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13話 真名

あいつ分裂してダメージを抑えたのか…、人が死んだ…多くの人が…、今はあいつに集中しろ勇…、じゃないと死ぬぞ。

人の形をした何かは触手を複数生やしながら話し始める。

「お前のせいで喰いたくないもんまで喰うハメになった…、ハハハだが良いな…、人間はハハハ、気持ちが高揚するハハハ」

人の形をした何かはあざ笑いながら勇に向けてあらゆる場所から触手で攻撃を仕掛ける、勇は歯を強く噛み締め力いっぱいに触手を斬っていき触手の攻撃が緩んだタイミングで勇は人の形をした何かとの距離を詰め左手を前に出し「拡散しろ」と呟くと勇の目の前が一瞬とてつもない光が発生する、それを浴びた人の形をした何かの体の表面の一部が崩壊する、人の形をした何かはすぐさま腕で反撃をするが、勇は既に正面にはおらず背後に回っており、人の形をした何かは背中を深く斬りつけられる、人の形をした何かは素早く振り向き攻撃をするが勇は間合いから出ており攻撃を外す、勇は左手を前に出し再び「拡散しろ」と呟く、先ほどと同じ様に勇の目の前が一瞬とてつもない光が発生する、勇は人の形をした何かに向かって跳び首と思われる場所めがけて剣を振るうが、斬られる前に人の形をした何かは顔を人の顔に変え「勇者助けて」と言う、それによって勇の攻撃が一瞬止まり、勇はとてつもない勢いで人の形をした何かに殴り飛ばされる、凄まじい勢いで後方に飛び、木にぶつかるが吹き飛ばされた勢いが落ちることはなく、木々をなぎ倒しながら緩やかに減速していき、勇は地面を大きく転がる、人の形をした何かは大きな声で勇に向けて話す。

「ハハハ…お前バカだな、そんなんでよく死なずにいられたなハハハ、気分が良い…お前を殺したらこの辺りにいる人間すべてを喰うかハハハ」

痛い…多分骨が折れてるな…、あんなんに引っかかるとは…情けない、取り敢えず早く起き上がらないと。

勇は踏ん張りながら立ち上がろうとすると、頭痛 吐き気 耳鳴りに襲われ、再び倒れる。

やばい…この感じ攻撃されて起きたやつじゃないな…、魔力か…体内魔力を使いすぎた…、ふぅ次第に収まってきたけどまずいな、いまのは体の警告だ後2…3回魔術を使ったら本格的に襲われるな…、今は逃げるか、この状態で戦うには危険すぎる。

人の形をした何かはドスドスと足音を鳴らしながら勇に近づいていき崩壊した皮膚をエグリ捨てながら話す。

「勇者何だその顔はハハハ、今にも死にそうな顔だな」

エグリ捨てた場所の皮膚が再生していき治る、人の形をした何かはゲスな顔をして続けて話す。

「そう言えばお前…、私がさっき喰った人間どもを助けるために来たんだよな…ハハハ、お前誰も守れてないな、決めたお前は最後に殺す、この辺りにいる人間をお前の目の前で喰ってハハハ、その顔をさらに崩してやるよハハハ」

それを聞いた勇は地面を左手で殴り、力いっぱいに叫びながら立ち上がっていく。

本当に情けない、何を逃げようとしてるんだ、骨が折れた程度で体調が悪くなった程度で、あいつをここで殺らないと多くの人が死ぬ…、怒りが湧く人を殺してあんなに楽しそうにしているあいつに…、いやこの怒りはそれだけじゃない、まだ助けれる命があるのに逃げようとした自分にも虫酸が走る、あいつはまだ気づいてないけどさっきの自動車に乗ってた人達が二人生きてる…、もうリスクを恐れない…、あいつを絶対に殺す。

勇は力いっぱいに立ち上がり、構えを取りすぐさま人の形をした何かとの距離を詰める、人の形をした何かはすぐに触手で進行を阻むが、勇はヤケクソに距離を詰め数回斬りつける、人の形をした何かは勇が後ろに下がるのを読んで攻撃をするが、勇はさらに距離を詰め複数回斬り距離を取る。

