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続・タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第一章 -長い眠り-
19/59

19.マコ・夢の洞窟2

 わたしはせっちゃんを洞窟の片隅に座らせて、彼女の話を聞くべく部屋の装いを改めることにした。

(ここはわたしの”夢”そのものであり、わたしの想いに応じてこの場所は変化するのだ)


 わたしはそっと床を撫でる。

それに呼応して床一面が仄かに光る。

光に包まれたわたしの洞窟が、その姿を鮮やかに変えて行った。


 「これ・・・マコの部屋?」

せっちゃんがびっくりした顔のままでつぶやいた。


 「正確には、良く分からないのよ。ここがどこなんだか」

わたしはそう言うと、わたしの部屋そっくりのに設置された戸棚から紅茶のティーパックを取り出した。


 どうぞ、と差し出した紅茶セットを戸惑いながら受け取ると、せっちゃんはようやく落ち着きを取り戻したようだ。


せっちゃんはティーカップを抱えて、その部屋を見渡した。

出窓からは陽光がキラキラと差込み、壁には張り替えたばかりのような壁紙が白く煌く。

ここが、マコの現実の部屋でなくて、なんなのだと言うのか。

せっちゃんは改めて戸惑うばかりだ。


---


 「せっちゃん。あなた、以前にもわたしと”ここ”で会ってるわね」

「え?どういうこと?」 せっちゃんは再び戸惑う。


 そうしてわたしは説明を始めたのだ。この不思議な夢の世界の話を。



 前回、せっちゃんがここを訪ねて来た時、わたしの世界は彼女の夢と一時的にリンクされていたらしい。


「その時、ここは”駅前のコーヒーショップ”だったわ。

覚えてるかしら。あなたはタロちゃんの事を誤解して憎んでいたでしょう?

でもその誤解は解けたようね」


彼女が記憶を結びつなぐのを待って、わたしは肝心な事を聞いてみる事にした。


「あなた、どうやってここに来たの?」


 紅茶が香る部屋の中で、せっちゃんはゆっくりと口を開いた。


挿絵(By みてみん)


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