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第9話 お店の名前をつけよう!

 蓮達の生活と店舗であるフランス風の物件を提供していただいたチョコと別れ、彼らはそこの喫食スペースに腰を下ろしている。


「なんか、いろいろとすみません」


「ホテルに泊まらせていただいたり、さらには物件まで……」


 彼らは申し訳なさそうにショコラに言う。


「いえいえ、とんでもないです。私もチョコも蓮さん達を応援したい気持ちは大きいのです」


 彼女は手をひらひらと横に振って照れたように言う。


「さて、今度は材料を買うところを決めなきゃな……。あと看板も作らなきゃならないし……」


「他にもやることがあるしね……」


 彼らは指を折ながら、あれやってこれやって……と考え始める。


「ヨウガシのお店の準備って、大変そうですね。ホテルの方も大変ですが……」


「ハイ。あらかじめにいろんなことを決めないと……」


「例えば?」


 ショコラが蓮に問いかける。


「例えば、お店に並ぶ商品とその値段ですかね……。さっきのクッキーは10枚で100円……ここでだといくらにしようかな? と考えるのです。あと業務マニュアルみたいなものも作りたいですね」


「ホテルの宿泊料を考えるのと同じですね!」


「ハイ。これからベルディの人々に買って食べて愛していただくべく、僕達は全力で洋菓子を作っていきたいと思います!」


「そうだね!」


「さすが蓮さんですね! あっ、私はホテルに戻らなきゃ……」


 蓮と萌が張り切っている中、ショコラがはっとしたように椅子から立ち上がった。


「どうしたんですか?」


「今日から新人がくるのです! あっ、宿泊料も収入が入ったらでいいので、納めてくださいね!」


 ショコラは慌ただしくその場をあとにする。


「あーあ、行っちゃった」


「僕達もいろいろとショコラさん達にお世話になったんだから、『ヨウガシ革命』を起こして恩返ししよう?」


「うん! あっ……牛乳と小麦粉まだあったよね?」


「忘れてた! 小麦粉はともかく、牛乳が腐敗してるかが心配だ!」


 彼らは小麦粉と牛乳を軽ワゴン車から降ろし、牛乳は早急に冷蔵庫へ、小麦粉は倉庫らしき場所が存在したためそこにしまった。


「お兄ちゃん」


「どうした、萌?」


「さっきまで、お店の名前を考えたんだけど……」


「どんなの?」


「『異世界洋菓子店・フェアリー』はどう?」


「やっぱりフェアリーは捨てられないよな!」


「うん! ボツ?」


「採用! そこに『in ベルディ』をつけよう!」


「やったぁ! 夕食の買い出しとかに行きながら、看板を作る道具も買おう?」


「そうだな……。僕達はこれからだもんな!」


「うん!」


 彼らはその店を『異世界洋菓子店・フェアリー in ベルディ』と名づけた。


 その後、彼らは夕食の買い物がてらに看板を作る用具を購入すべく、近場の店を見て歩く。


 そして、軽ワゴン車を走らせ、生活雑貨や食料品が置かれている業務スーパーらしきところにたどり着いた。


 そこで、お店を始めるあるいはやってると告げると材料の取引先として、材料を安くたくさん購入することができるということを訊き、洋菓子を作る材料やいろいろなものを購入し、店についた。


 あれから、2時間後。


「看板、完成!」


 萌によって作られたその可愛らしい看板は蓮が店の入口に取りつけた。


「ここが今日から僕達の住かであり、洋菓子店でもある。上手く行くように頑張ろう!」


「うん!」


 2人の新しい生活はまだ始まったばかり。


 彼らはどんな『ヨウガシ革命』を起こすのだろうか。



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