切り傷がすぐに治る…、やっぱり俺の魔術がないと攻め手にかける、どうする剣だけじゃこいつを殺す事は不可能だ、これ以上魔術を使ったら立つこともできなくなる、魔術は最後の手段に取っときたい、いやそんな余裕もない…どうする勇…ん?、宝物庫で出たこの剣の光…多分だけど俺が使う魔術と同じ効果を持ってると思う…思いたい、今はこの剣にかけるか…だけどどうやってこの剣の力を使うんだ、そうだ名前だ…あの記憶で言っていた。

勇は「ルミナス」と力強く言葉を放つが何も起きなかった、その言葉を聞いた人の形をした何かは動きを止める「その名をどこで」と言葉をこぼす、勇は続けて「聖剣ルミナス」とさらに力強く言葉を放つがまたしても何も起きない、その言葉を聞いた人の形をした何かは「女神の方」と小さく呟き、勇との距離を詰める、勇は距離を離すと軽い頭痛に襲われる。

イタ…こんな時に魔力結構使ったか…いやこの感じ何か違う…誰かが。

次に勇は耳鳴りに襲われすぐに治る、そして勇の耳元でとても小さな女性の声が何度か聞こえる、少しずつ女性の声が大きくなっていき、勇は言葉を聞き取る「ルーメン」そう勇が呟くと剣の剣身が少し光る、勇は再度強く言葉を放つ「ルーメン…俺に力を貸してくれ!!」そのように言うと辺りが光で満たされ、光が収まると剣の剣身が強い光で覆われていた、光を見た人の形をした何かは怯えた声で話す。

「その光はお前が使っていた…、何だよ…まだ使えんのかよ」

この瞬間を逃すな…、この光がいつ消えるかわからない…また同じようにルーメンの力を使えるとも限らない、今この瞬間に俺のすべてを出して…こいつを絶対に殺す。

勇は構えを取ることもせずに人の形をした何かに近づいていく、人の形をした何かはそれに少し怯えたように触手を使い進行を妨害するが、それらすべてを斬られ間合いに入られる、勇は力いっぱいに人の形をした何かの腹を横に斬り裂き自身の左手を開いた腹に突っ込み「放出しろ」そう呟くと、人の形をした何かの体の中が光 苦しみだす、人の形をした何かは勇を振り払おうと手を伸ばすと、勇は続けて「弾けろ!!」そう強く言い左手を抜き少し後ろに下がる、勇が後ろに下がった瞬間、人の形をした何かの腹が大きく裂け、苦痛に満ちた声が辺りに響く、勇は地面を強く蹴り、再度距離を詰め首の切断を狙う、それに気づいた人の形をした何かは顔の形を人の顔に変える、それを見た勇はさらに力を強め、人の形をした何かが「たす…」と言う前に首を切断する、勇はそのまま地面に転げすぐに立ち上がろうとすると、とてつもない頭痛と吐き気そして耳鳴りに襲われ倒れる、息は乱れ視界も次第にぼやけていき指先足先の感覚もなくなっていく。

あぁやばいな…、意識をしっかりもて勇…、あいつを殺せたのか…手応えはあった…けど確信を持ちたい…、目を見開け…勇…、体が消えていってる周りにさっきみたいな肉の塊もない…、もういいよな。

勇は薄れゆく意識の中遠くから誰かに呼びかけられながら眠りにつく。

…………………

少女は青い血で体を濡らし、左手に持っているルーメンを背中に背負っている鞘に器用にしまう、そして座り込んでいる白髪で赤い瞳の少年に左手を差し出し話す。

「もう大丈夫…魔物はもういないから、君魔人族でしょ?、何でティオネルの森まで来たの?」

少年は手を取り立ち上がり答える。

「ありがとう…逃げて来たんだ…悪い人達から」

少女は言葉を返す。

「行くあてはある?、ないならいい場所があるよ、悪い人達も来ない素敵な場所が」

少年は少し明るい顔になり「行きたい」と言う、少女は頷き話す。

「うん…じゃ行こう、見失わないでね」


誰かの記憶は次第に薄れて行く…、これで3回目だ…今回のはなんてこともない記憶…、だけど初めて人の顔が鮮明に見えていた、あの白髪の赤い瞳の少年だけが…鮮明に。

…………………

勇が眠りから覚めると一人の男性と少年が話していた。

「勇者様大丈夫かな…、目を覚ますよね…おじさん」

男性が答える。

「あぁ覚ますさ、勇者様は特別な人だから…、きっとルミナス様も見捨てたりはしない、だからオーミス安心して勇者様を待とう」

ここは…あぁあいつを倒した場所か、少し手当をされてるな、この二人がしてくれたのかな?、てかみんなは大丈夫か?!、あいつとの戦いで忘れてたけど魔獣結構いたよな、早くいかないと。

