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異世界転生殺し-チートキラー-  作者: Michikazu Sashie
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第69話「”食のスーパールーキー”」

”異世界転生料理人”モレネはパイナップルワームを軽々倒して料理をつくる。

実はモレネは異世界転生のチート能力以外はただのコミュ障だったが、いつの間にかそれが影響して祭り上げられていたのだった。

挿絵(By みてみん)

「(や・・・ヤバいー!またやってしまったー!)」


”食のスーパールーキー”こと”異世界転生料理人”こと異世界転生者であるモレネはジャイアントパイナップルワームの死体の近くでうずくまった。




「癖で緊張すると(にら)んでしまう・・・。絶対また誤解されたー!怖い人だと思われたー!」




モレネは本来、人見知りで人と話すのが苦手なため、異世界転生してきた後も周りに馴染めず、 しかし、異世界転生者として圧倒的なチート能力を持っているものだから結果として”食のスーパールーキー”として周囲に恐れられる存在となってしまったのだった。




「だいたい、なんだよ・・・”食のスーパールーキー”とか”異世界転生料理人”って・・・。意味分かんないでしょ・・・頼んでもないのに、謎の異名付けたの誰・・・!」


イライラしてモレネは足元のジャイアントパイナップルワームを蹴り飛ばした。


ジャイアントパイナップルワームははるか遠くへ飛んでいき、数人のバトルコックが下敷きになって「ギャー」と悲鳴をあげた。




「あわあわ・・・またやってしまった・・・!」


モレネは慌てて助けようか考えたが、人と話すのが怖すぎてビビって近づくことができなかった。


幸いにもバトルコックたちは自力で抜け出してくれそうだ。




「やべぇ・・・”異世界転生料理人”が戦いを欲してるぜ・・・!近寄らないでおこう。」


ただし、その姿を見ていた他のバトルコックがモレネに恐れをなしていた。


彼女自身はそのことに気づかず、さらに孤高の存在となってしまうのであった。






「はい!そこまでー!」


少し経ってから司会のキュリエスがピーッと笛を甲高く鳴らした。




「みなさんお疲れ様でした!Bクラスの中でも上級のジャイアントパイナップルワームは全て倒されてしまいました!すごいですねー!」




グラコロのステージには100体近くのジャイアントパイナップルワームが地面を果汁だらけにして倒れていた。


会場中には甘い匂いが立ち込め、ちょうどお昼時になった観客の胃袋を(くすぐ)った。




「さあ、ここからが異世界武料理大会第1ステージの本番です!このジャイアントパイナップルワームを使って料理を作ってください!


他にも使えそうなグルクリを放ちますねー!制限時間はグルクリ討伐時間もあわせ、2時間!始め!」


「ウォォ!」


急にキュリエスから告げられたバトルコックたちは食材確保に走り出した。




会場にはパイナップルワーム以外のグルクリたちも放たれていた。




それから10分ほど経った頃、バトルコックたちはあたふたと走り回っていた。


「クソッ!やっとジャイアントパイナップルワームを倒したと思ったら・・・!」


「ここにいるやつらもBクラス以上のグルクリばっかじゃねぇか・・・!倒すだけで精一杯で料理なんか・・・」




通常のバトルコックの中でも生き残ったのは特にレベルの高いバトルコックばかりだったが、


それでも天下一武料理大会の第1ステージ”クッキングロワイヤル”は難易度が高いものだった。




「くっ、これで2時間で料理しろなんて・・・」


と、バトルコックの1人が立ち止まった。




「おい・・・あれ・・・。」


バトルコックたちは指差すほうへ目を向けると、その光景に驚いた。




なんと既に料理をしている者がいたのだった。


「まさか・・・あれは”異世界転生料理人”!」




そう、モレネはジャイアントパイナップルワームの他にもさっさとBクラスのグルクリたち10体近くを討伐し、食材として下ごしらえを既に始めていたのだった。




「おーっと、これはさすが”異世界転生料理人”!グルクリの討伐などとっくのとうに終えて調理開始しているー!


他のバトルコックは未だに1体もグルクリを仕留められていないー!」


キュリエスの声にヤンチスも焦りを覚えた。


「さ、さすがだ・・・!強えし、早え・・・!」






そして、”クッキングロワイヤル”が1時間を過ぎた頃、モレネが料理を持って審査員たちの前に現れた。


「な、なんとー!やっと他のバトルコックたちが下ごしらえを終えた程度なのに既に完成だー!

