表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
No Name's Dynasty  作者: 大道福丸
第二部
59/163

改良

「よっと」

 ジョーダンはネニュファールから飛び降りると、改めて地面に突っ伏すカンシチを観察した。

「ご機嫌いかが……って、最悪に決まってるよね」

「あぁ、ご覧の有り様だ……」

 カンシチの状態を確認し終えると、次は辺りを見回す。

「確かにこっぴどくやられたみたいだね……セイも」

 声をかけられたセイは不甲斐なさから「ふん!」と、そっぽを向いた。その懐かしい仕草に思わずジョーダンは苦笑する。

「相変わらずだね。半年前と変わってなくて安心するよ」

「言ってる場合か……!つーか、お前、なんでここに……?」

「灑と慇の国境付近がなんだかきな臭いことになってるって、風の噂で聞いてね。輪牟の村から急いで飛んできたってわけだ。まさかキミ達と再会できるとは思っていなかったけど」

「そうか……輪牟の村から……って、お前輪牟の村に!?痛ッ!?」

 故郷の名前を聞いて、反射的に身体を起こそうとしたが、矢傷がそれを許してくれなかった。

「安静にしてなよ」

「……てめえがおれの故郷の名前なんか出すから……!どこにいるのかと思っていたら、まさか輪牟かよ……」

「あそこは何もないからね」

「バカにしてんのか……!?」

「褒めてるんだよ。だからこそ集中でき……」

「再会の挨拶はそろそろやめてもらえないかな」

 突然の乱入者に黙って様子を伺っていた呉禁だったが、長々と下らない話をするジョーダンにさすがに痺れを切らし、抗議の声をあげた。

 ジョーダンはその声に応じ、呉禁と水晶孔雀の軍団の方を向き直す。

「悪い悪い。久しぶりの旧友との再会で盛り上がっちゃって」

「その旧友をひどい目に合わせたのは私達だ。まずはこの呉禁と水晶孔雀をどうにかしようとするのが、友情なのではないか?」

「それは……そうかもね」

 ジョーダンは見たこともない骸装機と弓をまじまじと観察した。

「……いいマシンだ。それにその弓、無影覇光弓か?だったらカンシチとセイがやられるのも頷ける」

「自称天才様にお褒めいただいて至極光栄だよ」

「自称はいらないよ。あと確かにいいマシンだけど……」

 ジョーダンは再びチラリとセイを見た。

 セイは彼の言いたいことがわかったようで、情けなさから顔を伏せた。その態度からジョーダンも彼の苦悩を察する。

「そうか……ならば何も言うまい」

「何の話だ?」

「こっちの話だ。ナイーブな問題なんでずかずかと入って来ないでくれるかい?」

「それは失礼。で、天才様がわざわざ私達の戦いに割って入って来たのは、友の窮地に身体が勝手に動いてしまったからかな?それとも天才らしくこの状況を打破する策があるのかな?」

 挑発的な呉禁の質問を受け、ジョーダンはニヤリと不敵に口角を上げる。

「もちろん、後者さ。その水晶孔雀とやらは素晴らしいマシンだがボクの敵じゃない」

「……どうやら戦力差を把握できないただのバカだったみたいだね……!水晶孔雀の力、見せて上げなさい」

「「はっ!」」

 呉禁に命じられ、彼の後ろに控えていた四体の水晶孔雀が前に出た。ジョーダンは相変わらず涼しい顔をしているが、彼らの脅威を知っているカンシチは気が気じゃない。

「ジョーダン、さすがのお前でもあいつらをまとめて相手にするのは……」

「まぁ、半年前のボクだったら……応龍だったら、ちょっとキツかったかもね」

「お前、その言い方……」

「ふふん」

 ジョーダンは肩越しに見せつけるように、メガネをクイッと上に上げる。それは半年前とは若干形が変わっていた。

「そのメガネのデザイン……おしゃれのためじゃねぇよな……?」

「おしゃれも大事だけど、ボクの本業は骸装機開発者だからね。当然、弄ったのは性能の方さ」

 ジョーダンは改めて水晶孔雀の方を向き直すと、またまた笑みを浮かべた。まるで新しい玩具を買ってもらったばかりの無邪気な笑みを……。

「もったいぶるのもなんだし……お前も早く御披露目されたいだろ!応龍“弐式”!!」

 彼の呼びかけに応じ、メガネは光の粒子に姿を変える。その粒子が更に黄金の装甲になり、創造者の身体を覆っていった。

 金の装甲、枝分かれした二本の角、晴天の空のような青い二つの眼、特徴的な要素はそのままに、各部が大型化し、力強さを増した黄金の龍がここに再臨した。

「そいつが弐式……」

「壱式は対蚩尤のために一撃の威力、嵐龍砲特化って感じだったけど、弐式はあの内乱で得た教訓を下地に、総合的なバランスを見直した。元々ボクが理想としていた汎用性の高さの実現……ある意味、この弐式こそが真の応龍と言ってもいいかもね」

 ジョーダンの自信を体現するかのように、ギラギラと輝く黄金の装甲。その周りだけ一足早く朝が来たようだった。

「まぁ、口で説明するより、見てもらった方が早いかな。応龍バルカン!」

 腕の装甲が変形し、砲身を作る。それをこちらを睨み付けている水晶孔雀に向けると……。

「穴だらけになりな!」


ババババババババババババッ!!


