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異世界転生殺し-チートキラー-  作者: Michikazu Sashie
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第73話「”人殺し”」

突如としてデリトの前に現れた”O.H.W.L.”第十聖の入鹿 直道真は”人殺し(シリアルキラー)”という”権能”によって追い詰められる。

しかし、上空から・・・?

「僕の”権能”は”人殺し(シリアルキラー)”。簡単に言えば、チートを超える超チート級の”防御力貫通”ってこと。よろしくね、デリト。


君の能力は一撃必殺、限られた条件下でしか発動しない。異世界転生者であれば人以外にも使える。


一方、僕は、僕が”人を殺したい”と思ったなら発動する。ただし、人にしか使えない。それが君の”権能”との違いってところだよね。」


「思うだけで・・・!?」


ゾーレはここ最近でデリトが異世界転生者たちの弱点や弱みを探るのに時間をかけてきたのを思い出して驚愕した。




「そうだねー、まぁ僕は異世界転生者が人型であれば少なくとも最強とも言えるかな。君は僕の下位互換だけど頑張ってよデリト!」


そういうとすぐさま入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)はデリトに襲いかかった。




「くそっ、下がってろゾーレ!<インフィニット・ウェポン>!」


デリトは横に素早く移動しながら技を発動した。


今出会ったばかりの異世界転生者、しかも”権能”が”人殺し(シリアルキラー)”などデリトに勝ち目があるはずも無かった。




出現した重火器が一気に火を吹いたが、入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)はグルメクリーチャー・トゲクラゲヤマタノオロチの死体に隠れてその攻撃をやりすごすと、すぐさま攻撃を仕掛けてきた。




そのスピードはかなり早く、デリトの目もギリギリ追いつけるかどうかくらいだった。


デリトはアーミーナイフを出現させ、入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)のナイフとお互いにかち合った。


ガキィン、という金属がぶつかり合う音が辺りに響いた。




「僕の”権能”は誰にも止められないよ。僕のスピードも異世界転生者の例に漏れずチートだから”権能”の性能差がある限り、君は勝てないからね。」


「ご丁寧に説明どうも!」


入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)とデリトとのナイフの切り合いは互角のスピードとテクニックだった。




どうやら入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)の武器は手に持っているナイフ一本のようだった。


と、思った次の瞬間、デリトの背中に一本の刀が突き刺さった。


「ぐはっ・・・!」


「デリト!」


ドバっと口から血を吐いたデリトのもとへゾーレが素早く駆け、追撃しようとした入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)との間に素早く割って入った。




「ゾーレ!」


ボッチェレヌが心配して叫んだが、入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)の攻撃は急にスピードを失い、ゾーレの2本のサーベルによって受け止められた。


「ぐっ・・・!」


「君は・・・やはり”人”ではないね。」


そう言った入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)は予想していながらも初めて不機嫌そうな顔をした。




「ふっ!」


デリトはその隙を突いて、ナイフで攻撃した。




「ちっ・・・」


入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)は腹部を軽く負傷し、後ろに下がった。






「ぐっ・・・!」


デリトは背中に刺さった刀を引き抜き、回復魔法をかけた。


どうやら、回復魔法などは普通に効くらしい。


時間をかけて異世界転生者の弱点を見つけてきた今までとは違い、出会ってものの数分の今、弱点を見つけなければならない。


「私・・・あいつの攻撃受け止められた・・・何で・・・!」


ゾーレが自分のサーベルを見つめて言った。




今更ながら、ゾーレのサーベルの形が細く鋭い形になっているような印象をデリトは受けた。


「やつはゾーレのことを”人”ではないと言った。おそらく、ゾーレは”人”ではなく、”魔族”という特性だから奴の”権能”は発動しなかったんじゃないか?」


デリトは頭の中で”権能””人殺し”の仮設を組み立てていた。




”人殺し”は対人型の”権能”であることは間違いない。


つまりは、対人でない場合は”権能”は発動しないということなのではないか。


ゾーレに対して、攻撃力だけでなくスピードも対してチートとは言えなかった。




名前に騙されては駄目だ。




”人殺し”は即座に人を殺せてしまう”権能”では無く、あくまでも異世界転生者特化の”防御力貫通”だ。




だとしたら、勝機はある。




「ゾーレ!連携するぞ!」


「う、うん!」


デリトはこの異世界に来る直前、”魔王連合”の母艦である異世界”ジェネシス・フォートレス”でゾーレと連携を図るためのハンドサインや掛け声を決めていたのだった。




”ゴブリンズ・スレイブ”や”ギガンテス・オケアノス”での戦いを経て、それまで稚拙だったゾーレの戦闘能力が飛躍的に伸びているのを感じたデリトはゾーレ自身の身を守るという意味合いも込めて少し戦いを教えていた。




