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第27話 厳しいダメ出し(ミルク編)

「次はミルクさんだね……。ツッコミどころが満載なんだよね……」


「そうだね……」


 蓮達はミルクをじと目で見ていた。

 先ほどとは逆にミルクの手提げ袋がテーブルの上に置かれている。

 一方、ココアのものは台車の空きスペースに置かれていた。


「わ、私、そ、そんなに酷いんですか?」


 ミルクが愕然として表情を浮かべていると、ココアがスッと近づいてきた。


「ミルク、一応、最初から聞いてみよう? よかった点もあるかもしれないし」


「……うん……」


 彼女らはひそひそと耳打ちする。


「蓮さん、萌さん、お願いします」


 ミルクが覚悟を決めたようだ。


「じゃあ、まずは最初からいくよ。元気に接客することは大切だけど、お客様に向かって「ゴブリン」は言ってはいけないよ」


「たとえ、小さいお子さんがきたとしても、驚いてしまいますし……」


「僕でもビクッとしたからね……。小さい子がきたら泣き出しちゃうかもしれないしね」


「それと、お兄ちゃんが難しくしたのが悪いと思いますが、値段は覚えておいたほうがいいでしょう」


「……ふぇっ……」


 蓮達がミルクにそう言うと、彼女は半泣き状態である。

 そんな彼女を見た彼らはヤバいと感じ、あわあわしている。


「あ、ミルクさん、僕達は怒ってるわけじゃないよ」


「そうですよ? いくつかいい点がありました」


 彼らが気を遣ってそう言うと、彼女から「本当ですか?」と涙でぐしゃぐしゃになりかけた顔で問いかける。


「ミルク、まずは涙と鼻をなんとかしよう?」


 ココアが紅茶を飲みながら、彼女の右側に置かれていたボックスティッシュを差し出した。


「……ありがとう……」


 ミルクは彼女から差し出されたティッシュで鼻をかむ。


「では、話を進めますね。箱に詰める前に少し時間がかかると言っていたので、お客様をイライラさせずに済んだと思います。ね、お兄ちゃん?」


「うん。その声かけは凄くよかったよ。はじめて接客する人は慌ててしまって、その言葉は口にすることはなかったからね」


「それと、フォークが商品4点に対してと同じ本数が入っていますね。なぜ、そのようにしたんですか?」


 萌が商品が入った箱とフォークを手提げ袋から取り出す。


「そ、それは……。家族や友達と一緒に食べるのかなぁと思いまして……」


 ミルクがもじもじしながら答える。


「そうだね。その商品をみんなで食べるかもしれないということを考えないとならないしね。それもいい気遣いだよ」


 蓮からそう言われ、彼女は首を傾げていた。


「あれ? 私、知らないうちに細かな気遣いをしてたんだ……」


「そうだよ。最後に……」


『お客様に向かって刃物を向けるのは止めましょう』


「コレは聖剣ですもん……」


 2人同時にミルクに言われたため、その刃物と言われた聖剣を取り出した。


「僕達からのダメ出しはこれだけかなぁ。最後に2人に共通する大切なものがあるんだ」


 蓮が言った彼女らの「共通する大切なもの」とは――。

2016/05/04 本投稿

2016/05/04 改稿

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