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5話 旅立ち

この世界に来て大体4年の月日が経った、ある程度言葉を読めるようになり、剣の腕前も高くなった、ただハン爺からはまだまだ半人前とは言われているが、ゲムマ村の戦士を軽くあしらう程には強くなった、魔術の方は問題なく使えるようにはなったが、魔法術式を使った複雑な魔術は使うことができなかった、ただ俺が使う魔術は特別で魔力を消す効果があることがわかった、ただその効果のせいで魔法術式を上手く組む事ができないんじゃないかとアンが言っていた…。

勇のいるドアが開き、男性が話しかける。

「ユウ、旅に必要な物を今から買って来るけど、何か必要なものはある?」

勇に話しかけたのはロンだった、勇は質問に答える。

「特にないけど…、そうだ魔獣除けのローブ、普通のは臭いがキツイから、抑えたやつがいい」

ロンが言葉を返す。

「ユウは特別鼻がきくんだね、残念だけどあれで一番臭いを抑えてるんだよ、だから…まあ雨よけのローブにしようか」

まじかよあれで臭い抑えてるの?、そうだ大王国までの道のりは殆ど歩きになるから靴を新調しとかないとな。

ロンは続けて話す。

「そうだ夜にアンが来るそうだよ、アンも最近は忙しそうだけど、しばらく会えなくなるからね、まあ行ってくるよ」

そしてロンは買い出しに向かった。

そうか…、アンともしばらく会えなくなるのか、てか突然過ぎなんだよ、昨日突然長に呼び出されたと思ったら、この大陸の王様に俺を大王国に向かわせて、国王に会うように言われたとか、長に明日には旅立つように言われたが…流石に明日旅立ては無理難題だから今日旅立つことはないが…、はぁまじであのジジイいい加減にしろよ明日には旅立てっていくらなんでも急すぎだとおもんだけど…。

勇はその様に文句を考えながら旅立つための支度をする、時間が経ち辺りが暗くなっていく、それに気がついた勇は壁に掛けてある袋から少し黒ずんだ石を1つ手に取り、それを使いランタンに光を灯しロンの帰りを待つ。

ロンさん遅いし食事の準備でもしとこうかな、どうせしばらくここには帰ってこれないし食材をふんだんに使ったものにするか。

勇が食事の準備をしていると窓からトントンと音が聞こえる。

ん?今窓から軽く叩く音が聞こえた様な…まぁ気のせいだよな。

勇がその音を無視すると再びトントンと音がなる。

いや絶対なってるな…んー少し怖いけど確認しないとだよな…。

勇が音がなった窓に行き、窓を開け確認する。

あれ誰も居ない、やっぱり気のせ…。

窓の下の壁面から少女が小さく話す。

「ユウ…家の中に、グオンとか居ないよね」

声の主はアンだった、勇は困惑したように答える。

「アン何でこんなとこにいるの?、グオンはいないけど、グオンを探してるんだったら修練所にいるだろどうせ」

勇の返しを聞いたアンはホッとした表情を浮かべ話す。

「取り敢えず家の中に入っていい?、誰にも見つかりたくなかったから、隠れながら来たの」

勇はアンに家に入ることを了承して、アンは窓から家の中に入り、続けて話す。

「よいしょ…、ふぅ~疲れた…、最近私を外に出さないようにって長様が言ったみたいで、部屋に閉じ込められてたんだ」

最近アンを見ないと思ったら、閉じ込められてたのか…、てか何で閉じ込められてたんだ?。

「最近来てなかったから心配したよ、もしかして悪いことしたから閉じ込められたの」

勇が冗談混じりに話すと、アンそれに答える。

「そうそう長様の大事に取ってたデザートを食べちゃて閉じ込められたのです…、何てね悪いことは1つもしてないよ、けど何で閉じ込められたのかは秘密」

秘密か…まあデザートを食べたから閉じ込められたって事にするか、アンもご飯食べてくかな、せっかくだから一緒に食べたいな。

「アンご飯食べていく?、せっかく来たんだし…」

勇が話しきる前にアンが割り込む。

「ごめん…、一緒には食べれない多分いや絶対グオン達が捜し回ってると思うから、今日私がここに来たのはユウにちゃんといってらっしゃいを言いたかったから…」

少し居なくなるぐらいで捜し回ってるってかなりまずいんじゃ、あいつらアンを監禁してたんじゃないか?

