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寺優仁フリーランサー32歳  作者: RIO


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【第2話】:~販売促進課、そして……デスク争奪戦~

「総務部から異動になった、寺優仁です。よろしくお願いします。」


今日から、販売促進課。


噂では聞いている。ちょっとクセが強めな課だと。


でも、俺はやる。いや、出来ちゃう男。


……課長にはなれなかったけど……。


「あ、寺崎君、君には、猫田さんと今井君と三人で、あそこのデスクを使ってもらおうかな?それでいいかな、猫田さん?」


…あ、寺“優”ですけどね。ってか、異動初日から名前間違い……この部長、クセ強疑惑あるぞ。


この課……噂通り?


「あ、別に、いいでーっす。」


え、猫田さん独特??……クセ強はこっち??


しかも……え??え??あそこのデスクって……。


「あの、猫田さん、デスク2個しかないみたいなんですけど……。僕たち3人じゃないですか?」


恐る恐る聞いてみた……。クセ強怖いんだけど……。


「あ、寺優君て細かいこと気にする派?」


え?え?それどういう意味?それ、俺が正しくないですか?……もしかして、この課では“普通”が異端??


そんな雰囲気漂ってる。


「今井く~ん。寺君にさ、色々この課のこと説明してあげてぇ~。私はちょっと……。」


あ……。猫田さん、私はちょっと……のあと、俺分かっちゃった。“面倒くさいから”だよね……。


「はいは~い。あ、寺優君。僕、今井。」


なんか物腰の柔らかそうな人。……というか、軽すぎない?このひとも“アレ”だよね……。


「あの、デスク2個で3人てどういう……。」


「あ、それ?それね、前任者も気にしてた~w」


……え?気にしない人いる??猫田さん、と今井さんだけじゃない?あと部長も……。


「この課って、僕も入れて4人なんですか?」


少しの希望を持ちたくて聞いてみた。


「え?4人だけど?」


……ですよね。


今井さんは一見優しく色々説明してくれた。


……色々カオスなことだけは分かった。


机は使いたい人が使う?どういうこと??とか、今時ペーパーレスじゃないとか?皆がクセ強とかさ……。いい所がない感じ?


“ピロン♪”


もはや職場が“異次元”すぎて、俺の唯一の現実はこのLINE通知だけだった……。天使からの救い、来た!


『仁君、販売促進課はどうかな?初日だから、張り切りすぎないでね。仁君、なんでも出来ちゃう人だから心配だよ♡』


こよりちゃーん!!


そう、俺は出来る男。……ここでは分からないけど……。


たとえ、デスク、3人に2個でもさ。やるよ。俺、やる!……きっと。


それからは、通勤時間を1時間程早める日々。


いや、非常に不本意だけどさ、デスクは譲れないよね?


デスクの取り合い……じゃなかった、譲り合いってさ、俺、無理。


前任者も出社が早かったって、今井さんが言ってたけどさ、普通そうなるよね?


だから、早起きして、皆が出社してくる前に、何食わぬ顔でデスク取るっていう、ナチュラルな出来る男な訳、俺。


でも、そのやる気もどんどん削られていった……。


だって、営業事務なのに、誰も電話を取らない──もはや着信音が鳴り続けることすら“風景”になってた。


営業との仲も最悪。


営業の人の気持ちが痛いほどわかる。


でも……。


「あの、猫田さん……電話取った方が……僕も取りますけど……その……僕が電話に出てる間も……電話鳴ってるじゃないですか?だから……その時だけでも……取ってもらえれば……。」


めちゃくちゃ勇気を出して言ってみたんだよ……。そしたら、あの人……。怖いこと言ってきた。


「え?寺君さ、電話って取ったら勝ち?」


え?もう、ここカオス???……今井さんも無関心だし……。


猫田さんは続けた……。


「私はね、寺君。電話を取りたくないわけじゃないの。電話に出たら負けだと思ってるの。そのくらいプライド持ってやってるの!!」


……え?ナニ言ってるのこの人……プライドとか言った……?


ーーーあれから俺はここでは何も出来ないんだ!って悟ったんだ。


そして、遂に限界が来た……。


本屋で、一冊の本を読んだ時、”これだ”!!


と思った。


家に帰ると、ベッドに倒れ込み、残りの力で、その本を一気に読んだ。


え?本のタイトル?『君にも出来るフリーランス』


そのページには、こう書いてあった。


“組織に合わない人こそ、自分で働く才能がある。”


もう、自分のことだと思ったよ。


俺はスマホを掴んで、こよりちゃんに即LINE。


迷いもあるけど、こよりちゃんなら、なんて言うかな?



To be continued…



※この作品は note 掲載作品の再投稿です(加筆修正版)。

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