勇は立ち上がろうとすると体全体に痛みが走り、それどころか体が言うことを聞かない、痛みで勇は小さく声を上げそれを聞いた二人が勇を見る、そして男性が話す。

「あぁ…勇者様、ありがとうございます、命を助けていただいて」

男性はそう言い勇に向けて深々と頭を下げる。

この人左足が…、結局二人しか救えなかった…、俺がもっと力を使いこなせていれば…。

「感謝なんて…、いやこちらこそ手当をしてくれてありがとう」

そう言うと男性は顔を伏せ横に振る、少年が勇に近づき感謝の言葉を言う、勇は笑顔を少年に向ける、遠くからグオンの声が聞こえる、3人は声を上げグオンにいる場所を伝える、グオンが3人がいる場所に来ると勇に向かって話す。

「シンドウ探したぞ…何で寝転んでるんだ?」

こいつ…いや今回は俺が招いた結果?、いや見てわかるだろ、まぁグオンがここに来たって事は魔獣の方はもう大丈夫そうだな。

勇は人の形をした何かの死体を指し答える。

「あいつと戦ってたんだよ、多分あいつ魔物?だと思うんだけど…、まぁあれに攻撃されて重症になったんだよ」

グオンはため息をつきながら勇にさらに近づき話す。

「ちょっと前にここらで何回か光ってたがお前か?、あとシンドウお前が魔物を倒したんだな?」

勇は頷き、それを見たグオンは再度ため息つく、グオンは腰の後ろにあるカバンから赤い液体が入った瓶を取り出し話す。

「シンドウどこをやられた?、顔ではないよな…腹か?」

勇は「胴体」と言うとグオンは瓶の蓋を開け、勇のみぞおち付近に液体をかける。

これ貰った…えーと、回復のポーションだよな…名前忘れたけど、めちゃくちゃ高価で全然数なかったよな、効力は確か微妙だっけ…。

「これ回復のポーションだろ、いいの俺に使って?」

グオンは目を細め答える。

「回復のポーション??…お前に使いたくなかったが、なるべく早く回復してもらわないと困るからな」

グオンお前…そういうとこだぞ、まぁこんなこと言ってるけどこいつなりの優しさなんだろうな…。

勇はグオンの肩を借りてみんながいる場所に歩いて行った、戻ると魔獣の死体がいくつも転がっており、人も何人か死んでいた、勇はそれを見て立ち止まり少しの間目をつむり、しばらくしてから再び歩き出す、アンのいる場所には多くの人がおりそのほとんどの人達は治療の順番を待っていた、勇は一番後ろに座り体を休める、しばらく経ち勇がウトウトしているとティラスが勇の隣に座り話す。

「ユウさん無事…大丈夫でしたか?、かなり怪我をしてますけど…」

勇はティラスの方を向き返事をする。

「あぁ…大丈夫だよ、ティラスこそ無事で良かった」

勇は大きなあくびをして続けて話す。

「日が落ちてきてるな…、なぁティラス…死んだ人達って傭兵の人達だよな…、俺が一人で追いか…」

勇が話している途中でティラスが話す。

「ユウさん、あなたのせいであの人達が死んだ…、そんなんじゃないですよ、ここにいる人達全員は自分ができる事をした…、あなたは一人魔物に立ち向かい勝利した」

自分ができる事をした…か、ティラス励ましてくれてるのか…、ん?ティラスは何で俺が魔物と戦ってたと思ってるんだ?。

勇が少し驚いた顔をしているとティラスは続けて話す。

「ここにいる人ほとんどが魔物がいたのはわかっています、魔獣が群れることはないですし、あの数になるとありえません…、グオンさん奮闘してましたよ、シンドウの助けはいらないとか言って」