 数え切れないほどの光の弾丸を発射する!水晶孔雀は目の前に突然星空が出現したのかと錯覚した。誰一人としてその星の雨に反応できていない……する必要ないのだけど。


チュンチュンチュンチュンチュン!!


「いっ!?」

 オートで絶対防御気光を展開し、応龍のせっかくの新装備御披露目を台無しにした。光の膜が光の弾丸を全て打ち消したのだ。

「マジか!?バルカンは中、遠距離の牽制用武器だからそれで倒せるとは思ってなかったけど、まさか絶対防御気光に全て無効化されるとは……出鼻挫かれるにも程がある!!」

 応龍はあちゃーと頭を抱えた。せっかくの手塩にかけたニューマシンの初陣、カッコよく決めたいと思うのが、親心というものだろう。

「残念だったな、データにない武装だったが、この水晶孔雀相手には無意味。その下品な金ぴかでは我らに……えっ!?」

 勝ち誇ったように語る21番の視界から黄金の龍が消えた。あれだけ目立って仕方ない応龍が一瞬で消えたのだ!

「一体どこに!?」

「ここだよ」

「!?」

 声はすぐ隣から聞こえた。そちらを向くと、先ほどまで前方にいた黄金の龍が堂々とした態度で立っている。

「くっ!?水晶戦――」

「弐式応龍槍」


 ガギィン!!


「――がっ!?」

 龍の手に召喚された槍は光の膜を貫き、それに守られていた黒と水晶の装甲を一撃で粉砕した。

「防御力には自信があったみたいだけど、完全適合に至ったボクと応龍にはガラス細工も同然だよ。さてと次は……」

 応龍は次に一番近くにいた22番に狙いをつける。

「ほいっと」

 視界捉えると同時に突きを放つ!しかし……。

「甘い!!」

 22番はぴょんと後方に跳び、槍を回避した……ように見えたが……。

「甘いのはキミの方だよ……伸びろ!槍よ!!」


ザシュ!!


「――なっ!?」

 突然、比喩ではなく物理的に槍が伸び、22番の腹部を貫いた。

「シュガの幻妖覇天剣を参考にさせてもらった。あれほど自由に大きさを変えられないが、キミみたいなお調子者の鼻っ柱をへし折るには、これで十分だ」

「キ、貴様……!!」

「そう睨まないでよ。そんなに怖い顔するなら……あっちに行って!」


ブゥン!ガァン!!


「がはっ!?」

 応龍は22番を串刺しにしたままの槍を壁にぶん投げ、張り付けにした。

「これで単純計算で戦力の四割が失われたわけだが……まだやるかい?」

「くっ!!」

 龍の挑発に呉禁は下唇を噛み締め悔しがった。

 しかし、曲がりなりにも部隊の長、心は荒れても頭は冷静だ。

「インファイトでは勝ち目がない!距離を取れ!孔雀戦光で仕留めるんだ!!」

「「はっ!!」」


ビビビビビビビビビビビビビッ!!


 24番と26番の水晶孔雀のパーツが緑色に変化するとそこから極細の緑色の光線が無数に放たれた。

「おっと」

 けれど応龍は軽々と回避したのだが……。

「ジョーダン!そいつは追尾してくるぞ!!」

「えっ?」

 カンシチの指摘通り、光の線は急激に角度を変え、黄金の龍の後を追った。

「蛇炎砲と同じか。これはまた……ちょうどいい!」

 応龍はまさかの急停止からのターン!迫り来るレーザーを向いて、仁王立ちになった。

「何やってんだ、ジョーダン!?逃げろ!!」

 カンシチは友人の不可解な行動に声を荒げた。気が狂ってしまったのかとさえ思った。

 けれども、もちろんジョーダンは正気だ。彼は多少マッドなところはあっても、優秀な科学者なのだ。

「ご安心を。こんなこともあろうかと……ゴールデンパウダー!」

 大型化した龍の肩の装甲の隙間からキラキラと金色の粒子が噴き出す。すると……。

「何!?」

「レーザーがターゲットを避けた!?」

 攻撃をした水晶孔雀が驚きのあまり声を上げる。緑の光は明後日の方向に飛んで行き、漆黒の夜空に線を描いた。

「蛇炎砲のようにこちらをホーミングする兵器のカウンターとして、このゴールデンパウダーを搭載した。原理は脳細胞が活性化していない凡愚のキミ達には理解できないだろうから割愛するけど、この粒子は機械に自分たちこそが応龍本体だと誤認させることができるんだ。正直、追尾能力持った攻撃兵器を持った敵なんて早々出会わないし、無駄だったかなと思っていたんだが……いやはや備えあれば憂い無しだね」

