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続・タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第一章 -長い眠り-
16/59

16.会長とタジマとチキンライス

 2005年10月。


僕は久しぶりにナリタ会長の屋敷を訪れていた。


あれほど鳴り響いていた蝉時雨せみしぐれは既に鳴り止み、赤とんぼが林の間を飛び回っている。


「タロさんの料理、久しぶりに楽しみですわい。がははっ。なあタジマ」

作務衣(さむえ)を着て寛いだ会長が嬉しそうにそう言うと、タジマがにっこりと頷いた。

「そうですね。会長、タロさんの料理だけは残さず食べるんです」 タジマが水玉のエプロンをジャージの上に掛けながら僕に微笑む。

(N.A.局長のタジマも、僕や会長の前ではいつも寛いでしまうのだ)


会長の屋敷に来たときの常として、僕とタジマは台所で料理を作っていた。


「ところでタロさん、ニンニクと鷹の爪をオリーブオイルで炒めてるのって、やっぱりパスタですか?」

(料理をする時のタジマは僕のサポートに徹してくれていた)



「あはは。これからチキンライス作るんです。下地の段階でパスタにも応用できてしまうんですよ」

僕がそう言うと、タジマが手帳を取り出して書き込んでいた。

勉強になります、と言うタジマは実に勤勉なのだ。(とても権力者には見えない・・・まあ、見た目はヤクザなのだけれど)



僕はフライパンから一度ニンニクと鷹の爪を取り出し、玉ねぎとピーマンと鶏肉を炒めた。

塩コショウと砂糖で整えて赤ワインを少し。

そうしてホールトマトを入れてつぶし、醤油を少し、バター、ケチャップ、粉チーズでソースが完成する。


ご飯をフライパンに入れ、ソースを加えながら炒める。


-『ちきんらいすのナポリタン風』-


料理を取り分けた皿を居間に並べて、僕達は思い想いのお酒を手に掲げた。


「再開を祝して!」 「乾杯!」 ナリタ会長の声に、僕もタジマも答えた。


「うまいなあ」 お酒もそこそこで、実に美味しそうに会長は味わってくれる。

「無性に喫茶店で食べたくなるんですよねえ」 いつもクールなタジマ局長も、このチープな喫茶店風味には堪らないものがあるようだ。


そして、15分ほどで美味しく食べつくした僕達は、のんびりとお酒を飲み始めた。


 いつの間にか陽は暮れ、涼やかな冷風が会長の小さな屋敷を吹き抜けて行った。


もう秋なのだ。


挿絵(By みてみん)


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