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第7話:他人の気配
翌日、同じ時間に公園へ行くと、その人影はもういなかった。
あれは偶然だったのだろうと思いながら、いつも通り音楽を流す。
けれど、体のどこかが昨日の感覚を覚えていた。
誰かに見られているかもしれないという意識が、わずかに動きを変えていく。
それまでは、自分のためだけに踊っていた。
だが今は、どこかで誰かに届くかもしれないという想像が混じる。
その変化は小さい。
それでも確かに、内側だけだった世界に外の気配が入り込んでいた。
美咲はまだ知らない。
この小さな変化が、やがて大きな一歩につながることを。




