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第4話:ずれ
窓に映る自分の姿を見たとき、美咲は違和感を覚えた。
頭の中で思い描いていた動きと、実際の自分が重ならない。
そのずれは小さい。
けれど、一度気づいてしまうと無視できなかった。
どこが違うのかは分からない。
それでも、何かが足りていない。
同じ動きを繰り返すほど、その差ははっきりしていく。
思い通りにいかない時間だけが、静かに積み重なっていく。
悔しさとも違う、言葉にできない引っかかり。
それが、美咲の中に残り続けた。
立ち止まることもできた。
それでも、美咲はもう一度だけ動いてみようと思った。




