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2話 新たな日常

「ュ ウ オキ... ユウ オキテ モウ ヒルダヨ ショクジ タベヨ」

勇はアンの声で眠りから覚める。

「おはよういやこんにちはか、俺そんなに寝てたの、なんでアンが起こしてくれたの、もしかしてロンさんいないとか?」

アンは言葉を返す。

「ロンサンハイルヨ マッテル ワタシガ ユウヲ オコシタイカラ」

取り敢えず顔を洗いたいな…確か家の外に井戸があったよな。

「取り敢えず顔を洗うよ、ご飯は先に食べてていいから」

アンは少し考える顔をして返事を返す。

「ウン ワカッタ マッテル??」

そう言うと部屋から出ていった。

もしかしてわからない言葉があったのかな、まあ顔洗うか。

昼ご飯を食べ終えるとアンはロンと少し話をして、勇に「マタネ」といい何処かに行った、その後ロンが勇に話しかける。

「ヨクネレテ ヨカッタ コレカラ ユウニ コチラノ コトバヲ オシエル ソレト ユウニハマダ ハヤイトオモウガ コレヲ」

ロンは勇に一本の剣を渡す。

「コノケンハ ワガクニノオウガ ヨゲンノコ モトイユウニムケテ ツクラセタ ケンダ マダユウハ センタクノトチュウダト オモウガ ヒトマズウケトッテクレ」

それを聞いた勇は頷き受け取る。

「デハ ベンキョウヲ ハジメヨウ」

その日はこの世界の言葉と今いる大陸に関することを学んだ、言葉は赤ちゃんに教えるレベルのものだったがなかなか難しかった、大陸に関することは今の俺にはさっぱりだった。

そして時が流れ5日後。

今日はこの村の中央付近にある図書館で勉強をすることになった、図書館までの道は勇がロンに無茶を言って一人で行くことになった。

村の中央付近って結構遠いんだな、あと何か久しぶりに外に出た気がするな、最近は家にこもってばかりだったから気持ちいな…、この村って結構デカいんだな、それにほとんどの家はデカい木に螺旋状に建ってるんだな、ロンさんの家は普通に地面に建ってるけど、もしもあそこにある家に住むことになったら結構怖いよな。

勇が村を見ながら歩いていると、中央付近に到着する。

結構歩いたけどそろそろ目的地に着くと思うんだけど、あの建物がロンさんが言ってた図書館かな。

勇は図書館と思われるデカい建造物に入る、中は広々としておりどこか学校のような雰囲気を醸し出している。

いきなり分かれ道か…三択だけど、どこの道が図書館に繋がるのか、取り敢えずまっすぐ進むか、もしも違ったら引き返せばいいし、確か図書館の近くに文字が書いてあるとか。

しばらく勇は建物の内を歩く。

やべぇ迷った、ここの建物思ってた以上に入り組んでるし広い、人に聞こうにもまず居ないし居たとしても赤ちゃんレベルの言葉だと無理だよな。

勇が建物内を迷いながらさらに歩いていると開けた場所に出る。

外に出たか?、いや広場みたいなとこかな?、誰かいるな…剣の稽古をしているのかな?、話しかけたいけど話しかけれる雰囲気じゃないよな、ひとまず遠目から見とくか、しばらく経って話しかけれる雰囲気じゃなかったら諦めるか。

しばらく勇が男を見ていると、剣を振っている男が勇に向かって声を上げる。

『お前いつまで俺を見ているつもりだ、さっさと消え…お前もしかして…』

男は勇に向けて話すが勇には理解できなかった、男は勇に近づき、続けて男が話す。

『やっぱり…お前例の予言の子かよ、その感じ言葉が理解できてないみたいだな、それで弱かったら魔獣の餌ぐらいにしか役に立たなそうだハハハハ』

こいつ何か腹立つな、てか暴言吐いてなかったか…まあ話通じなそうだし図書館探すか。

勇がその場を立ち去ろうとすると、男が勇に目掛けて木剣を投げる、投げられた木剣は勇の背中に当たり地面に落ちる。

『予言の子拾え、お前の力を見せろ、まあ俺には勝てないとは思うが』

こいつ闘えって言ってんのか、どうするか…まあ軽い手合わせ的なもんだと思うし問題ないか、そうじゃなくても闘えばすぐ俺が素人ってわかると思うし大丈夫だろう。

勇は木剣を拾い雑な構えを取る、男は疑う顔を見せ守りを固め、しばらく沈黙が続いた後に男が踏み込み勇に斬りかかる、勇は木剣で攻撃を受けるが男の一撃が重く後ろに少しのけぞる、男はそれを見て連撃を浴びせる勇はその全てを受け切るが体制を崩す、男は一度後ろに下がり勇に向けて話す。

