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4話 選択

「ふぅ案外遠いな、アキン婆さんが言ってた道順で来たけど絶対あそこの道右だったろ…まあいいのか」

勇は今、勇が住んでいるゲムマ村の長の命令で、ゲムマ村の外れにある一軒家に一人で行くことになった。

ここら辺かなり足場が悪いな、何かデカい生物が踏み荒らした様な…。

ここらは小さな崖になっており、勇が下に降りようと足を降ろすと小さな崖が崩れる、勇は勢いよく前に飛び出し、足だけで着陸する、勇は驚きで声が出る。

「あっっっぶねー、ワイン割れてないよな」

取り敢えず割れてないか確認しないとな…、良し全然大丈夫だな、てかこのワインそんなに大切だったら俺じゃなくてもっと適任の人にやらせろよな、多分長は俺が使えるか使えないかを試してるんだと思うけど。

勇は再び歩き出し、目的の場所を目指す、しばらく歩くと広い草原に出る。

あのデカい家だな、青い屋根で隣に大きな石、間違いないな、聞いてた通りデカい家だな隣の石が小さく見えるくらいに。

勇がデカい家に近づき、ドアを2回叩き声を上げる。

「あの、ポイルさーんいますかー、ゲムマ村の長からあなたに届けものを持ってきました」

勇が呼びかけるが返事が無い、それどころか家に人の気配が一切なかった。

あれ居ないのかな、頻繁に家を空ける人だとは聞いたけど俺が来ることは手紙で知らせてるって言ってたよな…、取り敢えず待つしかないよな。

勇はしばらく家の近くにあった椅子に座りポイルを待った、しばらくして一人の男性に話しかけられる。

「お前誰だぁ、フヘンが言ってたやつか?」

勇は椅子から立ち上がり声の方に視線を向けすぐに返事を返そうとするが少し考え込む。

フヘンって確か…そうだ長の側近の髪の長い人だ…、てかこの人ちっちゃ俺の背丈の半分ぐらいしかないな、確か俺が最後に身長を測ったときは170cmぐらいだったから85cm?!!、子供…じゃないよなぁどう見ても老け顔すぎるし、もしかしてロンさんが昔言ってたコビトなのかもしれない…。

勇が驚いて返事をし忘れて考え込んでいると、男性が続けて話す。

「何だぁ、だぁんまりかお前泥棒か…ん?、お前よく見たらこの前フヘンのとこの若い戦士と闘ってた…何だぁけな?」

勇は男性に話しかけられる事で我に返り、返事を返す。

「勇です、あの貴方はポイルさんですか?、ゲムマ村の長から…」

勇が話している途中に男性が割り込んで話す。

「そうだぁユウだぁ…、あの闘いは見事だぁった、確かに俺はポイルだぁ、フヘンから荷物のことは聞いてる、取り敢えず家の中で待っててくれ、俺は早くこれを飾りたい」

ポイルは背負っている袋から銀色のペンを袋から出し、右手に持ち勇に見せて目の前を通り過ぎドアを開け中に入る、同じく勇も家の中に入り少しの間、玄関近くにあった椅子に座りポイルを待った、しばらくしてポイルが戻って来て勇を客間に案内する。

やっぱりこの家広いな、それに物がいっぱい飾ってある、武器に防具にへんてこな小物…いやホントにいっぱいあるな。

勇が周りを見渡しているのに気づいたポイルは足を止めて勇に話しかける。

「どうだぁ俺の家はすごいだぁろ、世界中から集めた品々だぁ、かのノウム王城にある宝物庫に匹敵するだぁろう」

ポイルは話し終えると大きく笑う。

ノウム王城…確か今いる大陸…イデア大陸とは別の…そうだケントルム大陸のノウム大王国の城の名前だよな、てかこの人何でこんなに物を集めてるんだ?。

「あのポイルさんはどうしてこんなに物を集めているんですか?」

勇がポイルに質問すると笑みを浮かべ答える。

「俺は収集家何だぁ、世界中にある俺の心動かす物を集め記録しているんだぁ、だぁが最近はイデア大陸以外の大陸は魔獣や魔物が多くてな行くのがかなり危険でな…、あんまり集められないんだぁ、それに最近の噂では魔を率いている王がいるとかいないとか…、まぁそんな噂事よりフヘンが俺に贈った荷物だ」

ポイルは少し暗い顔になるがすぐに明るい顔に戻り歩きだす。

魔獣…魔物…そして魔の王…魔王…、賢者の予言によると魔の王が世界を征服する、それを防ぐために別世界の人間を召喚した…もしもこの賢者の予言が本当なら俺は戦うべき…だよな。

二人は客間につき勇は背負っていた袋を机に置き中からワインを取り出しポイルに渡す、それを受け取ったポイルは真剣な眼差しでそれを観察する、ある程度目で見終えると自身のポケットからルーペの様な物を取り出し再びそれを使いワインを見る、しばらく経ちポイルは満面の笑みを浮かべて勇に握手を求め、勇はそれを受け入れる、握手をするとポイルは深いお礼を言う。

