第81話「魔女王」
「こんにちは!異世界”マジックキングダム”の異世界転生者ガイデンラーフェです!
”O.W.H.L.”では第五聖を担当させて頂いております!」
デッドリィを倒した後、はつらつとした声で自己紹介をしたガイデンラーフェは可愛らしくペコリと頭を下げた。
「あいつは何者なんだ?」
一通り自己紹介が終わった後、エライトはガイデンラーフェにデッドリィについて聞いた。
ちなみにユークリートが”異世界転生殺し”デリトを紹介する時、「”O.W.H.L.”と協力関係の・・・」と言ったのでゾーレもデリトも「まだ協力すると決まったわけではないんだけど・・・」と思ったが何も言わなかった。
「デッドリィは凶王と呼ばれる新興勢力と魔女王によって造られた人工生命体です。」
「凶王?」
ユークリートが聞いた。
転生の女神長すら聞いたことが無かったらしい。
魔女王はこの異世界でいう魔王のことだというのはすぐわかった。
「ええ、ここ最近で突如として現れた新しい魔物たちの指導者です。
そもそも、この異世界の魔王である魔女王たちが住む”暗黒大陸”だけでなく新しい暗黒大陸とも呼べる”凶大陸”というのが突如として出現してから”魔女王”の配下ではない、異形の魔物たちが現れたようです。」
どうやらユークリートはガイデンラーフェにも”異世界の大原則”や”物語世界”、”勇者と魔王”の話はしているようだ。
他の異世界転生者にも同じ話をしているのかは判然としなかったが、恐らく”O.W.H.L.”のメンバーには概要は言っているのだろう。
「なるほど・・・。」
ユークリートは何かを考え込むような仕草をしたが、何を考えているのかは言わなかった。
「凶大陸も暗黒大陸も正確に言えば空を飛んで移動する複数の島のかたまりを指します。この騎士王の領土”魔法大陸”と同様です。」
「魔法大陸・・・。」
魔法使いが行き交い、無数の魔法の島が連なるこの諸島群は、まさに”魔法大陸”と呼ぶにふさわしい見た目をしていた。
「”凶王”はどんどん勢力を伸ばし、騎士王とも魔女王とも違う第三勢力として三つ巴の戦いをしていましたが、ほんの数日前、魔女王と協力関係になったことを公言し、凶王と魔女王の連合軍は騎士王へと宣戦布告したのです。」
「本当に最近だな・・・。」
「ええ。それからというもの一日に数回、デッドリィと呼ばれる魔女王と凶王による合作の新型兵器によって攻撃が行われているのです。
でも、騎士王の城まで攻めてくるなんて今日が初めてだな・・・。」
それからデリトたちはこの異世界で絶大な信頼を得ているガイデンラーフェに従って騎士王と面会した。
意外だったのが、ガイデンラーフェはこの異世界に来てそれなりに長いらしく、魔女王との戦いも長きに渡って続けていることだった。
その名の通り、騎士王は騎士道精神に溢れた優しげで、それでいて芯の強い、嘘をつくことを良しとしない性格の人物だった。
銀色に輝く立派な甲冑を着ていて、年齢的には40代くらいに見えた。
「・・・それでは、異世界転生者の御一行はごゆっくりしていってください。
魔女王と凶王の攻撃も日々続いておりますが、なに、我が魔法騎士団やガイデンラーフェ様の率いる魔道士たちによってすぐに戦いを和平へ向かわせましょうぞ。」
騎士王は思った以上に平和主義らしく、一方的に攻撃されているにも関わらず魔女王や凶王との戦いを平和裏に終わらせようと思っているようだった。
「我々もぜひこの戦いに参加させて頂ければ・・・」
と、エライトが挨拶をして騎士王の前から立ち上がったときだった。
巨大な爆音とともに、デリトたちがいる大広間の窓が破壊され何かが入ってきた。
「何者だ!」
衛兵が窓に駆け寄る。
「なんてことだ・・・我々の張った結界がこうも破られるなんて・・・」
そばにいたガイデンラーフェの部下と思われる老魔導士が戦いた。
どうやら、大広間には強力な結界が張られているようだった。
「うわっ!」
窓に駆け寄った衛兵たちは爆風とともに何かに捕まれて投げ飛ばされた。
「ぐは・・・!」
受け身や防御魔法を取る間もなく、衛兵たちは全身の骨を砕かれて重症を負った。
「何者・・・!」
騎士王は立ち上がり、王座の側に立っている衛兵が持っていた騎士王の剣を受け取った。
エライトの大剣に勝るとも劣らない立派な剣だった。
ガイデンラーフェは素早く騎士王に防御魔法をかけた。
「・・・フフフフ。”転生の大魔道士”が張った結界も大したことないのう。それとも、そこの干からびた老人の張った脆弱な結界だったかの?」
そう言って現れたのは全身を黒い服に身を包んだ女性だった。
足がスラっと伸び、キュッと絞られたウェストと、豊満な胸部が特徴的な女性でその顔には舞踏会で付けるような装飾のついた不気味な仮面をしていた。
だが、何よりも特徴的だったのは全身が黒ずくめで、豪華なドレスを着ていたことだった。
その場にいた誰もが瞬時にそれが”魔女王”なのだと気づいた。
仮面に覆われているその姿は、第六天魔の王面に操られていた刀子を思い出させたが、彼女とは違い、”魔女王”はその内側から邪悪な思念が出ているのを感じた。
こうして見るとにわかには信じられないが、魔女王ももとは異世界転生者だったのだろうか。
棘棘としたドレスを纏う黒く禍々しい姿をした魔女王はエライトやデリトに目を合わせるとニタァと笑った。
「騎士王・・・。”転生の大魔道士”だけでなく、”光の転生勇者”と”異世界転生殺し”まで従えるとは・・・。しかし・・・」
魔女王がそう言った時、玉座に座っていた騎士王の胸から長い剣が飛び出した。
「ぐはっ・・・なんだと・・・」
騎士王は口から血を流した。
「妾には勝てぬ。」
魔女王は妖艶な口元を緩ませ、ニタニタと笑った。
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