『なかなかやるじゃないか…だが技がない、予言の子、攻撃を防ぐだけで攻撃はできないのか?』

男そう言うと勇に挑発的なジェスチャーをする。

こいつの攻撃速いし重いし…、まぁなんとか動きは見えるから耐えれたけど、つかめちゃ挑発されてるし来いってか?、よし…やられっぱなしじゃ嫌だし、いっちょやるか。

勇は体制を整え雑な構えを取る、一息つき強く踏み込み男との距離を詰め渾身の一撃を放つ、男はその一撃に驚いた顔をしたがすぐに冷静さを取り戻しその一撃を木剣でいなす、勇は攻撃をいなされた事により大きく体制を崩す、体制を大きく崩した、勇に向かって男は深い一撃を勇の首に打ち込む、あたりに鈍い音が響き渡り、勇は後方に吹き飛ぶ。

イッッッタ!!首取れたかと思った…あいつ多分本気で打ち込みやがった、本気で殺す気かよ、やべぇ…口の中めちゃ血の味がするんだけど。

勇が痛みに悶えていると男が喋る。

『身体能力はやはり高いようだが芸が無い、お前は魔獣の餌とまでは行かないが囮ぐらいの働きしかできないな』

こいつまた暴言を吐いたような気がする、殆ど何を言っているか分からないが一部はわかる。

男は再び構えをとり勇に攻撃を行うために踏み込みを強くする、それに気づいた勇は落とした木剣を拾い守りを固めたその時、広場に少女の声が響く。

『グオン!!ユウに何したの?、今すぐ闘いをやめて』

声の主はアンだった、男はアンに喋りかけるがアンはそれらを全て無視しユウのそばに行き話しかける。

「ユウ イマナオスカラ スコシ オトナシク オネガイ」

それを聞いた勇は大人しく治療を受ける、アンは勇の体に手を当て言葉を発する。

『我が魔力よ肝心たる君を癒やし平凡たる想々を紡ぎたまえ 癒しの手〈ハンドヒーリング〉』

アンが詠唱を終えるとアンの手がほのかに光、次第に勇の首の痛みが引いていく、それどころか先の戦闘で負った体の痛みや違和感が全てなくなった。

すげーこれが魔法?か、痛みが全てなくなったんだけど。

勇がアンにお礼を言うために喋ろうとすると、勇は口から血を吐き出す、それを見たアンは男をにらみ声を上げる。

『グオンまさか本気で打ち込んだの、どこに打ち込んだか知らないけど、回復した後に血を吐き出すって事はかなりの怪我をしてたってことだよ』

男は先程とは違いかなり動揺している、それ故か言葉が詰まりうまく言葉が返せない、勇が喋れる様になりアンに向けて話す。

「アンありがとう、その人をあまり攻め立てないであげて、俺も少し悪かったから」

勇がそう言うとアンは疑う顔しながら返事をする。

「キット ユウ ワルクナイ ケド ヒトマズ ココ ハナレヨウ ユウ アルケル?」

勇は頷きアンと共に広場から離れようとしたとき男が声を上げる。

『アンそいつなんてほっとけ』

アンは無視して行こうとするが男が近づいてくるのを見て言葉を返す。

『グオン、あなたが行ったことはゲムマの戦士として失格な事だと思うよ、それにロンさんが長様と約束した邪魔になるんじゃない、それらが違ってもグオン最低だよ』

アンが喋り終えると男は立ち止まり微動だにしなくなった、そして今度こそ広場から離れる。

「ユウ ナンデ アンナトコ イタノ?」

そうだ闘うのに夢中で忘れてた、ロンさんと図書館で待ち合わせをしてたの…、てか図書館の場所あいつに聞こうとしてたんだよな…アンなら知ってるかな。

「ロンさんと図書館で待ち合わせをしてたんだけど、図書館の場所が分からなくて歩いてたら、あの広場に出たんだよね、アン図書館の場所知ってる?」

アンは勇の話を聞き返事をする。

「トショカンハ コノタテモノ ハイッテ ミギガワニ アル ワタシ アンナイ スル」

勇はアンにお礼をいい、案内してもらうことにした。

「ここって結構広い場所だけど、どういう場所なのあとあの男の人って誰?、もしかしてアンの知り合い?」

アンがそれに答える。

「ココ マナブバショ グオンハ ワタシ マモッテル」

あいつグオンって言うのか、アンを守ってるって事はもしかして俺と一緒にいることが駄目なんじゃないのか...まあ流石にないか、学ぶ場所って何を学ぶんだろう。

勇はアンの案内で図書館に到着する、図書館に入る前にアンが勇に尋ねる。

「ワタシモ イッショニ イイ?」

勇は了承をしてアンと共に図書館入る、図書館の中は広く何人か人がいた。

取り敢えずロンさんを探さなくちゃな、てかここ広いな探すの結構手間がかかりそうだな。

勇がそんな風に考えていると、一人の男性が声をかけてくる。

「ユウ マッテタ 『アンが案内してくれたの?』」

声の主はロンだった、勇がロンに挨拶をして、アンがロンの質問に答える。

『そうだよ、ユウこの建物までは来れてたけど建物内で迷ってて、迷った先で稽古場に行っちゃて、グオンにやられてた、魔術で治したけど少し安静にした方がいいと思う…血吐いてたから』

