ! その時に、生地と生地の間を開けてくださいね」
「おう、萌、ありがとう」
「いえいえ」
3人はクッキングシートに生地を好きな形に作った。
「よし、オーブンに入れて焼こう」
「うん」
「ハイ」
彼らはオーブンに生地を入れた。
焼きあがるまでの時間は使った調理器具を片付けたり、紅茶がなかったので、ココアを飲むために鍋に牛乳を入れて火にかけた。
ホットミルクができる頃にはクッキーが焼きあがるいい匂いが部屋中に漂う。
「蓮さん、萌さん、これがヨウガシの匂いですか?」
「ハイ」
「そうですよ」
「とてもいい匂いですね!」
「もう焼きあがりますね」
「本当だ!」
チーン♪
オーブンがクッキーが焼きあがったことを知らせる。
「わぁー……!」
「さあ、盛りつけましょう」
「ハイ」
3人はそれぞれお皿にクッキーを盛り付ける。
「できたぁ!」
「ショコラさん、お疲れ様です!」
「よく頑張りました!」
萌がココアを入れ、試食の準備が整った。
「では、いただきまーす!」
「ショコラさん、初めて作ったヨウガシはどうですか?」
「美味しい! なんか、蓮さん達が1番最初に甘くて、美味しい魔法の食べ物だと言った時、たいしたものじゃないと思ってたんですが、こんなに美味しいものなんですね! 本当にベルディにもヨウガシ革命を起こしてほしいです!」
「喜んでいただけてよかったです」
「私もです!」
こうして、蓮達が作る洋菓子はちびっ子案内人のショコラの心を掴んだのであった。