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4『チートスキルがあれば』

4『チートスキルがあれば』


シークに出会う前の話である。

突如ダンジョンの発生であふれ出る魔物を押さえつけるので必死だった。

国の援軍も来るまで時間を稼ぐのもやっとであった。

領主である親父は軍を率いて、領民を逃がし、討伐にあたっていた。

俺は領民と一緒に逃げるしか出来なかった。

援軍部隊が来る頃には領土の軍とほとんどが壊滅していた。

親父もその戦闘でなくなった。王様は貴族の誇りとして讃えてくれたが、

何もできない自分に腹が立った。なんで女神様はスキルをくれなかったのだろうか・・・

後悔するだけではダメだ。自分できることを探していた。

そこでシークと出会った。ボロボロなシークを救ったはずなのに、自分が救われた気がした。


恥ずかしくて顔は見れなったのでシークに背を向けた状態で言った。

『シークもいいよ!許すよ!いつも助けてもらってるもんな』

『はい!ロゼ様ありがとうございます。』

チラッと見ると泣きそうな笑顔で言っていた。

シークの笑顔にいつも助けられてる。


やっと見覚えのある町が見えてきた。

故郷の町が見えてくると少しホッとする。

「ロゼ様やっと帰ってきましたね。」

「うーんシークもおつかれさま。馬車の運転疲れたでしょ。」

「私はロゼ様の色んな表情が見れたので満足ですよ。」

そうだよね~王都ではいろいろあったもんな。

ホント貴族の前であそこまでさらけ出されるとは思ってなかった。

「町によってみんなの顔みて帰ろうよシーク」

「そうですね。いっぱい貰いましたし、お礼を言いたいです。」

町に着くとみんな温かく迎え入れてくれた。

「ロゼ様おかえりなさい!」「シークちゃんおかえり~」

「ロゼお嬢ちゃん!大丈夫だったかい?」

ん?

「誰だー!お嬢ちゃんって言ったやつ!知ってていってるだろー!」

「ガハハハッ!元気そうならいいじゃねかー!」

武器屋のおじさんが豪快に笑い飛ばしている。

「おっちゃん!そういえば兜助かったよー」

なかったら頭に刺さってたしな。

「店の売れ残りだ!気にすんな!」

「売れ残りよこしたのかよ。道理で兜だけだったんだなー」

町のみんなに挨拶を済ませるとギルドへ向かった。


ギルドへダンジョンの報告を聞きに行くことになった。

「ロゼ様いらっしゃいませ。ギルマスは奥の部屋でお待ちしております。」

受付から奥の部屋に通された。

「いつもはロビーでギルマス来て話してるのになんかあったのか?」

「ロゼ様ダンジョンで何かあったのでしょう」

「なるほど・・・」

昔の親父の件もあるし嫌な予感しかしない。

「ギルマスいる~?」

扉を開けると視界が暗転した。それに息苦しい。

「ううぅううううう」「ロゼちゃーーん待ってたよ」

いつものことで慣れてしまったが抱きしめられている。

女性エルフがヒョコヒョコさせながら俺を抱きしめているのがギルマスである。

「マリア様でもうらやま・・・許せません!離れないとその耳落としますよ!」

シークが殺気に満ち満ちている。

「アハハ!相変わらずシークちゃんはロゼちゃんの事大好きだよねー!」

「だ、大好きだなんて、ただの従者に過ぎません。」

頬を赤らめながら否定している。

「ギルマス、今日はなんかあったのか?ダンジョンで」

「ギルマスなんて他人行儀な言い方はダメよ?マリアと呼んでっていってるでしょ」

このエルフ、外観以上に中見が人間より人間くさい。

「はいはーい!マリア、今日はどうしたのー?」

「よろしい!では説明いたしましょう!ダンジョンでユニークモンスターが確認されました。」

「え、ユニークモンスターですか?最深部にしかいないはずでは」

シークが苦い顔をして俺に気を使って言葉を返した。

「俺の親父が深手を負わしたはずだろ、そのユニークモンスター」

「そうなんだけどね。あれから時間も大分経過しているから回復している。」

「親父を殺したユニークモンスターの退治依頼ですか?」

一瞬俺の言葉でシンとする。

「私そのユニークモンスター倒します!」

シークの強い声が部屋に響いた。

「まぁまぁ焦らないでシークちゃんとロゼちゃん。ギルドでも準備とユニークモンスターの監視はしているから」

マリアは本当に優しい人だ。俺の事を思って話してくれたのだろう。討伐対象としてはトップクラスなのに俺の為に討伐をギルマスの権限で止めている。

「俺たちにその討伐させてくれ!」

「いいよ!だけどギルドから複数派遣させる」

「分かりました!準備に入りましょうロゼ様」

ギルドを後に屋敷に戻った。


昔の光景がよぎる。雨の日に冷たくなった親父とあのユニークモンスターの姿は忘れない。

暗い顔しているとシークが声をかけてきた?