かなり真面目に鑑定?してたな、それにめちゃくちゃ深いお礼を言われた、このワインそんなに大事なものだったのか?、このワインの名前は…永遠…の味わい…ロイヤルかな、見た感じ高そうだけど実際どんなもんなんだろう?、まあこの人に聞いてみた方が早いよな。

「あの、そのワインって見た感じ高そうですけど、どんなもん何ですか?」

ポイルは少し驚いた顔をして答える。

「あんたこれが何かわからないで運んでたのか?、フヘンのバカがちゃんと伝えて届けさせろ…、まぁこれは永遠の味わいロイヤルって言う飲まないワインでな、持ってる奴は飲もうなんて、考えもしねぇぐらい高いもんだぁ」

飲まないワインってそれワインとしてどうなんだ?、永遠の味わいって事は美味いのかな?。

「あの名前に永遠の味わいって書いてますけど味はどうなんですか?」

ポイルは少し疑う顔を見せて質問に答える。

「何だぁお前、突然そんなに聞いてきて…まさかこのワインを狙ってんじゃねえよなぁ」

その言葉を聞いた勇は慌てて否定する。

「いや、違いますよただなんか気になって…」

ポイルは勇の顔を覗き込みしばらく見てから返事を返す。

「まぁ確かに嘘は言ってねぇようだぁな…、このワインを飲んだぁバカは殆どいねぇが殆どはいる、そのバカいわくこの世の飲み物はたまたこの世にある口にいれるもの全てを凌駕するほどの美味さだぁそうだぁ、そんなに知りたきゃ自分で買うんだぁな」


勇はポイルにこの世界の現状を聞きそれにポイルは答える、その様な会話をいくつかしていると日が暮れ夜が近づく。

「まぁそんなとこだぁな、皇帝も何を考えているかわからないもんだぁ…んああもうこんな時間か、ユウ今日は泊まってけ」

勇は宿泊を喜んで受け入た、食事をしてしばらくポイルと話した後に勇は用意された部屋に向かい、ベットの上に座り考え込む。

はぁ薄々感じていたけどやっぱりこの世界の現状はひどいもんだな、本来俺がいるこのイデア大陸は魔獣や魔物なんかがいない大陸だそうだ、魔物はまだ発見されてないが魔獣の数は着々と増えている…、俺は賢者の予言でこの世界に来たのなら俺に出来ることは必ずあるはずだ、今はそれが魔王を倒すことか魔獣を倒すことか魔物を倒すことかはわからない、でも俺はこの先訪れる戦いから逃げる事は…。

勇はいつの間にか寝ていて朝が訪れる、勇はポイルと朝食を食べ、勇はゲムマ村に帰る、勇は長に無事荷物を届けた事を伝えポイルから預かっていた手紙を側近に渡す、長は勇に一言「ご苦労」と言い、続けて側近が勇に下がる様にと言い、勇は長の家から出て自宅に向かう。

あいつまじで感じ悪いよな、ご苦労って別にご苦労は感じ悪くはないけど言い方悪すぎだろ。

勇がその様に悪態を考えながら自宅につく。

あれ人の気配がするな、アンが中で何かやってるのかな?。

勇がドアを開けて「ただいま」と言い自宅に入る、中にいた人物がそれに答え勇を出迎える。

「おかえりユウ、まさか長に頼まれ事をしてたとはね、無事に帰ってこれて良かったよ」

自宅にいたのはロンだった、勇は慌てて言葉を返す。

「ロンさん帰ってたの?、しばらく帰って来なかったから心配したよ」

ロンは少し笑い言葉を返す。

「いやすまない、ミンに頼まれたものが中々見つからなくてね、あちこち歩き回ってたんだ」

勇が真剣な表情を浮かべロンに話す。

「あのロンさん大事な話しがあるんですけどいいですか、俺やっと決めました」

ロンも勇の真剣な表情を見て真剣な表情になり言葉を返す。

「あぁ良いよ、ここじゃなんだしテーブルに行こうか」

二人はいつも食事をしているテーブルに向かいお互いに椅子に座り、勇が話し出す。

「戦うことにします、色々聞いて色々考えて決断しました、それでも俺には何ができるかはわからないけど何か出来ることはあると思っています」

その言葉を聞いたロンは複雑な表情を浮かべ口を開く。

「そうか…ユウは戦うのか、だけどユウその選択は…、いや何でも無い…、ユウ…戦うからには力が必要だ強い力が、だから明日から剣の稽古を本格的にするよ」

勇は強く返事をする、続けてロンが話す。

「じゃあ今日は、大王国に関しての勉強をしようか戦う力も大事だけど、この世界のことも知っとかなくちゃ駄目だからね」


こうして多くの時間が過ぎていった…


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