第24話 模擬体験を終えて……
2人の模擬体験を終え、店内には緊張感から解放してホッとしたた表情を浮かべているミルクとココアが店内にある喫食スペースにいた。
「2人とも、お疲れ様! じゃあ、僕達は言いたいことをまとめてくるからここで少しの間、待っててくれないかな?」
『ハイ!』
蓮がミルクとココアに言うと、再びピンと緊張感が張りつめる。
「あははは……。そんなに緊張する必要はないよ。今朝、作ったフルーツタルトがあるけど、食べるかい?」
蓮が苦笑しながら彼女らに問いかけた。
彼女らは「なんだろう?」と思い、首を傾げながら、
『いいんですか?』
と息を合わせて彼に訊く。
「うん。今、萌が準備してるから待っててね」
「分かりました」
「ハイ」
3人は萌が喫食スペースにくるまで、たわいない話をしながら待つことにした。
*
あれから数分くらい経ったあと、萌が台車を押しながら、厨房から姿を現した。
「お待たせしました。フルーツタルトと温かい紅茶をどうぞ」
彼女は喫食スペースのテーブルにおぼんに乗せられた紅茶とフルーツタルトをミルクとココアに差し出した。
「美味しそう……」
ミルクとココアの前に出されたフルーツタルトはこんがりと小麦色に焼き上げたタルト生地にラズベリーやブルーベリー、イチゴなどがふんだんに乗せられたものだった。
「萌さん、いただいてもいいんですか?」
「えぇ。お兄ちゃんがミルクさん達のために作ったものみたいなので……」
萌はそのフルーツタルトを8等分に切り分ける。
「えっ!?」
「本当ですか!?」
ミルクとココアは驚いた表情でテーブルに身を乗り出した。
「2人とも、落ち着いて!」
蓮が彼女らを落ち着かせると、萌はこう続けた。
「そうなんです。私達が小さい頃はここに置いてある商品がおやつでした。ミルクさん達は朝が早かったので、お腹も空いていると思いますので、朝ご飯代わりにどうぞ」
「僕も2人に食べてもらいたいから作ったんだ」
彼らの話を聞いたミルク達は「なるほど」と思いながら、
『ありがとうございます!』
と椅子から立ち上がり、深々とお辞儀した。
「いえいえ」
「とんでもないよ! 2人とも、頭を上げて!」
蓮にそう言われると、彼女らは頭を上げ、ストンと椅子に腰かけた。
「じゃあ、僕達は厨房にいるから何かあったら呼んで」
「ゆっくり味わって食べながら待っててくださいね」
蓮達は彼女らの所見をまとめるため、厨房へ向かう。
彼らからそこで所見をまとめ終わるまで、ミルクとココアはずっと緊張して落ち着かない様子だった。
2016/02/15 本投稿
2016/05/01 前書き欄削除、後書き欄修正




