前へ目次 次へ PR 2/51 第1話:かすかな衝動 はじめて体を動かしたとき、それは踊りと呼べるものではなかった。 ただテレビの中の動きを思い出しながら、ぎこちなく真似をしているだけだった。 腕の上げ方も、足の運び方も分からない。 それでも、不思議とやめたいとは思わなかった。 うまくできている実感はなかった。 けれど、体の奥で何かが動いていた。 それは小さく、頼りないものだったが、確かにそこにあった。 美咲はまだ、それを夢と呼ぶことができなかった。 ただ、もう一度やってみたいと思った。