「アンもしアンが良かったら…、一緒に来ない?」

アンは驚いた顔をして言葉を話す。

「いや…やめとく、私じゃ足手まといになると思うし、」

足手まといって、アンなら大丈夫だと思うけど…、まぁアンが行きたくないなら仕方ないか。

少しの間沈黙が続き、アンが照れた顔をしながら話しかける。

「あの…ユウ…、これあげる」

ん?、金属製の装飾が施されたフォーク、あぁ旅に出るからご飯を食べやすいようにってことかな。

「ありがとうアン、大事に使うよ」

アンは顔を真っ赤にして話す。

「ごご飯作ってたんだよね、わ私も手伝うよ」

ん?どうしてアンはこんなにテンパってるんだ?、不思議だな。

「ありがとう、じゃあ野菜をちぎって…、味付けもお願いしたいな」

アンはコクリと頷き、二人は料理をする、作っている最中にロンが帰ってくる、ロンも手伝おうとするがもうすぐできるからと言われ、大人しく椅子に座り料理の完成を待つ、出来上がりテーブルに完成した料理を広げた瞬間に玄関からグオンの声が聞こえる。

「アン様、いるのはわかっています…、もしもこの扉を開けなければ力尽くで入ります」

グオン…まじかよ力尽くって、てかグオンがアンを様付けで呼んでたことなんてないよな。

アンは勇に向けて話す。

「じゃあ私帰るね、あげたやつ大切に使ってね、じゃあいってらっしゃい」

アンはそう言うと早歩きで扉に向かい、そのまま帰って行った。

アンの奴何か嵐のようだったな…、何かこの先一生会えない様な…。

ロンが悲しそうな表情を浮かべ話す。

「ユウ食べよう、せっかくの出来立てだ、今食べないとアンが怒ってしまう…」

ご飯を食べているとロンは勇が使っているフォークについて質問した。

「ユウ…そのフォーク誰からもらったんだい?」

ロンさん何かめちゃくちゃ驚いてるな…、このフォークまさか高価だったりして、確かに手が込んでて高そうだけど。

「これアンがくれたんだよ、もしかして高価だったり、それだったらアンにちゃんとしたお返しをしないとな」

ロンは複雑ではあるが嬉しそうな顔を浮かべ話す。

「いや…まぁ確かに…高価すぎるものではある…ね?、まぁ気になっただけだよ…、お返しはスプーンがいいと思うよ」

高価すぎる?!、このフォークそんなに…、お返しはスプーンがいいか、ちゃんといいものを返そう。

こうして二人は食事を堪能した、その後大王国まではどのように行くかをロンが勇に説明して何に気をつけるかを叩き込まれた。

数日が経ちついに勇とロンは大王国に向かう事になった。

「ロンさんホントに長に、挨拶しなくていいんですか?、こういうのって挨拶したほうがいいような」

ロンが勇の質問に答えようとすると、勇の背後から勇の質問に答える男性の声があった。

「確かに普通はするものだ、ただ今回は先延ばしにしたので長様が怒っています、だからこうして寂しく旅立とうとしているのですよ」

勇が振り返るとその声の主はいつも長の隣にいる長髪の男性ことフヘンだった、さらにその後ろにはグオンとアンの姿があり二人とも背中に勇と同じぐらいのバックを背負っていた、ロンがフヘンに嫌そうに話しかける。

