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6『隣国との会談』

また王都への呼び出しがあった。

隣国との会談に招待されたのだ。町の被害状況の報告や会議の参加はやむえない。

本当は会議とかは出たくないんだけどな。

「隣国の使者よ。急な招集を受け入れてくれて感謝する。先日国内で魔族の攻撃があった。ここにいる領主ロゼと従者シークによって討伐された。人類の国防に関する事なので隣国の招集させてもらった。魔族領に接する為、国防の強化の為、招集させてもらった。」


人類の国防に関する事なので各国の精鋭が招集された。有名な冒険者、騎士団などだ。各自町に人を派遣するようだ。ここまで大規模の招集も珍しい事である。俺の町にも騎士団の派遣もあるらしい。


「ロゼ卿に魔族の討伐、ユニークモンスターの討伐の褒章とし、財宝を進呈する。」


ここで褒章与えられた。ここで魔族を打てば褒章が貰えると分かりやすい士気のあげ方だ。

招集された精鋭の視線が俺に集まる。鋭い視線に怯みそうになる。

前にでて褒章を受け取りに行く。


「ご苦労であったな。」

「感謝いたします。」

形式的なものである。礼をしまた。列に戻る。

「これで以上だ。みなこれで解散。」

帰ろうとすると呼び止められた。

「ロゼ卿!どんな魔族だった教えくれないか。」

騎士団の人間だろうか。俺より身長が高い女性だ。

急にすごい勢いで話かけられたのでびっくりして、抜けた声がでる

「ひゃい!あーすいません。うぅ」

胸の痛みがこんなタイミングでうずく。

「すいません。ロゼ様はケガをしていて私がお話をさせて頂きます。」

「これはすまない。ロゼ卿」

「いえ。私は大丈夫です。あとロゼで大丈夫ですよ。」

「魔族ですが、人間に擬態をしていました。それでロゼ様が不意打ちを食らい負傷を・・」

「なるほど、門を通ったということか。」

「お名前をお聞きしていいですか?」

「私はセシル騎士団長です。以後お見知りおきを。ロゼさんの領地への派遣も私が受け持ちます。」

「それはこちらこそよろしくお願いします。」

俺は深々とお辞儀をした。

「今は王都でお屋敷をお借りして、療養中です。」

「護衛も受け持ちますので、出来ればお供させて頂きたいです。」

王様の配慮だろうか。護衛までつけてくれるとは。

「では一緒に屋敷に帰りましょう。」

シークが俺にだけに聞こえるように言ってきた。

「ロゼ様、女性だと思われてますよ!」

「俺は男だあああ!」

いつもの癖で大きな声で城内に響き渡った。

それを見て王様がケラケラ笑っている。

それが唯一の救いだと思う。

「ええええー!」

セシルは本当にびっくりしたのか驚きを隠せていない。

もーなんだよ。冗談じゃなくシークの言う通り分かってなかったのか。

それはそれで傷つくんだけどな・・・

「セシルさん、屋敷に帰りましょう。」

「はい・・・」

シークが後ろでクスクス笑っている。今日の飯は無しにしてやろうかな。



屋敷に戻り、食事を取りながらセシルさんの話を聞いていた。

「私の家系は代々騎士です。小さい頃から稽古ばかりで・・・」

「そうなんですか!俺はヒールや神聖魔法くらいで戦闘はシークに頼ってます。」

「俺ですか?やはり見た目が女性なので違和感がすごいです・・・あっすいません!男性に言うものではありませんよね。」

「いえ、昔からよく間違われてたので・・・最近も求婚される程です。」

「私は無骨ですので、ロゼさんみたいに本当のお姫様みたいになりたいですよ。」

「何をいっているんですか。セシルさんお綺麗ですよ!」

「そんな褒めないでください!お口がうまいですね。」

シークがグラスを俺の前に置こうとした瞬間、粉々に弾けた。

パーーン!!

「うわああああああー!シーク何してんだよおお!」

中のワインも飛び散って顔や服に飛び散ってしまった。

「ああぁ!すいません!直ぐにお拭きしますので!」

「大丈夫ですか?」

セシルさんがフキンを持って拭ってくれようとした。

パン!と乾いた音がした。シークがセシルさんのフキンを払ってしまったのだ。

「す、すいません!私・・・失礼します」

無意識にやったことだったのかシークの方が驚いて出て行ってしまった。

「私何か失礼な事を言ったのでしょうか?」

セシルさんは心配そうに言った。この人は本当に優しい人なのかもしれない。

「大丈夫ですよ。慣れない環境で少しシークも疲れているのかもしれません。私は着替えて様子を見てくるのでお部屋でご自由にしてください!」

「はい!ありがとうございます。」

セシルさんは少し安堵した顔で答えてくれた。


シークの部屋の前まできてノックをした。コンコン

「シーク~いるか~?」

「・・・」

返事はない。

「入るぞ!シーク」

ガチャ。ドアノブに手を回し部屋にはいる。

シークは扉と反対方向をむいてベットに寝転がっている。

「シークなんだいるじゃないか。返事しろよ~寝てるのか?」

話しかけても反応してくれない。これは結構重症かもしれない。

ベットに俺も入り、ぎゅっとシークを抱きしめた。

「な、なんですか!」

シークはビックリして反応した。

「なんだよ!起きてるじゃないか!シークどうしたんだよ?」

いつもと逆の立場だ。少しうれしい。

「色々あって頭の中はぐちゃぐちゃです。ロゼ様、魔族に刺されて倒れちゃって、セシルさんとのやり取りを見てたらモヤモヤするし。ワインがロゼ様にかかった時。魔族に刺された時の記憶が蘇ってセシルの手を無意識にはらってて・・・何がなんだわからなくてってました。」


「そっかぁ・・・思い出して守らなきゃって思って行動したんだろうね」


「私より私の事分かってるじゃないですか!」

少し怒りっぽくシークが返してきた。

「シークの事ずっと見てきたんだから、そりゃ分かるよ。年上だし」

「セシルさんにはまた謝らないと・・・」

「俺から少し話したから大丈夫だよ。俺はシークの前からいなくならないから安心しろよ」

「ロゼ様が死んじゃうじゃないかって凄く怖かったんです!」

抱きしめた手をぎゅっと握られたは少し強くなった。

「よしよし!」

「今日はこのままじゃないと嫌です。」

「わかったよ!よしよし」

「分かってますかー?本当に?」

「よしよし」

シークが寝付くまでこんな感じのやり取りがずっと続いていた。


「シークのせいで寝不足だぞー!」 

馬車に揺られながらぼやいていた。帰りの道中である。

セシルさんも、乗せて3人で帰路に着く事になった。

「シークさんも元気そうになってよかったです」

「セシルさんもあの時はすいませんでした。」 

「いえいえ!お気になさらず!私は大丈夫ですので!」

何とかなりそうでよかった。







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