第42話 楽しい(?)調理実習 その4
木龍は溶かしたバターが入れられたマドレーヌの生地を混ぜ始めた。
最初は好調に混ぜていた彼だったが、次第に疲れ始めているのか速度が徐々に落ちていく。
「はぁはぁ……次は萌ちゃん。お願いできるか?」
「木龍さん、いつでも大丈夫ですよ!」
「悪いなぁ」
「とんでもないですよ。私の次はミルクさんあたりにしようかな……」
数分後には木龍が完全に疲れ果ててしまったので、萌にそのボウルを手渡した。
彼女は生地を混ぜながら、ミルクを指名すると「わ、私ですか!?」と少し驚いたような表情を浮かべている。
「普段は蓮さんと萌さんが作っているからねー。せっかくの職場体験なんだから、様々なことを学ばなきゃ」
「そうだけどね……ところでココアも見ていたと思うけど、さっきのクッキーで失敗しちゃったけど……」
「失敗してもいいじゃん! せっかく萌さん達がやらせてくれているんだからさ!」
「そうだよね」
ココアと彼女が話している間、萌は一所懸命生地を混ぜ合わせていた。
ミルクは彼女が疲れ始めてきたことを感じたのか、自ら「萌さん、代わりますよ?」と声をかける。
萌は「本当ですか?」と彼女に目を輝かせながら、ミルクにボウルを手渡した。
彼女は生地を混ぜようとした時に「ミルクさん」と蓮に呼ばれ、「ハイ」と返事をする。
「蓮さん、どうしたんですか?」
「ちょっとボウルを貸してもらってもいいかな?」
彼女はなんのことか分からずに彼にボウルを手渡した。
「これくらい混ざっていれば大丈夫だね。ボウルをラップに包んで冷蔵庫に入れて生地を休ませようか」
蓮がゴムベラでボウルに入った生地を1周させ、全体に混ざっているかどうか確認する。
彼はラップをボウルに包み、冷蔵庫に入れた。
「大体30分くらいマドレーヌの生地を休ませるから、その間にみんなで使ったものを片付けたり、シュークリームの準備をしたりしよう」
『ハーイ!』
萌とミルクはマドレーヌで使った食器などを片付けのため、蓮とココアはシュークリームの準備のため、それぞれ別行動となる。
いよいよ難易度が高く、この店で人気商品のシュークリームづくりにさしかかろうとした時、木龍は「またまぜまぜ地獄か……」と呟いた。
2017/11/24 本投稿