「どうして君がここにいるの、長の隣にいなくていいの?」

それにフヘンは答える。

「確かに私は長様の隣にいるべきですが、あなた達を見送るように長様に言われたので来たのです、そうでなければロン君がいる場所になんて行きませんよ」

ロンはその言葉を聞き少し顔がひきつる、続けてフヘンが話す。

「それと勝手ではありますがこの二人を連れていきなさい、グオンはともかくアン様はそちらのユウに色々と役に立つでしょう」

アンと一緒に行けるのか、色々って何か引っかかるけど取り敢えずやった、グオンはまぁ…。

ロンがフヘンに少し怖い顔で言葉を話す。

「それも長の決め事だよね…、本気でアンを連れて行かせるつもりなんだよね…、そうだとしたら私は今日から長を長として見れなくなるよ」

フヘンは少し困った顔をして少し考えた後に答える。

「さぁどうでしょうか、アン様が行きたいと言った様な…、私がそう長様に提案したような気がしますね、私もかなりの年月を生きて来たので、記憶力の方は自身がなくなりまして、いやお恥ずかしい」

この人絶対何か隠し事あるな、アンを連れて行くように行ったの絶対長だろ…、けど今回はナイス…だけど、何かロンさん怒ってるよな…。

ロンがフヘンともう少し話したいと言い勇とアンそしてグオンに離れるように言い、しばらくロンとフヘンは言い合いをする。

ロンさんのあそこまで怒ってるのって始めてみたような…、アンってもしかして持病があったりして…いつも会ってる時はそんな感じはしなかったけど、そういうのはわからないもんだよな。 

勇がアンをじっと見ているとアンはそれに気づき顔を赤らめる、それに気づいたグオンは勇の目の前に立ち話す。

「シンドウ、何をそんなにいやらしい目つきでアン様を見ている、卑猥だぞ」

ひわ…こいつ何言ってんだよ、確かにアンは可愛いけどそんないやらしい目つきで見るわけないだろうが!!。

勇がグオンに言い返そうとするとグオンの背中を軽くアンが叩き、話す。

「グオンだから様はやめてよ、後ユウはそんないやらしい目つきはしてないよ、いやらしい目つきをいつも向けてくるのはハン爺様だけだよ」

アンの言葉を聞いたグオンはすぐに言葉を話す。

「いえ様は付けるべきだと、ハンがいやらしい目つきを向けてたのは本当でしょうか?」

確かにハン爺なら、アンをその様な目で見そうな…てかあのジジイは女性…はたまた人以外のメスにもその様に見てたよな…気のせいだよなハハハ…はぁ。

アンはグオンに小さく頷き、グオンは一言「そうですか」といい腰に下げてある剣に手を当てる、そして何かを思い出したかのように勇の方を向き話す。

「シンドウお前もアン様にちゃんと様を付けろよ、付けるべき存在だ…」

グオンが喋っている途中にアンが「グ・オ・ン!!」と強く言いグオンは黙るが、小さく勇に聞こえるように続いて話す。

「付けるべき存在だぞ、俺達何かが呼び捨てにしていい人ではない、村長でさえアン様に様付けで呼んでいるんだからな」

なるほどやっぱりアン…アン様はすごかったんだな、俺もこれからはちゃんと様を付けて呼ぼう。

その様な会話をしていると、ロンがフヘンと話し終えこちらに向かってくる、来るとロンは話し始める。

「これから4人で大王国に向う、大王国までの道のりは殆ど歩きになるから覚悟してね、道中魔獣が出ると思うけど基本的に追い払う方向でいくよ、道中は常に4人で行動するから、旅先で村や国などに訪れることがあると思うけど、そこでは君達3人で行動してもらうつもりだからよろしくね、取り敢えずあそこの…」

と言いロンは4人が座れそうな場所を指差す。

「場所で地図を開けるから、旅の最終確認をするよ」

少しの間4人は地図を囲み、道の確認をして、どこで休息をして、どのようにして海を渡るかを、ロンから聞いた。

まぁ俺は前からこの話の殆どは聞いてたけど、村や国で3人で行動するのはびっくりしたな、てっきりここも4人行動だと思ったたけど、まぁ一人で動いた方が都合が良かったりするときもあるし仕方ないか。

そうして4人は最終確認を済ませゲムマ村から旅立つ。

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