勇は笑顔を見せティラスに「ありがとう」と言う、ティラスも笑顔を見せ「こちらこそ」と言葉を返す、そうして二人は他愛も無い話をしていると。

「ユーウー!!、何その怪我は、無茶したでしょ、まぁ生きてて良かった」

その様にアンが少し怒ったように話す。

「ごめんアン…、ちょっと無茶した…、アンが無事で良かった」

アンは耳を赤くしながら話す。

「うぅ…ずるい…、ユウ怪我治すからじっとしててね」

勇は頷きアンに治療をしてもらう。


3日経ち勇達はベルンス国に到着する、勇達は城門の前で降り、クリリストンが勇に近づき話す。

「勇者様方ありがとうごいました、貴方方がいなければ私達はきっと死んで食われていました…、本当にありがとうございます」

勇が言葉を返す。

「いえこちらこそクリリストンさん、乗せてくれたお陰で早く着けたので、本当にありがとうございます」

クリリストンが勇を少し見つめた後に話す。

「勇者様ベルンス国に入るには、通貨がいるので気おつけてください、一人あたり2Goなので、またいつか会いましょう…では」

クリリストンはそう言い立ち去る。

この国は入るのに金取るのか…まぁ普通か、一人あたり2Goとか言ってくるって事はそれ以外を要求してくる場合があるってことかな…気をつけよ。

勇達を少し警戒しながら城門に行き、門番に通行料を払う、何事もなく通ることができ、町中に入る。

いやすんなり入れたな、変に警戒して損したような、ベルンス国の中は…まぁ発展してるよな、んーノウム大王国を先に見てるから麻痺してるな、まぁ早く宿を見つけないとな、ティラスなら普通に知ってそうだな…案内役だし。

「ティラスこの国には来たことあるんだよね?、いい宿とか知ってる?」

ティラスは頷き答える。

「いい宿ではないですけど知っています、3軒あるんですけど見て回りますか?」

3軒あるのか…、みんなで見て回るのもあれだし、俺とティラスだけで見て回るか?、まぁアンとグオンが行きたいならいいけど。

「じゃあティラス案内よろしく、アンとグオンはどうする?、一緒にくる?」

アンは首を横に振り「この国を見て回りたい」と言い、グオンは「俺はアン様と行動する」と言う、それを聞いた勇は返事をする。

「わかった、じゃあまたここで落ち合お」

そして勇はアンとグオンと分かれる、少し歩き1つ目の宿に着き、ティラスが話す。

「ここが一番安くて汚い宿です、正直僕はここには一番泊まりたくないです…、ベッドが…その」

確かに汚いのは嫌だな…、一番か…ん?、じゃあ何で案内したんだろ?、安いからかな?。

「まぁ汚いのは嫌だよな、二人も多分嫌がると思うし、違う宿にしよ、お金ならある程度あるし」

ティラスは嬉しそうな顔を見せ歩きだす、また少し歩き2つ目の宿に着き、ティラスが話す。

「この宿は…やっぱりこの宿はやめましょう、次行ってもいいですか?」

あれ?紹介がなかったな、外見はめちゃくちゃ綺麗で良さそうだけど駄目なのかな?。

「別に行ってもいいけど、この宿少し気になるな〜…」

ティラスは渋々答える。

「この宿は中も綺麗でいいんですけど、窃盗が多いんです、以前この宿に泊まったときに部屋に知らない人が入ってきてその…排便していったんです…」

排便していった???、この宿は泊まらないほうが絶対いい気がする。

「ティラスごめん、次行こ」

ティラスは頷き最後の宿に向う、また少し歩き酒場に着き、ティラスが話す。

「多分ここがこの国で一番いい宿です…、下が酒場になっているので少し騒がしいですけど、部屋は綺麗ですし、安全性もあります」

まぁここしかないからな、あの2軒の宿よりかは…まぁ。

「宿泊の手続きは酒場の人がやってるの?、俺こういうのに慣れてなくて」

ティラスが答える。

「確か酒場の店主さんが受付もしていました、ユウさん僕がしましょうか?」

勇が扉を開けながら「いやチャレンジしてみるよ」と言い、酒場に入る。

人いないな…まぁ昼だからな、いたほうが少し怖いような…いや数人いるな。

勇とティラスはカウンターまで歩き、勇が店主に話しかける。

「宿を借りたいんですけど、四人部屋ってありますか?」

店主は眠そうに答える。

「あぁ宿泊か…、すまないがここには四人部屋はないんだ、二人部屋と一人部屋しかなくてな」

んー…どうしよ、二人部屋を2つ借りるのが良さそうだけど…、アンと3人の中から誰が一緒の部屋になるのはまずいような…、よし二人部屋と一人部屋を借りよう、なるべく近い部屋で。