「大丈夫ですか?ロゼ様」

紅茶を持ってきくれたのを飲み、話した。

「親父が死んだときなんで俺はこんなに力が無いんだろ!って悔しかったよ!」

「私はあなたに助けられました!だから今度は私が貴方を守る番です!」

俺がずっと張っていた虚勢が崩れる。そんな事言われたら甘えてしまう気がする。

「俺はそんなに強くもない。いつもシークに甘えてしまってる。」

「いいんですよ!ロゼ様」

急に抱きしめられた。

「なんだよ!はなせよ!」

こみ上げてくるものが抑えられなくなる。俺は首領だ。

「私は放しません。」

「俺は何もできない。昔から何も変わっちゃいない!シークに守られてばかりだ。」

「それでもいいですよ!私は貴方を守ることを誓いました。」

「やめてくれよ。自分が許せないんだ。お前にそんなこと言われたら甘えちまうだろ!」

「全部抱え込まないでください!私にどうか頼ってください。」

「うああああああああーー!」

我慢していたのにその分感情が抑えきれず、泣いてしまう。甘えてしまうのだ。

受け止めてくれる彼女にすべてを預けてしまう。

「あらあら、かわいい顔が台無しですよ。でも今いっぱい泣いていいですよ!」

「なんでお前も、ひぐ 泣いているんだよ。」

「だってロゼ様が悲しいと私も悲しいですから。」


泣きつかれて寝てしまったロゼ様は子供のようだ。私が守るから安心してください。

ロゼ様を抱きかかえベットに向かう。

とても小さく軽い。この人がどれだけの重責を抱えているのかは分からない。

けど私が支えます。そのために私がいるのだから

「ロゼ様、今はゆっくりお休みください。」


「うん?俺はそういえば・・・」

シークに泣きついて寝てしまったのだ。思い出すだけで恥ずかしい。

シークもベットの傍らで寝てしまっているようだ。

「シーク起きろよそろそろギルドに集まる時間だろ?」

「あーはいそうですね、私このまま寝てしまったんですね。」

準備をしてギルドに向かう


ギルマスが珍しく真剣な顔で会議をしている。

「みんな集まってくれてありがとう。ユニークモンスターの件だ。現在確認できている事は中層から深部にかけて、潜伏している。ユニークモンスターの動向がきっかけでダンジョン内のモンスターが近隣の町に被害をもたらす可能性が高い。」

「直ちにユニークモンスターの討伐が急務である」

ダンジョン前に拠点を設置、ダンジョンの入り口を封鎖しているようだ。

その間に町の人間を非難、討伐の準備をしている。


俺もヒールくらいは使える。完全にサポート役だ。

メンバーは5人、俺、シーク、ギルドのメンバー3人だ。

ギルマスはダンジョン入り口での指揮をとる。


「よし準備はできましたみなさん行きましょう」

5人はそろった足取りでダンジョンに入っていく。

ダンジョン内異様に静かであった。

「モンスターの気配がないぞ」

ダンジョン内のモンスターの気配なくユニークモンスターを警戒しているようだ。

「とりあえず先に進みましょう」

シークが回りを警戒しながら慎重にすすんでいく。

開けた空間にでると異様な光景が広がっていた。

「なんだこれは・・・」

モンスターの死骸が中央に集められていた。

死骸の上にはユニークモンスター、オオカミの姿のモンスターがいた。

「ウオォオオオオーー!」

雄叫びを上げ、戦闘態勢にはいったようだ!


挿絵(By みてみん)