その中でお互いを守るためにいくつかの連携技を生み出していた。


掛け声とハンドサインの組み合わせによって多様な組み合わせがあった。




「<バックフロント>!」


デリトは右手の人差し指と左手の人差し指を交差させた。




ゾーレはそれをちらりと見て入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)の方へと駆け出した。


同時にデリトもその方向へ駆け出してゾーレの後ろにピタリとついた。




「何だそれ・・・?ユークリートの情報には無かったけど、小賢しい真似してるな!」


入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)も走り出したが、やはり、ゾーレには”権能”が適用されないようでスピードも対して出ていなかった。




なるほど、スピードをはじめとした異世界転生者によくあるチートステータスも対象を異世界転生者に絞った時だけのようだった。




ゾーレが素早く入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)に切りつけたが、そのサーベルは両方とも受け止められてしまった。


しかし、すぐにデリトが入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)の背後に周りナイフで切りつけた。




「ちっ!」


「良し!」


デリトは確実に致命傷を与えたと思ったが寸出のところでかわされて傷は深くは無かった。




ただ、確実にダメージは与えたようだった。




これならいけるかもしれない。




そう思ったのもつかの間、入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)は目にも留まらぬ早さで動き、デリトの足をナイフで貫いた。


「ぐっ!」


「甘いね・・・!どんな動きをしても、僕の目は逃さないよ・・・!」


ニヤリと入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)は笑った。




「成程・・・!貴様は焦点を合わせた対象が”人”だった場合に”権能”を発動させることができるってことか・・・!」


「御名答・・・!実際はもっと複雑なんだけどね!」


「デリト!」


ゾーレが再び間に入って入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)を弾いた。


”権能”を考えず、単純な能力値的なところでいえば、ゾーレのほうが入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)よりも優れているようだった。




「くそっ、どうすれば・・・!」


入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)は即座にデリトとゾーレたちの動きに対策を講じてきていた。


単純に焦点をデリトだけに集中していて、ゾーレを見ないようにしてしまったうえで、ゾーレに直接攻撃されている状況でも無い限りは”権能”は発動してしまうようだった。




デリトは早速窮地に陥っていた。




その瞬間、上空に眩い光が満ち、馴染みのある転生の女神が現れた。


「ウルレカッスル・・・!?何故・・・!?」


「デリト・・・。あなたに新たな力を授けます・・・!」


ウルレカッスルはセフィロトの杖を振ると、その先をデリトに向けた。


すると、デリトの胸のあたりに複雑な魔法刻印が浮かび上がり、辺りに風が巻き起こった。




「これは・・・!?」


「デリト、あなたには新たに開発した”ゼロリサーチ”の力を与えます。その力で多くの異世界転生者達を倒してください。異世界に平和を・・・!」


ウルレカッスルはそう言うと、また光を放ち、消えてしまった。


おそらく、異世界”ギガンテス・オケアノス”でそうだったように、エライトが転生の女神長ユークリートに授けられた”方舟の鍵”といわれる弓矢で攻撃されると窮地に陥ってしまうためやることだけやって離脱したのだろう。




デリトは与えられた能力が何か瞬時に理解した。


「ウルレカッスル・・・。貴様もたまにはやるじゃないか。<ゼロリサーチ>!」




「何だ・・・!?・・・ぐっ、これは・・・!!!」


入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)はデリトに目を合わせた瞬間、頭がぐらっとするのを感じた。




<ゼロリサーチ>は異世界転生者の前世の記憶を一瞬のうちに追体験として辿ることのできるものだった。




「これでお前の前世を見て弱点を理解することができる。」


「なんだと・・・」


デリトはその声を聞くか聞かないかで入鹿 直道真(いるかのなおみちざね)の前世へと入っていった。

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