「じゃあ二人部屋と一人部屋を一部屋ずつでお願いします、なるべく近い部屋で」

店主はあくびをしながら返事をする。

「あいよ…だが先払いだからな、何泊するんだ?…あぁそうだ飯はついてこないからな、文句言うなよ」

勇が答える。

「5泊でお願いします、文句は言いませんよ」

店主は勇に宿泊費を伝え、勇は言われた通りの金額を店主に渡すと、カウンターの右側に座っている女性がティラスに話しかける。

「リヨスじゃない、あんたがここにいるって事はやっぱりあの話は嘘だったね、だけどいい身なりね、拾ってもらったの?」

ティラスは驚いた顔をして「メレニカ姉さま…」と呟き、少し目をつむり本来の顔に戻り返事をする。

「国王陛下が言っていたことは決して嘘ではありませんでした、僕は今ノウム兵士としてこの場所にいます」

ん?なんだティラスの知り合い?、何か姉さまって聞こえたような、まぁ店主に部屋の鍵貰ったし、少し見てよ。

メレニカは興味がなさそうに返事を返す、ティラスは続けて話す。

「それよりリカウス兄さまとは一緒じゃないんですか?、それにメレニカ姉さまはなぜ酒場にいるんですか?」

メレニカは鼻で笑い答える。

「兄さまは知らないわよ、この国に来てすぐに消えたわよ、きっと魔獣の餌にでもなってるんじゃない?、あとティラス何そのくだらない質問?、抱かれた金で一晩中飲んでただけだけど?」

それを聞いたティラスは少し悲しそうな顔を見せ、バックから小さな袋を取り出し、小さな袋から数十枚お金を取り出し、メレニカの目の前に置き話す。

「これで少しはいいものを食べてください…メレニカ姉さま、僕はもう行きますね」

メレニカはティラスの方を向き、笑みを浮かべ小さく手を振る、勇とティラスは二人部屋に向かい、部屋に入る。

おぉ…想像してたより綺麗だな…、ティラス暗い顔になってるな、何か家族関係の話っぽいけど…国王陛下とか言ってたしなんか、すごそうだな…。

勇がティラスを見ているとティラスが話す。

「気になりますよね…ユウさん…、この事はあまり言いたくないんですけど…言うべきですよね…」

勇は笑顔を見せ答える。

「まぁ気になるけどいいよ言わなくて、ティラスは悪い奴じゃないし、言いたくないなら言わなくていいだろ」

ティラスは驚いた顔をして目を深くつむり首を横に振り「言わせてください」と言う、勇は頷き椅子に座る、ティラスも椅子に座り話す。

「僕はマッコーリカ家の次男として生まれました、ですがもうマッコーリカの姓は名乗っていません」

ん?話が見えないな、ただ今は違う姓を名乗ってるって言う話なのかな?。

ティラスが大きく息を吐き続けて話す。

「ユウさんは知らないと思うんですけど、マッコーリカの当主…僕の父さまは残虐な罪人なんです、5年前1つの村を滅ぼし虐殺した…、それによってマッコーリカ家は嫌われ虐げられる家系なんです」

んー…?、覚悟して聞いたけどただティラスの親父さんが最低ってだけだな…、まぁマッコーリカの姓を名乗ってたらめんどくさいってことだよな??。

「けどティラスとはもう関係ないんだろ?、違う姓を名乗ってるし…、なんか覚悟決めた顔してたからちょっと気合い入れちゃたよ」

ティラスは深く目をつむり笑顔を見せ話す。

「えぇ…そうですね、もう僕には関係ないこと、うん…そうです、すみませんユウさん」

勇は頷き話す。

「じゃあ二人を向かいに行こ、もういるかはわかんないけど」

勇がそう言うとティラスは返事を返し立ち上がる、勇も立ち上がり二人は待ち合わせの場所に向かった。

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