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異世界転生殺し-チートキラー-  作者: Michikazu Sashie
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第52話「第一騎士団長・メリオノーラス」

邪竜ジャドドの侵攻に逃げ惑うガレステリアの国民たちだったが、そこに第一騎士団が救援へ現れる。

挿絵(By みてみん)

バタンと大きな地響きをたてて白銀のユーグメールは広場の中央の噴水を破壊しながら倒れた。


「ありがとうメリオノーラス!」

エライトはガレステリア王国軍第一騎士団長であるメリオノーラスに笑顔を向けた。

メリオノーラスはこの笑顔がいつもむずがゆく、照れてしまうのだった。


「・・・べ、別にあんたのためにやったんじゃないんだからねっ!」


「お、おお、さすがツンデレ騎士団長・・・」


「誰がツンデレ騎士団長よっ!」


メリオノーラス本人は知るよしも無かったが、騎士団員たちは愛を込めて裏でそう呼んでいた。


エライトもそれを真似したのだが、怒られてしまったようだ。


ツンツンしながらもメリオノーラスはエライトのことが大好きだった。

エライトは数十年前に異世界”ゴールド/シルバー”に転生してきた姿のままだったが、メリオノーラスが生まれた時から知っていた。



「さすがだな、あのユーグメールを倒してしまうなんて。」


エライトはメリオノーラスの近くに立った。


メリオノーラスは身長180cmあるエライトより40cmも低かったが、その存在感はエライト以上にあった。

その理由は彼女の巨大なキャノン砲だった。


自分の身の丈を遥かに超えるキャノン砲を持つ彼女の攻撃力は歴代の異世界転生者にも匹敵する強さだと言われていた。


「フン、エライトが注意を引きつけててくれたからね。楽勝よ。」


そうは言ったが、実はエライトのことが好きなメリオノーラスはユーグメールと戦っている彼を見つけるなり、すぐに助けようと白き大ドラゴンを攻撃したのだった。




その時、バンっ、とユーグメールが立ち上がった。


「このクソ人間どもがぁぁ!絶対に許さん!」


「・・・まだ生きてたのね。しぶといわ!」


そういうとメリオノーラスはキャノン砲の付け根を回し、砲身をガトリング砲に変え、連続で撃ちまくった。


みな、メリオノーラスの強さの秘訣はその身に宿す魔法力から繰り出される火力だと思っていたが、実は大きく貢献しているのは小銃やスナイパーライフルからガトリング砲からキャノン砲に至るまで誰よりも上手く扱える手数の多さだった。




「グガァァァ!」


両目を潰されている状態のユーグメールはメリオノーラスの攻撃を避けることもできず、全身に銃弾を浴び、最後は上から攻撃してきたエライトに首を斬られて絶命した。




「ジャドドの最強の部下とか、西の大地最強の生物とか言われててもこんなモノね。」


ふう、とメリオノーラスは息をついた。


「騎士団長~!やっと見つけた~!」


メリオノーラスの部下、つまり王国第一騎士団の副団長ツリェをはじめ、団員たちが走ってきた。




「もー、急に走り出しちゃうんだから・・・勇者様と同じくらいの強さをもつ団長にそんな皆ついていけないですよ~。」




実は、エライトたちのもとに駆け付ける前、王国第一騎士団として、次から次へとドラゴンたちを倒してまわっていたのだが、メリオノーラスは胸騒ぎがして、突然走り出してしまったのだった。


恋するオトメの能力は凄まじく、すぐにエライトを見つけることができたのだった。




置いていかれた団員たちは恨みがましい目を団長に向けたが、メリオノーラスは怒らせると、とんでもなく怖いためただ黙っているしかなかった。


一方、騎士団長メリオノーラスはそんなふうに団員たちに睨まれているともしらずエライトに恋する乙女の目を向けていた。




少しの間、ゆるんだ空気感になったが、ある一人の団員が空を見上げて凍りついた。


「邪竜ジャドドが真上にいるぞ!!!」


急に緊張感が現場に戻り、エライトや団員たちは武器を構えた。




ジャドドは滑空して広場にやってくるとズドンと大きな音を出して、瓦礫の上に倒れていたユーグメールの体の上に降り立った。


通常のドラゴンの10倍以上の体躯を持つユーグメールの更に3倍以上あるジャドドがのしかかるとユーグメールの骨がボキボキと折れた。




「ちっ、近くでみたらなんてデカさだよ・・・。」


団員たちは王国の中でもトップクラスの実力を持つ猛者ばかりだったが、全員ジャドドを前にして内心凍りついていた。




いよいよ、”光の異世界転生勇者”エライト及びメリオノーラス率いる王国第一騎士団、つまり王国で一番の精鋭たちと邪竜ジャドドとの戦いが始まるかにみえた。




しかし、次にジャドドが起こした行動は驚くべきものだった。




「魔王陛下。邪竜ジャドド、言いつけどおり王国軍を殲滅すべく参りました。」


人の100倍以上もあろうかという超巨大なドラゴンが長い首をもたげて頭を下げたのだった。




「貴様、何をしている?」


どう見ても邪竜ジャドドが頭を下げたのはエライトだった。


エライトは全く心当たりが無く、その場は凍りついた。




次の瞬間、エライトの意識が急激に遠のいた。

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