 今、言ったように自分でも使う機会がないと思っていた発明が日の目を浴びたせいか、ジョーダンはいつも以上に饒舌だ。それが端から見たら不愉快極まりないのは当然だろう。

「この!誘導が効かないなら、追尾機能を切って直接狙え!孔雀戦光と水晶戦弩で狙え!!」

「「はっ!!」」


ビビビビビビビビビビッ!!バシュッ!!


 気を取り直しての一斉砲撃!しかし……。

「無駄無駄。応龍には当たらないよ」

 金龍は軽快なステップで全て避けていく。

 だが、呉禁もそうなることはわかっていた。あくまでこれは隙を生み出すための布石なのだ。

 そして、その隙は思ったよりも早く生まれた。

「よっ!」

 応龍は高く跳び上がった。呉禁はこの瞬間を待っていた!

「今だ!空中なら避けられん!撃て!撃つんだ!!」


ビビビビビビビビビッ!!バシュッ!!


 空中で無防備な黄金の龍に、緑の光線と光の矢が襲いかかる!だけど……。

「やはり狙いはそれか。壱式だったら、それで正解だったんだけど……応龍翼!!」

 応龍はファンのついた翼を展開する。その翼からエネルギーが噴出し、空中を移動する。砲撃は全て回避され、虚空へと消えた。

「あいつ飛べるのか!?」

「その通り!……と言ってやりたいところだが、ちょっと空中で動ける程度だよ。せっかく翼がついているんだから、せめてこれ位はね。それに……」

「そ、それに……?」

「キミ達を倒すには、これで十分だ」


ガァン!ガァン!!


「がっ……」

「はっ!!?」

 応龍は水晶孔雀の下に急降下!そのまま立て続けに24番を膝蹴り、26番を肘鉄で撃破した。

「これで戦力は八割減……優秀な指揮官なら撤退するべきじゃない?」

「ぐっ!?」

 呉禁もその意見は正しいと思った……思ったが。

(これだけの……これだけの損害を出して、王瞑皇帝や四魔人が私を許すはずがない……!この場から逃げても、更なる地獄が待っているだけだ……!)

 目の前の応龍を凌駕する恐怖が呉禁の心を支配していた。そんな彼に撤退の選択肢はない。しかも彼にはまだ切り札が、すがれる存在があった。

(無影覇光弓なら、不可視の矢なら、まだ奴を倒せる可能性がある……!勝負は一瞬……弓使いの戦いは一瞬で決まる……!)

 呉禁の覚悟に呼応するように水晶が緑色に染まる。そして……。

「喰らえ!孔雀戦光!!」


ビビビビビビビビビビビビビッ!!


 既に完全攻略されたレーザーを撃ち出す。

「無駄な足掻きを。ゴールデンパウダー」

 再び放出された金色の粒子が、それを彼方へと彼方へと誘導する。しかしこれは無駄な足掻きではない……足掻くのはこれからだ!

「無影覇光弓!!」


バシュッ!バシュッ!バシュッ!!


 応龍がレーザーの対処をしている間に、呉禁孔雀は覇光弓を構え、後方にジャンプ!空中で透明な矢を三連射した!

「消える矢……だけど!」


ギィン!


 応龍は矢をあっさりと払い除ける。

「射線さえわかっていれば、ボクなら対処は可能だ」

 そう思わせるのが、呉禁の狙いだ。

(一射目は囮!本命は曲射で左右から襲いかかる二本だ!!)

 不可視の矢が挟み込むように応龍に迫る!

「ジョーダン!!まだだ!!」

 先ほど同じ手を喰らったカンシチが叫んだが、少し遅かった。矢が応龍に届くまでに間に合わない。

 けれど、それはおせっかい。今の応龍には、完全適合に至った彼には助けなど必要ない。


ゾクッ……


「――!!そこか!!」


ギィン!ギィン!!


