第40話「天魔大将・鬼面」
デリトは天魔大将・鬼面の不死身のタネに気づく。
それを聞いた刀子はあることを決心する。
「何回もしつこい!」
スパリと刀子が襲いかかってこようとする鬼面の首を切り落とした。
「何か・・・奴の力のからくりが無いか・・・。」
デリトは目を凝らしながら、鬼面の動きを観察した。
刀子に1人で戦うと宣言された以上、彼女の気持ちを尊重すべきだろう。
しかし、デリトは何か力になりたかった。
「強い!だが、首をとられたくらいで死ぬようなその辺の武将ではないわ!」
すぐに鬼面の首と頭はくっついて再生した。
その姿は確かに死んでいるように見えた。
「くっ・・・!」
先程から鬼面は刀子に一撃もくらわせられていない。
ただ、何度倒しても即座に生き返る敵の姿に刀子が勝てる感じも無いのは確かだった。
「くそ・・・どこか・・・何かあるはずだ。<謎仕掛けの分析者>」
デリトは魔法スキルを使い、目を凝らした。
<謎仕掛けの分析者>は隠された仕掛けを見破るために使う魔法だが、目に見えないものは見えない。正確には集中力を高め、仕掛けを把握するために使っている。
そのため、鬼面の生き返りの秘密を見破るのに使えると思ったのだ。
目を凝らし続けていると何か、違和感に気づいた。
「何だこの違和感は・・・。」
刀子が鬼面の後ろに隠れたとき、だいたいは鬼面がデリトに背を向けた時に何かがおかしいと感じた。
「何度斬っても、どこを斬っても生き返るなんて・・・!」
「ふはは!貴様に俺様は倒せんぞ!」
鬼面は自分の体に腕を突っ込み、自ら体をバラバラに引き裂いた。
「ぐぇぇ、痛い!!!」
絶叫しながら自分の体を刀子に投げつけた。
「うご・・・」
大量出血により鬼面は事切れた。
その瞬間、デリトは違和感の正体に気づいた。
「ふっかーつ!!!喰らえ!<肉の檻>!」
バラバラになった鬼面の体がお互いに引き合い、再生しようとした。
その中に刀子がいた。
刀子を鬼面自らの再生する体に取り込もうというのだ。
「くっ・・・」
刀子は構えた。
力まかせの攻撃が続いたうえに、突如として変則的な動きで攻撃されたので、すぐに反撃するのもギリギリだった。
どこを狙おうかと考えたとき、デリトの声がとんできた。
「背中だ!背中に、核があるぞ!」
刀子は素早く刀を逆手に取り、振りさばいた。
内側に向かって振られた刀は体を真っ二つにし、刃は背中まで到達した。
「ぐげぇぇぇ!」
だみ声のような絶叫が響くとちぎれた鬼面の体は再生することなく、地面にびちゃりと落ちた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
全身血に染まった刀子が立っていた。
「刀子!大丈夫か!」
デリトはすぐにかけよった。
「・・・うん、デリト、見て。」
刀子はしゃがんで何かを見つめた。
「ヒデキチ。死んでなかったんだな。お前。」
それは赤ちゃんのような姿になったヒデキチだった。
「おそらくヒデキチは完全に猿面とは一体化せずにいたんだ。
猿面とヒデキチのもともとの関係性のように、命を司るヒデキチと身体能力を司る猿面と分離していた。
表面上だけは合体したように見せていたんだろう。」
「・・・そうなんだ。」
刀子がヒデキチを抱き上げた。
先程の攻撃が届いたのかヒデキチは大きな傷を負っていた。
ヒューヒューと短い息をしきりにしていた。
「鬼面となった猿面は攻撃を受ける時に核となったヒデキチ部分を一瞬だけ分離して、反対側に逃して再生していたんだ。
そして猿面部分は攻撃されてもヒデキチの生命力をもとに再生を繰り返していた。」
「じゃあ、攻撃しても倒れないってわけじゃなくて攻撃がちゃんと届いてなかったってことなんだ。」
「まぁ、刀子の迷いがあると感じて攻撃が届かない位置にヒデキチを動かして避けていたんだろう。流石に本気を出した”異世界転生無双”のスピードにはついていけなかったか。」
「ヒデキチ・・・。」
短い間だったが、仲間として共に戦った幼い少年のことを思い出し、刀子は涙を流した。
刀子の声にヒデキチは答えぬまま、白く体が光りだし、パラパラと崩壊して散っていった。
「いやぁ、感動。感動じゃ。」
玉座で静観して見ていた第六天魔王がパチパチと乾いた拍手をしながら2人のほうに降りてきた。
「良き見世物であった。ご苦労ご苦労。素晴らしき余興であった。・・・おや、どうした。2人の、否、4人かな?
素晴らしき演者に感謝の気持ちをこめて拍手を送っているのに、どうしたそんな苦虫を噛み潰した、噛み殺した、斬り殺したような顔をして。」
ニヤニヤと笑う第六天魔王をデリトと刀子の2人は鬼の形相で睨んでいた。
「第六天魔王、貴様のことは絶対許さない。こんな、命を弄ぶような真似をして。」
「覚悟しなさい。貴方のことはこの”異世界転生無双”が斬る。」
キン、と冷たい音を響かせ刀子は愛刀”神怒”を鞘から引き抜いた。
「・・・ふむ。そうか、ワシも演者だったか。それならば務めをはたそう。
何とか窮地を脱した2人の演者を、このワシが、”死屍王”で斬り伏せてしんぜよう。」
第六天魔王は2人に会って初めて刀を抜き、2人に向けた。
その刀は大きさや長さこそ普通の刀だったが、黒い刀身から目に見えるくらい強い妖気が光のようにあふれていた。
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