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第11話 失敗して学ぼう

 そのあと彼らはマフィン以外に新メニュー候補のキャラメル、カスタードプリン、定番メニューのマドレーヌ、フルーツタルト、チーズケーキ、ガトーショコラ、クッキー、ベルディにくる前のフェアリーで1番人気だったシュークリームを作ってみた。


 はじめて作るものに関しては、きちんと材料を測定し、少量ずつ作っていく……。


 すべての候補が作り終えた2人


「疲れた……」


「では食べてみよう?」


「そうだな」


 彼らは食器を取り出し、作った洋菓子を実際に食べてみる。


 まずはキャラメル。


「うーん……」


「この風合いをどのように出すのは難しいな……」


 2人は微妙な回答をし、今度はカスタードプリンに手を伸ばした。


 プリン型からプリンを外して横から見てみる。


「やっぱりすだちができてるな……」


「すだちって何……?」


「すだちはプリンを作るときに卵液の濃度や温度、火力によってスポンジのようにスカスカになることだよ」


「だからお兄ちゃんは苦手なものがあるような……って言ってたんだね」


「その通り。僕はプリンは製菓学校時代もうまく作れなかったのさ……」


「でも、今はうまく作れなくても、作っていくうちにだんだん作れるようになるんじゃないのかな?」


「そうだね。卵部分はスカスカだけど、味は美味しくできてるからね」


 残りのマドレーヌ、フルーツタルト、ガトーショコラ、チーズケーキ、クッキー、シュークリームは蓮の腕が落ちているか不安であったが、いつもと変わらない仕上がりと味だったようだ。


 すると萌が何かに気づいたようだ。


「お兄ちゃん、私、思ったんだけど……」


「何?」


「さっきの失敗から学んでみたらどうかな」


「あっ!」


 そこでようやく蓮がそのことに気づいた。


「マフィンやカスタードプリンは生地の量とオーブンの温度や火力を調節してみよう! キャラメルはプレオープンに出さない。もっと研究したいからね!」


「えーっ!? キャラメルはボツなのー」


「キャラメルはもっと長い時間をかけて練習をしたい。いずれは限定メニューにしていきたいと思うんだ」


「なるほど。じゃあ、もう1度作ろう?」


「そうだな」


 彼らは再び調理場に入りマフィンとカスタードプリンを作り始めた。


 マフィンの生地の量を調整し、オーブンの温度は適度、少し低め、少し高めに設定して焼いてみる。


 カスタードプリンは火力の強さを調整しながらゆっくりと時間をかけて作る。


 そして、オーブンからと蒸し器から取り出すと……、


「できた!」


「意外と違いが出るね!」


 先ほどは少し焦げてしまったマフィンだったが、6分目くらいの生地で先ほどより少し低めで作ったものが1番きれいに焼けていた。


 一方のカスタードプリンは火力を調整しながらじっくりと作ったため、すだちはなく、見た目がきれいなプリンに仕上がっていた。


「2種類とも分析してみてよかった……」


「うん!」


 失敗から学んだマフィンとカスタードプリン。


 これからはその経験を生かして彼らは洋菓子を作ることを心がけるようにしようと決意した。



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