「「なっ!?」」

 応龍は本命の矢もいとも簡単に手刀で撃ち落とす。あまりの衝撃的な出来事に敵同士であるカンシチと呉禁がハモって驚いた。

「狙いは悪くない。ボク以外だったら、今ので決まっていただろうね」

「な、なんで……!?」

「科学者としてこんなセリフを吐きたくないけど……よくわからない」

「へっ?」

「だからよくわからないんだよ。何故か応龍と完全適合すると、感知能力が上昇するんだよ。ものにもよるだろうけど宝術師や神遺物の攻撃はいつ発射されるのか、どういう軌道で向かってくるのか、手に取るように理解できる」

 イツキ・タイランやシュガ相手に片鱗を見せていたジョーダンの才能が完全適合の境地にたどり着いたことで開花していた。今の彼にとって、透明な矢など子供騙しにしか過ぎないのだ。

「つーか、無影覇光弓の力ってそんなちんけなものなのか?長い時間をかけて盛られた部分があるにしても、いくらなんでもショボすぎる。もしかしてだけどキミ、使いこなしてないんじゃないの?他のもっとふさわしい人に譲ったら?」

「な……」

 その一言が呉禁の心を、プライドを完全に破壊した。

「ふざけるな!!猛華一の弓使いである私以上に無影覇光弓の持ち主はいないんだよ!!!」


バシュ!バシュ!バシュ!バシュッ!!


 先ほどまでの繊細な弓捌きから打って変わって、ひたすら雑に矢を撃ち続ける呉禁孔雀!しかし……。

「だから当たらないって」

 応龍はまるでダンスを踊っているように、ひらりひらりと不可視の矢を避け続ける。

「まぁ、指揮官としてじゃなく、戦士として最後まで戦うというなら答えてあげようかね」

 回避運動を続けながら、応龍は翼についたファンを回し始めた。その姿に頭に血が昇っていた呉禁も我に返る。

「嵐龍砲か!?」

 それの圧倒的な破壊力についてはよく聞かされていた。その弱点も……。

「そんな欠陥兵器など!!」

 呉禁孔雀はスピードを更に上げ、狙いをつけさせないように縦横無尽に動き回る。これこそが最も合理的な嵐龍砲対策、それは間違いない。これが嵐龍砲なら……。

「キミの言う通りだ。嵐龍砲は破壊力と攻撃範囲を求めるあまり、溜めが長く、足を止めないと撃てないという無視できない弱点を抱えた欠陥だらけの兵器だ。しかもその破壊力と範囲も過剰、周りの状況によってはおいそれとぶっ放すこともできない。本当に使い勝手の悪い武器だよ」

「認めるのか!!」

「あぁ、認めたよ。そして認めた上で威力も範囲もあえて下げ、移動中も撃てる互換品を新しく作ったんだ」

「そうか!新しく作ったのか!……え?何を作ったって……?」

「だから……キミを倒す簡易型嵐龍砲さ!」

 そう言うと、応龍は矢の雨をかいくぐり呉禁孔雀に接近した。

「どうぞご賞味あれ。これが小龍砲だ!!」


ブルォォォォォォォッ!!


「ぐわあぁぁぁぁぁぁっ!?」

 嵐龍砲よりも威力も低く、範囲も狭い、されど大抵の骸装機なら一発KOしてしまう竜巻が至近距離で発射される。

 呉禁孔雀は為す術なく飲み込まれ、全身を切り刻まれ、意識を吹き飛ばされた。

「人生はトライ&エラー……応龍弐式はその言葉をまさに体現したマシンだ。失敗を糧にボク達は更に強くなった……!」

 ジョーダンは誇らしげにそう語る……誰も聞いてないのに。

「ジョーダン、カッコつけてないで無影覇光弓と水晶孔雀を回収して」

「はぁ……せっかく応龍弐式の初勝利、余韻に浸らせておくれよ」

「そんなもん後でもできるだろ。はよはよ」

 情緒というものがわかっていない無粋なカンシチに急かされ、応龍はとぼとぼと無影覇光弓と呉禁孔雀の下に……。

「それにしてもタフだね。小龍砲を受けても、原型を保てているなん……」


「ひひぃぃぃぃん!!」


「「「!!?」」」

 突如としてマウに乗った緑色の骸装機が出現!応龍の目の前で呉禁孔雀と無影覇光弓を持ち去る。

 一瞬だけ交差した視線でジョーダンは、そして遠目から見ているカンシチも、すぐにその骸装機の装着者が誰か理解できた。緑の仮面の下から漏れでる殺気には嫌というほど対峙してきたから。

「「朱操か!?」」

 緑色の骸装機は何も答えない。ただ一目散に砦から逃げて行った。

「あの骸装機、慇の国の主力、武雷魚か……」

 そう呟きながら応龍は彼らが逃げて行った方向に背を向け、カンシチの下に歩き出した。

「追わないのか?」

「まだあいつらの軍の全容が把握できていない。追った先で大軍に囲まれたりしたら、さすがのボクでも無理だよ。だから……」

 応龍はカンシチ鉄烏に手を差し出した。

「とりあえず今日のところは、キミ達との再会を喜ぶことに専念するよ」

「ったく……磨烈さんの淹れてくれた茶でも飲みながら、今まで何をしてたのか聞かせてくれよ」

 カンシチはジョーダンの手を握った。輪牟の村で初めて出会った時のように……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