37.新しい仲間
意識のリンクを通じて、僕はセアンの全てを理解した。
(同時にセアンも僕を理解した事を感じていた)
セアンが意識の向こうで語った”北欧神話”、それは僕達の目指すべき異なる世界のヒントを指し示していたのだと思えた。
それは次のような話である。
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北欧神話(ほくおうしんわ-Nordisk mytologi-)※
それは”ゲルマン神話”で語られる”宇宙論”に包括されていた。
ゲルマン神話とは、キリスト教化以前の宗教で、北ゲルマン民族によって共有されていた信仰や物語が集約された
古ノルド語による書物(『エッダ』(スノッリ・ストゥルルソン著)など)を示すと言われる。
ここで語られる”宇宙論”は興味深いものだった。
”この世に九つの世界が存在し、世界樹”ユグドラシル”によりリンクしている”との説を持つのだ。※wiki参考
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それらをセアンから読み解いて僕は思ったのだ。
彼らの神話が指し示すように、複数の次元に異なる世界が存在しているのならば、
マコさんの囚われた夢の世界もまた現実となりえるのではないのだろうか?
だから僕は”鷹”に問うたのだ。
-マコさんの魂はどこだ-
しばらくの沈黙の後、意識のリンクを経て僕は知ったのだ。
これから僕らの向うべき道を。
次元を超えた冒険を。
(セアンはそれを共有した瞬間に気絶した)
全てはセアンが目覚めてからである。
僕の新しい『仲間』は今、すやすやと眠っているのだ。