エピソード40 逢魔の時
遂に、ジャギとケンシロウの決着の時が来た。だが、ケンシロウはジャギから二人の兄が生きている事を知らされる。
「あからさまにボスキャラが配置される場所に居るね、カウンターの工作員っていうのは、厨二病か何かなのかい?」
かつて賢者とも呼ばれた博士の奇怪な研究室の管制塔を見上げ、ハリス・ウォードンは小さいがだが通る声でテッツ・コット・ミロットに話しかける。
それをにんやりと口の端を吊り上げて笑う、漆黒の髪の異端者。
「ボスキャラって事は俺はお前たちに負けるって言いたいのかぁ? 生憎、カウンターの文化圏ではピカレスクのゲームが流行ってるんだ。お前からは周りの奴らより別格なものを感じるが、こっちに合わせるなら負けるのはお前らだ…」
「おお? 僕のことを高く買ってくれるのは嬉しいが、僕には少し用事が出来てしまってね。残念だけど今回君にトドメを指すのはあの子だ」
ハリスはそう言って、カプセルが並ぶ中でテッツを睨む黒髪の極平凡な少年を指差す。
「はっ…?」
魔の抜けた息を吐く少年、都原カイトは眼を見開く。
周りにのドルチェやシェリー達もハリスの発言に驚いた顔をする。
「カウンターなら彼の顔はよく覚えていた方がいい。僕がカウンターと王都の理想的な決着から逆算するとこの戦乱のキーマンは彼と周りの若い子達だからね」
「へぇー…」
どこか納得したように都原達を眺めるテッツ。
突然のキーマン説に動揺しながら、都原とドルチェにリッジス、ケビン、少し遅れて沙耶はハリスに駆け寄る。
「ちょちょちょいちょいっ! あたし達がそんな重役なわけないでしょっ!?」
「センセセンセ!? 適当言うにも程があるってもんだぜ!?」
「俺たちが千年以上続いた戦禍のキーマンってどういう逆算ですか!?」
「いや、みんな先生は一応ネクストの一員だから、それなりの理由がある筈だよ!」
「あの人ネクストだったんですか!?」
纏まりの無い少年少女にハリスは一段高い場所から、
「君達はそれでいい。そのまま行けばあんな奴軽く捻れるさ。ってわけで僕は逆算的に別にやらなきゃいけない事見つけたから、また後で会おう! じゃねー!」
そう言い残しハリスは素早い動きで颯爽と入って来た時と同じ扉から出て行く。
「…」
虚空に手を伸ばし黙る少年等。
「…子供に丸投げして逃げましたわよ? あの変態…」
「逆算と言えば騙されると思ったのか…相変わらずのクズだな…」
サングラスをしてても蔑視をしているのがわかる、残された篤国沙耶の護衛の二人。
「お前ら本当に仲間なのか…? ってかアイツ、カウンターも一目置くネクストだったのかよ…まあ、いいや…あんな奴だ? 軽く捻るだ? やってみろよ…テメェら…」
15メートルは優にある管制塔から飛び降り着地すると、テッツはコートに両手を突っ込みとドリルの芯を指に挟んで六本握りこちらに向けて構える。
都原達も手に金属の卵を持ち。
「スライサー…」
サイモンは両手に光の剣を…
「バスタードフィスト…」
シェリーは光沢を放つ腕輪を…
「弁慶!」
沙耶は背中に黒い道具箱を…
「ディアスパイク!」
リッジスは脚に翠の鎧を…
「エレメントフィスト!」
ドルチェは腕と背中に純白の籠手とスラスターを…
「龍鱗の剣…」
そして、都原カイトの手には緑色の鋭い剣が…
「出来るもんならやってみろ…まとめてぶち抜いてやる…」
両腕を交差し腰を落として構えるテッツに、都原達はそれぞれの心を映す武器を構え駆け出す。
それが逢魔の時としても…
ペースが落ちてしまい申し訳ありません(T ^ T)
免疫ケアしますm(_ _)m