「皆、散会してください!」

シークが指示するが俺の足は昔を思い出し動けなかった。

「ロゼ様、危ない」

シークが声をかけてくれるが動けない。ユニークモンスターが俺に襲い掛かってくる。

「っう!」

庇ったシークの背中にモンスターの爪が振りかざされた。

「シーク・・・」

シークが俺をかばって大きなケガを負ってしまった。

「しっかりしろ!ロゼ、オオカミは俺たちまかせて!早くシークを回復しろ!」

同じメンバーに喝を入れられて、少しは動くようになった。

「はい!」

シークに回復魔法をかけていく。

「ごめん、シーク・・・」

「ロゼ様、貴方は勇敢ですよ。恐怖と立ち向かってるんですから!」

シークに言葉を聞いて手に込めた魔力が強まる。

自分が弱いからシークが傷ついてる。もう大切な人を失いたくない。

食いしばりなが口から言葉こぼれた。

「俺はシークを失いたくない。」

「大丈夫です!私はあなたを守るって決めましたから。」

体を起こそうとするシーク

「お前、もう大丈夫なのか?」

「はい!ちゃっちゃと倒してくるので待っててください。」

シークは剣を構えて走り出した。

「うおおおーー!ワンちゃんの躾はこれからですよおー!」

大剣に魔法が込められて刀剣は更に巨大になっている。

斬撃を交わして、懐に入ったシークは大剣から一閃を放つ。

オオカミの胴は真っ二つになった。

「ロゼ様、これで帰れますよ・・・」

シークの体が崩れた。

「シーク!!!」

体を抱き起すと息はしている。

「魔力を使いすぎたんだ。大丈夫。帰るぞー」

その言葉を聞いて安堵した。

「シークありがとう」

シークを抱えて、連れて帰ろう。

あんなに小さかったのに俺より大きいじゃん

「いつ俺の背を超えたんだか困ったもんだよ。」


ギルドへの報告は任せて、館に帰ってきた。

シークはベットに寝ている。介抱していると扉が開いた。

「ロゼ、シークは大丈夫なの?」

心配して母さんやってきた。

「母さん、シークは魔力を使いすぎただけで大丈夫だよ」

「シークがお父さんの仇を討ってくれたよ。」

「ロゼ、貴方も強くなりました。」

「僕なんて全然だよ。シークにいつも助けてもらってばっかりだよ。」

「力だけでの話ではないわ。心の強さということもあるわ。」

「そうだね。シークと一緒だったら心強いよ。」

「安泰だわー!あとはロゼとシークちゃんの子供の顔でも見せてくれれば完璧ね」

茶化すように母さんは言ってくる。

「は?何言ってんだよ!母さん!」

「満更じゃないでしょーずっと手を握ってるじゃない!」

「こ、これは魔力を送ってるんだよー!」

「あとはシークちゃん頑張ってね。ロゼちゃんをよろしくー!」

え?シーク起きてるのか・・・

ふと見るとシークの顔は真っ赤になっている。

「お、お前起きてたのかよ!」

「んじゃね~」

悪戯そうな笑みで部屋を出ていく母さんだった。

「ちょっと母さん!やられた・・・」

「だって・・・手を繋いでくれてたから放したくなくて」

改められて言われると恥ずかしい。

「そんないつだって握ってやるよ!」

「本当ですか!・・・今日は頑張ったのでご褒美ください!」

今日はしおらしいので調子が狂う。

「いいぞ~いつもだったらズケズケ言うんだから言えよ。」

「今日は手を繋いでいてください。それだけです・・・」

「おう!今日は頑張ってくれたからな!」

「ありがとうございます。ロゼ様」

シークは笑みを浮べゆっくりと目を閉じた。

手を繋いだままだと心まで温かくなる。


目覚めると同じベットにシークが寝ている。

どういうことだ・・・

考えてもわからない。手を握ってただけなのに添い寝した覚えはない。

どうせあれだ。シークの馬鹿力で引き込まれたのに違いない。

「ロ、ロゼ様?」

隣に寝ているシークが起きた。目が合う

「おはよう~シーク」

「どうして一緒にねてるんですか?あれ私?」

「俺も覚えてないんだ」

「そうですね。」

そう言って抱きしめられた。

「え?シークさん。急にどうした?」

「頑張った私へのご褒美をください」

「うん、シークは頑張ってるよ!えらいえらい」

腕が素直ににシークを抱き寄せてぎゅっと引き寄せた。

「えへへ、ありがとうございます。ロゼ様。」

「な、なんだよ?」

「いいえ!ロゼ様があったかいなーって」

シークの体にすっぽり収まってしまいまるで俺がぬいぐるみみたいだ。

でもこいうのも悪くない。朝の朝食を持ってきてやるか。

もぞもぞと腕を掃って脱出を試みる。

「どうして逃げるんですかー?」

解こうとした腕に絡み取られる。

「今日は俺が朝食を用意してやるからここで寝てろ」

「やだーまだ離れたくないです。」

「また戻ってくるから」

「はーい」

シークは素直に解いたのでベットからでれた。


扉を開けると母さんがいた。

「何やってるんですか?」

「昨日はお楽しみでしたね?」

「ちがーう!そんな事はしてません!」

「何だ!孫の顔が見れると思ったのに残念だわー!」

「うーー!」

「はいはい!お邪魔者は去りますよーコレ食べてね」

「え?用意してくれたんですか。ありがとうございます。」

「じゃーね、ロゼ君」

朝御飯を用意してくれいていたものを受け取り部屋にもどる。

やり取りを聞いていたのか、ベットに伏せて震えている。

「シークは朝御飯だ。食べよう」

「お奥様にさっきのやり取り聞かれてたのでしょうか。恥ずかし過ぎます・・・」

「いつものことだろ~」

朝食をとって少し落ちつきを取り戻した。








不定期ですが継続して投稿できればと思います。

温かい目で見て頂ければありがたいです。

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