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続・タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第二章 -冒険- (異なる次元)
49/59

49.次元旅行~宇宙の舌~


 ひゅうひゅうと風がそよいでいた。


 『気がついたか?幸一』 鷹は僕の顔を覗き込みながらそう言うと、金色の羽をゆっくりと広げた。


『ここはどこだろう』 僕は軽いめまいを感じながら身体を起こしてあたりを振り返る。


目の前に広がっていたのは、霧に包まれた広大な野原のようだ。


 『あれが見えるか?』 そう言って鷹がくちばしで指し示す。その先を僕は見つめた。


野原のずぅっと向こうに白くて高い”壁”が見えていた。

(その壁は視界の端から端まで、どこまでも広がっているようだった)


『あれはなんです?』 僕の隣でセアンがつぶやく。

壁が揺れている・・・。 セアンの声は震えていた。


ずうん。


ずうぅん。


 巨大な振動を伴って不気味な音が聞こえてくる。


その音は壁のある辺りから響いているのだ。


霧に包まれた野原を超えて響き渡るその音に、僕とセアンは振るえて立ちすくんだ。


 『怯えることはない』 鷹が優しく微笑んだ(ように感じた)


-ずうぅん!-


鷹の言葉に促されたかのように現れたのは、赤くて果てしなく長い巨大な”舌”(べろ)であった。


---


 『いや~よくぞいらっしゃいました!お疲れでしょう?』

ベロが思いがけず流暢に挨拶を始めたのを見て、僕は腰を抜かしそうになっていた。(セアンは既に腰を抜かしていた)


 『べ、ベロが喋るのか!?』 僕とセアンが恐る恐る尋ねてみると、舌の先端がペロリとめくれる。

そこから顔を出したのは、小さな可愛いウサギだった。

(かわいいっ、と思わず声を上げたのはセアンである)


 僕らが吸い込まれた”宇宙の口”。


そこで待っていた、真っ白なウサギ。(おそらく♀)


ウサギちゃんは僕たち一人ひとりに丁寧にお辞儀をし終わると、”舌”を見上げてこう言ったのだ。


 『さあ、乗りましょう』


挿絵(By みてみん)


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