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リバイバルシード 〜The birth voice of the stars〜  作者: 河原ブーメラン


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エピソード57 スーパーサブ

『力の繋がりを断つ刀だと!?なぜそんなものが存在する!?答えろ!都原カイト!』

 プラネテスジョーカーの蹴りを受け体勢を崩したタステランは口元を歪め上擦った声を出す。

「あんたの空間転移とその槍も大分訳わからないからダブルゲットで断象刀は普通だと思う」

 断象刀を構えたまま都原は平然と応じる。

『ダブルゲット!?なんだそれは!?』

「あんたは反則武器二つだからダブルゲットな?」

『はい?!』

 とんでも理論に戸惑うタステランを他所に都原の視界の角のラシーとルナが、

『なんとなくわかるし…』

『私はよくわからないけどあなた達気が合いそうね』

 ルナが隣のラシーを流し目で見ながら半笑いで言う。

『その掴みどころの無い喋り方…貴様さては学生だな?』

 タステランはミストルティンの姿勢を正すと視線をプラネテスジョーカーの背後に転がった槍に向ける。

「まあ、ここは学生のコロニーだからな?車だろうがVSAだろうが乗ってるのは大体学生だぜ?あんた大丈夫か?」

 都原も槍とミストルティンの位置には気を配っている、いつでも力の繋がりを斬れるように断象刀を下段に構えている。

『僕は至って正常だ!貴様の剣筋から察するに辰真流の使い手と見た…しかも学生の割りには熟達している』

「頑張ったんだよ…」

『頑張った程度の奴に僕が一撃を喰らうか!』

「正確には二撃な?」

『揚げ足取りなどしなくていいわ!!』

「だってあんたそういうの気にしそうなんだもん」

『僕をちょっとめんどくさい奴みたいに言うのやめて!?』

「違うの?」

『気にするぅ!』


『おいおい?ルナ?コイツあの7大傑士に口喧嘩では優勢だぞ?何者だし?』

『辰真流って…前にラシーちゃんが噂話してたレゾナンスの辰真流のサラブレッドってこの子じゃない?』

『あー、あれか。コイツ朱鳳流が1番やりづらいっていう辰真流の使い手だったのか…』

 ヒソヒソと話すラシーとルナとは別に都原とタステランもヒートアップしている。

「あんた絶対リサイクルショップの椅子とか使えない人だろ?」

『なんでわかるんだよ!?あー!貴様と話してたら埒が開かない!!行くぞ!!』

「敵なのになんで行くぞとか言ってタイミング教えちゃうの?」

『あー!!黙れ!!貴様の言葉は脳がぐらっとする!!』

 タステランは徒手空拳のままプラネテスジョーカーへと低姿勢で駆け出す。

「槍槍言ってるから素手で殴りかかるタイプじゃない気がしたけど…なっ!」

 ミストルティンが間合に入った瞬間に都原は断象刀を切り上げる。

 が、ミストルティンは横に急旋回し避けると、さらに側転し跳ねるとプラネテスジョーカーの頭部へ踵落としを振り下ろす。

 ミストルティンの踵は突起状に鋭く尖っているので当たると大ダメージが予想される。

「ふんっ…!」

 都原はそれを上半身を反らして回避、そのままバク転して距離を取る。 

 まだ槍は都原の横にある。そう簡単にこの危険な槍を手に取らせるわけにはいかない。断象刀の効果もまだよくわからないのだから神経を使う。

「力の繋がりってヤツが目に見えれば少しは楽なんだけどな」

『おそらくあの槍への瞬間移動と引力の発生は機体の腕が槍に向いている必要があるし!アイツが槍に向けて手を差し出したら断象刀を振れ!』

『確かに艦長との戦闘でもその挙動から能力が発動しているみたい。都原くん、気をつけて』

「わかった!流石沙耶の仲間だな。プロって感じだ』

『褒めてもお前がウチをおばさんって呼んだのは死んでも許さねぇからな?』

『それは許しなさい!』


『傍らにあるからといって安心してはいないか?』

 そこで都原は気付く。

 ミストルティンの肘から黒く細い糸のような物が伸びている。

 その先には槍に繋がっている。

「ヤバッ!」

 今の一連の攻防、それはタステランのただの演技だった。

 どの時点からだろうか?

 あらかじめこの槍とミストルティンは肘からワイヤーで繋がっていたのだ。

 モーター音と共にワイヤーが巻き取られ地面に転がった滅葬槍がミストルティンの手元に戻る。

『辰真流といってもまだ思考力が足らないなぁ!こんなにあっさりと槍を取り戻せるとは!アルバ・デルキランなら返してくれなかったはずだぞ?貴様が引力を斬った時からきな臭いと思ってな?次に手に取った時に柄に巻き付けておいたのだ』

 タステランは滅葬槍を手に取ると、軽々と回して余裕をアピールする。

 タステランとてカウンターの精鋭と呼ばれる7大傑士の1人なのだ。

 7大傑士の名に恥じぬ知恵も持ち合わせていて当然なのだ。

『槍さえあれば貴様の刀の不可思議な効力は概ね分かれば怖いものではない』

「……どうすっか…」

 深く息を吐いて思考を巡らす都原。

 頼みの綱のANSWERシステムとやらが発動出来るまでINOの情報収集が進めば知らせて来てるはずだ。

 不完全な発動でも使えるようだが都原の力量ではまだ危うい。

『さて、そろそろ僕も肩が温まって来た。本領発揮と行こうではないか…』

 槍を右手に持ち左半身を前に腰を落とし構えるタステラン。

 次の瞬間、ミストルティンの背中に直径4メートルはある鉄球が撃ちつけられた。

『なっ!!!?』

 その認識外からの強力な一撃にミストルティンは弾き飛ばされる。

『アクティベート…』

 ミストルティンがぶっ飛ぶ先に巨大化したコンクリートブロックが出現し激しい音を立てて衝突する。

 コンクリートブロックは巨人の激突で砕けガラガラと崩れる。

 暫しその場を沈黙が支配する。

「な…んだ?」

 押し黙る都原の耳に新たな通信が繋がる。

『やあ、都原くん!随分健闘してるじゃないか!』

 陽気な声に都原は散りかけた意識を耳に集中させる。

『誰だし?』

『あ…えぇ…この声ってあの時の…』

『通信で聴くと確かにあの時のアイツの声だし。このガキの仲間ってことはさっきここに来たのってアレだったのか…』

 嫌な思い出が蘇ったのかラシーとルナの声色が暗い。

『通信位置特定…都原くん矢印の方向を見て』

 都原が視界に映る矢印を追って顔を動かすとそこには、

 白髪に眼鏡のワイシャツの上に白衣を着た男が半壊したビルの屋上に立っている。

『やっ!助けに来たよ!』

「ハリス先生!!」

 



 

 


 

はい!どんどん激化して行くタステラン戦!ハリスも参戦してどうなる?次回?

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