【第13話】:~俺は自由人……だった~
俺は、スーパーで倒れて、救急車で運ばれた……らしかった。
病院のベッドで目を覚ますと、手には点滴が刺さっていた。
看護師さんが、テキパキとした様子で、
「あ、目が覚めましたか?えーと、ジユウジンさん……?」
え?ジユウジン……?俺の事?
あ、そういえば、小学生の頃の俺のあだ名は“自由人"だったな。
「あ……デラユウ……ジンです……。」
小さな声で言った。
「え?“寺優"ってデラユウって読むの?ジユウだと思っちゃった。」
看護師さんは、笑いながら、俺の体温を測っていた。
先生に聞くと、俺は過労で少し脱水症状気味だったみたいで、脳震盪をおこして、倒れたらしい、幸い、頭は打たなかったみたい。
そういえば、あれから、働き詰めだったなぁ~。
SNSにしばらく休業のお知らせを書いた。
数日、休んでください。って言われたから……。
『仁君、どうしたの?大丈夫なの?』
文面から凄く心配してくれてるのが伝わって来た。
『ちょっと、倒れちゃってさ、でも、直ぐに復帰するよ』
そう送ったら、電話が掛かって来て、
「仁君、今どこの病院?行きたい!」
って、言ってくれてさ。この”行きたい”が、どんな"種類”の心配なのかな?って思いながら、
「〇〇総合病院ってとこ。駅から近いよ」
ってだけ伝えた。
点滴と念のための数日の入院。
こんなにゆっくりした時間を過ごすのは、本当に久しぶりだった。
それとは逆に、頭の中はぐるぐると忙しかった。
仕事のこと、お金のこと、今後のこと、人生って?とかまで考えちゃったりして……。
いつの間にか眠ってたみたいで、目を覚ますと、こよりちゃんが椅子に腰掛けて、うとうとしていた。
(来てくれたんだ……)
起こさないように、そっと、薄いブランケットを掛けた。
寝顔、初めて見た。
「あ!ごめん、仁君、起きたんだ!!」
「来てくれてありがとう。」
“行きたい”がどんな種類でも、もうどうでも良かった。君が来てくれるだけで……。
「看護師さんに聞いたよ!過労なんだって……。」
「うん……。」
「……この仕事好き?」
……好きかどうかは、もう分からないけど……
「うん……。」
て答えた。
To be continued…
※この作品は note 掲載作品の再投稿です(加筆修正版)。