早すぎるー!」


司会のキュリエスが会場を沸かせた。




「ふむふむ・・・!速いのは非常に良いことだが・・・味はどうかな?」


”美食魔王”の部下、”バトルコック・食の四天王”のひとり、”東のゴジベエ”が舌なめずりをした。


彼が第1ステージのメイン審査員だった。




「・・・・・・。」


モレネは緊張のあまり声がでなかったが、何とか料理の蓋を開けることにはギリギリ成功した。


問題なのはそれが、”食の四天王”に喧嘩を売っているとその場にいた全員に捉えられてしまったことだった。


「ほう・・・この俺様にその態度とはなかなか挑発的で面白いぞ!小童(こわっぱ)。」


ドン、とゴジベエの前に皿が置かれたが、実はこれも周りが思っていたように挑発しているわけではなく”食の四天王”の大きな声にびっくりして皿を落としそうになってしまっただけなのはモレネ本人しか知らないことである。




「さぁ!これは・・・何の料理だぁー!!!?」


「・・・パイナップルワームとゴーレムポークの酢豚。」


司会キュリエスの大きな声にビクビクしながら、モレネが答えた。




「ふむ、酢豚か。確かに酢豚はパイナップルが入っているものだが・・・これは逆にパイナップルの中に酢豚が入っているような・・・


さすがに”異世界転生料理人”。見た目のインパクトも大きく、かつ盛り付けも芸術品のように美しい・・・!


だが、味はどうかな。」


審査員の一人の女性が宝石のように口に輝くパイナップルワームの果肉と豚肉を口に含む。




「な・・・なんなのこれはー!!!」


口に含んだ瞬間、審査員の口内が輝きだした。


「お・・・おいしい・・・!パイナップルワームの甘みが強くほのかな酸味があるジューシーな果肉と甘みよりも塩みによせたソースが絡み合い、


口の中でとろけるハーモニーを奏でてる!・・・し・・・幸せー!」




パァン!と大きな音がして女性審査員の服が破け、裸体が(あらわ)になると同時に椅子ごとひっくり返った


「「「・・・・・・!」」」




「な・・・なんということでしょうー!あまりの旨さに審査員の服が破け、恍惚(こうこつ)の表情を浮かべて失神しています!」


キュリエスの司会でシン・・・と静まり返っていた会場がワッと盛り上がった。


「さすが、”異世界転生料理人”だー!正真正銘の”食のスーパールーキー”が現れたー!」




「フン・・・」


その時、”東のゴジベエ”が鼻を鳴らした。




「ぬかったな”異世界転生料理人”。わしはな・・・」


すぅ、と息を吸いゴジベエが言い放った。


「酢豚のパイナップルが世界一嫌いなのじゃー!!!」


その声はマイクを通していないのにも関わらずグラコロ中に響き渡った。




「た・・・たべりょ・・・」


モレネは『食べればわかる』と言いたかったのだが緊張のあまり噛んでしまったため『食べろ。』と言ったように周囲には聞こえた。




「なにぃ?嫌いだと言っているのに聞こえなかったのかぁ・・・?料理人としてどうなのか!それは!」


「・・・・・・。(なんでそうなるのー?!)」


モレネは心の中で叫んだ。




「・・・フ、フン。全く。食べれば良いんだろう?食べてやるさ!まぁ、すぐに吐き出してやるがな・・・!」


モレネが答えないのでゴジベエは酢豚を口に入れた。


スパイスの良い香りが鼻孔をくすぐり、食欲が湧いたというのも理由のひとつではあったが。


ちなみにモレネが何も答えないのはただ緊張しているだけであるのは言うまでもなかった。




「こ・・・これは・・・!」


ゴジベエは口に酢豚を入れた瞬間、全身に力がみなぎるのを感じた。


「甘みの強いジューシーなパイナップルワームの果肉をメインにしつつ、カリカリに揚げた春巻きの皮の中に豚肉を包んでいる・・・!


これがほろほろと柔らかい全体の中でアクセントとなり、あくまでもパイナップルが主役になりつつも、酢豚であることを脳内に刻みつける・・・!」




ふと、ゴジベエは目を凝らした。


「塩みの強いソースにすると同時に、香辛料をふんだんに組み合わせることで普通のパイナップル入り酢豚でありがちな”甘すぎる”問題を解決するとともに全身を温め、血流の流れを良くすることで体の隅々に溜まった疲れを解消させる・・・!


ぜ・・・全身の筋肉が喜びを大合唱している!!!」


ゴジベエも女性審査員と同じく、全身の筋肉が活性化し、一時的に肥大化するのを感じた。


その時、既に服が肥大化した筋肉の膨張についていけず弾けとんだが、脳内の快感を司る器官がオーバーヒートし、トリップ状態に陥っていた。




「な・・・なんということでしょう!!!あの”食の四天王”のひとり、”東のゴジベエ”を含め、全審査員の服が弾けとび、全員失神してしまったー!!!


全員笑っているー!これ以上はないとも言えるほどの恍惚の表情を浮かべているー!!!」


キュリエスが言うと、会場は大きな歓声に包まれた。


「えっ・・・」


誰よりも驚いていたのは料理を提供したモレネ自身だったが、それを知るものはひとりとしていなかった。




「これが、”食のスーパールーキー”!これこそが伝説の料理人・・・”異世界転生料理人”だー!!!」


会場からはどこからともなく拍手が鳴り響き、ほとんど全員がスタンディングオベーションをとった。




「ふむ・・・”食の四天王”とは・・・魔王四天王も黙っていられないな!」

会場が盛り上がる一方、ライゼレは立ち上がってキ・ラとイシ・ムを見たが、面倒くさいので二人とも無視していた。

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