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続・タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第一章 -長い眠り-
12/59

12.受付のせっちゃん2

 その日、あたしは不思議な夢を見た。


夢の中で、あたしは駅前のコーヒーショップに座っている。


あたしの目の前で微笑んでいるのは・・・マコ。


 「あなた、誤解してるわ」 マコが寂しそうにささやく。


誤解?なにを? あたしはマコに向ってそうつぶやく。


彼女はゆっくりとした口調でささやく。

「あなたは誤解してる。タロちゃんと別れたのはわたしの方なのよ。ウソだと思うなら、わたしの家に来て」


そこで店内は急に暗くなり・・・夢が覚めたのだ。


---


 目が覚めても、その夢はあたしの中で奇妙に現実味を帯びていた。


・・・それから3時間後、あたしはマコの家で彼女のお父さんとお茶を飲んでいた。


たまたま休日であった事や、たまたまマコの家の電話番号があたしの携帯電話に残っていた事。

たまたまマコのお父さんも仕事が休みで暇だった事。

そんな偶然が重なったおかげで、あたしは彼女のお父さんに招かれたのだ。


 せっかくだから、あたしは教えてもらうことにしたのだ、あたしの知らないマコの事やタロの事を。


「せ、せっちゃんのこと、ま、ま、マコはいつも話してましたよ」 拙い話し方でありながら、マコのお父さんは純朴な人だった。


 そうして、ようやくあたしは分かったの。

とんでもない勘違いをしていた事を。

タロさんに包まれて、彼女がどれほど幸せだったのかを。

別れてもなお、彼女を見守り続けるタロさんの一途さを。


もしかしたら彼女は、どうにも仕方の無い理由で彼と別れるに至ったのかも知れない。

(これは女の勘よ)


 でもその理由は・・・彼女が再び目覚めるまで永遠に謎のままである。



 あたしは節子。


今日からあたしは、タロさんのファンである。


挿絵(By みてみん)


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