【第11話】:~もうだめぽからの~
俺はひたすら謝っていた。
Wordpressでのホームページ作成でやらかしてしまった。
テンプレで使っていた、前の人のデータを一部直し忘れて、そのまま、納品してしまったのだ。
リンク先が全て間違えていた。
正直、納期に焦っていた。
月収を上げようと時短を気にして、テンプレを使ったのが間違いだった。せめて、前の人のじゃなくて、きちんとテンプレを作るべきだった。……今更だけど……。
しかも、2週間掛かった大きな案件!
勿論、信頼はガタ落ち、もう頼まないと先方は聞く耳を持ってはくれない。
今まで、メールかチャットで連絡を取っていたが、初めて、先方に伺わせて欲しい。お詫びだけでも言わせてください。と伝えたが、無反応。
俺が悪い。完全に俺の失態……。
でも、2週間、他の仕事は出来なかったから、これが売上にあがらないと、どうしようもない。
今の俺の全財産は30万を切っていた。
でも、そんなことよりも、兎に角謝りたかった。
SNSに失敗をして、反省をしていること、先方に謝りたい気持ちを正直に書いた。
反響は思ったより大きく、コメント欄では共感もあった。……だけど、俺、共感が欲しかったわけじゃないんだ。ただ、謝りたかった。
“ピロン”
こよりちゃんからのLINE……。
なんて書いてあるのか……。怖くて直ぐには開けなかった。
"大丈夫だよ。”って言われたら、大丈夫じゃない!って言ってしまいそうだし……。
でも……。
恐る恐る開くと、内容は全然違った。
『私、今日……。』
俺はそれを見て、直ぐに合う約束をした。
「こよりちゃん!」
こよりちゃんはただただ泣いていた。
「わ、私……やらかしちゃって……。」
こよりちゃんをずっと見て来たけど、こんな弱弱しい、こよりちゃんは初めて見た。
「大丈夫だよ。」
俺がその言葉を発していたんだ……。
こよりちゃんは仕事の失敗の一部始終をゆっくり、時々涙交じりに話してくれた。
「……決算だったのに……。」
俺は正直、経理なんて全く分からない。だけど、毎月月末月初は遅くまで残業をして、決算期はずっと朝早くから夜遅くまで仕事をしているのを見て来たから、すごく重大なミスだということはなんとなく分かった。
「こよりちゃん、失敗しても、謝って、またやろう。」
まるで、さっきまでの自分に言い聞かせるみたいな言葉が自然と出た。
こよりちゃんは、ハンカチを顔から離し、俺の方をじっと見て、
「……ごめん……。」
って、申し訳なさそうに言った。
俺は初めて抱きしめた。
To be continued…
※この作品は note 掲載作品の再投稿です(加筆修正版)。




