20話 守護者ホトン
俺はあまりにも大きな蜘蛛を見て戦慄した。そして。
「キモッ!!!!」
すんごい鳥肌がたった。目が複数あって足がきもい!!
俺は牙武器を構えどうやって倒そうか思案していると、ふと気になる部分があった。
ホトンの腹上に突起が沢山あり3人の姿があった。
ん?!カイトか!!
それと残りの2人はおそらく、メリとコミだろう。
だがメリとコミの状態はもう死んでいた。頭は多少溶けてはいないが他の肩から下部分はおそらく消化されて溶けているだろう。
だがカイトは?!
カイトはホトンに突起で腹に埋め込まれたあと自分が少しずつ消化されていることに気づいた。
本能かどうかはわからないが今まででこれほど生きたいと思ったのは初めてであった。
カイトは溶けていく間に拘束されて溶けかけた縄を破り、頭に被された沙汰袋をぬぐ。
そして少しでも消化からまぬがれるように足を近くの突起に腹から抜け出しホトンに気づかれないように腹の浅い部分まで移動して身体を休めた。
それでもこの場にいれば少しずつ埋まっていく。
だが先ほどより消化される時間は耐えれる。
カイトは小さな期待と希望をもってミヤグチが助けに来てくれることを信じた。
幸いホトンは体長30メートルクラスの大型なのでカイトがこのように、動いても反応はしなかった。
突起から腹に埋め込んだ時点で消化できると確信しているような様子であった。
俺はまず木と同じぐらいのながさの太い脚を切って機動力を奪おうと奇襲をかけた。
まず牙武器で切ってみる。
「ザクッ!」
「スパッ」
おお?思ったより簡単に切れるぞ!
ホトンはまだ巣の糸に脚を踏み入れておらず地面を直接歩行している今がチャンスだ。
巣に戻られたら俺が逆に足を固定されて戦闘どころではなくなる!
脚のうち2本まで切り倒す。
するとホトンはようやく攻撃されたことに気づき、ミヤグチを補足する。
ホトンとミヤグチの視線があった。ホトンは真っ赤な目でこちらを凝視し雄叫びをあげた。
「キシュュアァッーーーーーーー」
この声だけでもかなり耳に響く。ホトンが激怒し前足で俺に突き刺してくる。
大柄なので攻撃速度もある程度避けやすいので避ける。
刺しては避ける。
刺したら避ける。
刺したら避ける。
これを繰り返しホトンは突き刺してをやめ突如口から上空を覆い被さる形で糸を網目状に吐いた。
これはまずいっ!範囲が広すぎる!
網を避けきれずに俺は網に被さってしまった。
くそっ。
やはり粘着性がやばい。
牙武器もこれじゃあ使えない。
俺が絡みとられるとホトンが
周りを糸で覆い始めた。このエリア全てを完全に糸の巣にするようの流れだ。
俺はあがき糸網を素手で引きちぎろうとするが、くっつき離れない。
ホトンは周りを糸で囲い逃げ場をなくしミヤグチに、向かって突き刺した。
も、もうダメかもしれん。俺は転移して、ここまでの人生だったのか。
俺は目をつぶり痛みがくることを避けたく目をつぶった。
すると。
ガンッ!?
何か鈍い音がした。
腹に衝撃があった。おそらく俺が今ホトンから突き刺しをくらったのだろう。だが腹は衝撃があっただけで痛みも傷もない。
え?俺生きてる?
ははっ!まじかよ俺の体。こいつらクラスの攻撃でも死なないってことは、もう負けることはねぇじゃねーか。
俺はホトンの足にしがみつき、本気で中段蹴りをする。
バキッ!
音がして前足をへし折った。
なんだ。武器なしでもやれるじゃないか。
前脚と後ろ2本の脚を損傷させてせいで30メートルクラスの体が地面にうつ伏せに落ちてきた、
それでもまだ戦闘意思はあるようで口で噛みつこうと残りの脚で俺を捕まえて噛みちぎろうとしてくる。
俺は脚を避けて残りの前脚を折りそのまま目に向かって脚をなげ爪先がささるように投げた。
「グギュュュュウッ!」
うめきをあげてジタバタする。あたり一面が暴れるせいで木々がおれ巣が半壊した。
この脚なかなか鋭いしいい武器になるな!これで腹に向かって逆に突き返してやった。
すると暴れてたホトンは目から赤い光がなくなり動かなくなった。