アンの言葉を聞いたロンは少し怖い顔でユウに話す。

「ドコカ イタムトコハナイカ 」

どこか痛む?、あぁ俺がグオンって奴にボコられたことをアンに聞いたのかな。

「大丈夫だよ、アンが治してくれたし、けど何か血が出たのはびっくりしたけど」

勇がそう言うとロンはさらに顔が怖くなる、それに気づいたアンがロンに話しかける。

『ロンさんそんな怖い顔してたらユウが怖がっちゃうよ、それよりユウに言葉教えるんですよね、私も手伝わせてください、図書館って広いし本がどこにあるかわかりにくいし、十年通い詰めたこの私なら、すぐに見つけれますよ、もしかしてロンさん私の魔術を疑ってますか、確かに半人前ですけど...』

アンの話を聞いたロンはいつもの顔に戻り、少し笑みを浮かべ、アンに返事をする。

『いや君の魔術は疑ってないよ、ユウを治してくれてありがとう、それとユウの勉強の手伝いを頼むよ』

続けてロンが勇に話しかける。

「スマナイ トリミダシテシマッタ サア ベンキョウヲ シヨウ」

勇は返事をして机に向かう。

今日の勉強は喋る言葉よりも書く言葉の多くを学んだ。

外は暗くなり部屋の中は魔力の光で照らされている、ロンが二人に向けて喋る。

「キョウハ ココマデ カナリオソクマデ ヤッタケド ヨクガンバッタ コノアト イエニカエッタラ イツモヨリ イイショクジニ シヨウ アンキミモ イッショニタベルカイ?」

勇はロンの言葉を聞き喜ぶ、アンがロンの質問に答える。

『お誘いありがとうございます、でも今日はやめときます、まだ引き継ぎが終わってないので』

アンの言葉を聞きロンは少し悲しそうな顔をして言葉を返す。

『そうかまたいつでも家に来てくれて構わないからなね、もしも何かあったら頼ってくれよ、ではまた』

ロンが喋り終えると席を立ち出口に向かう、勇もそれを見て立ち上がりアンに「またね」と言う、アンも「マタネ」といい軽く手を振る、建物の外に出ると月明かりが照らし少し周りを見ることができるが歩くには危険がある、ロンが家に掛けていたランタンよりも小さい物を取り出し石のようなものを当て、取り出したランタンを照らし歩きだす、勇もロンの後ろに続く。

ロンさんは石っぽい物を使ってつけるんだな、てかアンは一人で帰るのかな、いやグオンが送るのかな。

「あのロンさん、アンを一人にしてよかったんですか、一緒に帰ったほうがいいような」

ロンが答える。

「アンハ アノバショニ スンデル」

アンってあんなデカい建物に住んでたんだ、通りで案内がスムーズだったのか、もしかしてアンっていいとこの子供だったりするのかな、グオンって奴が守ってるって言ってたし。

勇がその様なことを考えていると自宅に着く、二人は家に入り、食事の準備をしていつもより豪華なご飯を堪能した、食事を終えて片付けを終えるとロンが先程とは違う真剣な顔で勇に話しかける。

「ユウガモシモヨカッタラ アシタカラ ケンノケイコヲ オシエタイ コレハ ユウガ ジシンヲ マモレルヨウニ」

剣を教える...確かに今日みたいに闘う事になった場合自分を守る力は欲しいよな、それにこの先俺は戦う可能性の方が高いし、覚えるんだったら出来るだけ早いほうが良いよな。

「ぜひお願いします、やられっぱなしじゃ何か嫌だし、もちろん自衛って事は理解してます」

ロンは少し複雑そうな顔をするが少し笑い、話を続ける。

「ソウダナ デハ ケイコハ アサニ オコナウコトニ シヨウ」

勇は頷きしばらく話しが続く。

話しが終わり勇は自身の部屋に行きベットに寝転び目をつむり深い眠りについていく。


翌日になり家の庭で剣の稽古をしようとしていた。

「シバラクハ スコシ カルイケイコニハ ナルケド ガンバロウ アトワタシハ ヒトニケンヲ オシエタコトガ ナイカラ ヘンカモシレナイ」

多分昨日の傷を心配して軽めだと思うんだけど、全然平気なんだよな、昨日何回も大丈夫とは言ったんだけど、あとロンさんって剣を教えるの初めてなのか、まあロンさん言葉とか教えるの上手いし大丈夫だと思うけど。

そうして剣の稽古が始まるが勇は違和感を感じる。

まってロンさんめちゃくちゃ剣を教えるの下手なんだけど、めちゃくちゃ感覚的に教えてくるんだけど、まさかロンさん天才肌的な感じなのか...この先大変になりそうな。

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