第28話 大切なものは「笑顔」と「失敗を恐れないこと」
「大切なもの?」
「なんだろう……?」
ココアとミルクはきょとんとした表情を浮かべながら、蓮が言った「大切なもの」を考えている。
「うーん……」
「蓮さん、それは……なんですか?」
彼女らはずっと考えていたが、何も思いつかないため、彼に問いかけた。
「それはね、「笑顔」だよ」
蓮が椅子から立ち上がり、彼女らの後ろに回り込む。
『笑顔?』
ミルクは右に、ココアは左に首を傾げている。
「そうだよ。店員はいつでも笑顔じゃないとならないんだ」
「たとえ、どんなに辛い時でも笑顔でお客様に接することが大切です」
萌がニコリと笑いながら、ミルクとココアにそう言った。
「2人とも、模擬体験の時は引きつってたしね!」
蓮は笑いながら彼女らの肩を軽くバンバンと叩く。
『もう、蓮さんったら……』
ミルクとココアはそんな蓮を見て呆れているようだ。
「ところで、蓮さんと萌さん、最初は緊張しませんでしたか?」
ココアがふと気づいたかのように蓮達に問いかける。
「ココアさん、私達がもといたところも洋菓子店をやっていて、手伝っていた時期がありましたが、最初は誰でも緊張しますし、たくさん失敗もしますよ」
「僕も。パティシエとして本格的に働き始めた時は失敗しないように気を遣いながら仕事してたしね。ここ、ベルディでこの仕事を再開しようとした時もいろいろと試行錯誤してきたからね」
「なんでもすぐに上手くいくわけではありません。今はまだ始まったばかりなので、たくさん失敗して職場体験が終わるまでに少しでも成長できればいいんですから。ね?」
「今は何度も失敗してそれを経験に活かしていくことも大切なことだよ」
彼らの話を聞いて、彼女らはなるほどと言いたくなりそうな表情を浮かべる。
「そうですよね!」
「要するに、「失敗を恐れるな」ということですよね!」
蓮達はうんうんと頷きながら、「その通りだよ」と言う。
「今、ミルクさん達は素敵な笑顔ですよ」
『ありがとうございます!』
彼女らは互いに顔を見合わせて笑い会った。
「2人とも、これからお客様がたくさんくるからね! 「失敗を恐れないこと」と「笑顔」を忘れないでね!」
『ハイ!』
「ミルクさん、お客様に聖剣を向けないでくださいね!」
「分かりました!(なんで、それなんだろう……?)」
ミルクとココアのはじめての接客する時間が刻々と近づいている。
彼女らはきちんと接客することができるのだろうか?
2016/05/05 本投稿




